2010年12月30日木曜日

日々是好日(にちにちこれこうにち)

禁酒三日目でアウトでした.tomoriです.
飲む気なかったけども,かみさんがエビの刺身と焼き茄子を作るから…

さて,年の瀬.
皆さんはどんな1年だったでしょうか.
Gmailを整理していたら,侍OTさんから頂いた励ましメールが出てきました.
(侍さんは芥川賞作家の玄侑宗久さんから頂いたようです)


日々是好日(にちにちこれこうにち)

時間とは人間が作り出した概念にすぎない。
過去を引きずることは必ず不安や妄想を引き起こす
実際には常に”今”しかないのである。
ある日のこと
老子と弟子がお勤めを終え帰り道での出来事・・・

川に差し掛かると
裸同然の女が溺れていた・・・

当然二人は川に飛び込み女を助け岸に引き上げた・・・

その日の夜
弟子は老子の部屋を訪ねた

「なんだ、まだ眠らんのか?」

「・・・・・・・・・・・    」

「どうした話してみなさい」
「私は修行中の身でありながら女の生肌に触れてしまいました」
「私は罪深い僧です、私はどうしたらよいのでしょう?」

すると老子は高笑いし・・・・・

「なんだお前、まだ触っておったのか」




イラストはしあわせる力より引用

僕は意外と不安症です.
しかし寝ると忘れるという特技を持っていますので,
不安を感じると,酒飲んで早めに寝て,朝からまた頑張るようにしています.

不安を感じようが感じまいが,来年も今を生きていこうと思います.

2010年12月29日水曜日

2010 tomori's top 10 

4歳の娘が写字ができるようになったtomoriです.
ちなみに彼女はサンタさんへの手紙をせっせと書いていました.
そのあて名が,  ×サンタさへん ○サンタさんへ  惜しい!



2010年は人生の分岐点でした.

多くの皆様の支えがあって,どうにか乗り切ることができました.
本当にありがとうございました.

さて,少し振り返ってみたいと思います.


10位 iPad発売
当初MacOS用のADOCを開発していました.iPhoneに載せ変えようか,win版にするか迷っていました.その矢先にiPadの発売予告です.確か今年の1月でした.紆余曲折ありましたが,ADOCはiPadで動くことで,非常に使いやすいものに仕上がりつつあります.




9位 iPhone購入
4月にiPhoneを購入し,念願だったクラウドです.evernote,dropbox,mobile meは全て加入し(年間2万5千円か!!),Mac,iPad,iPhoneでシームレスに情報共有が可能です.iPhoneにいろんなものを記憶させていて,今日も見たかったDVDをTSUTAYAで検索して借りました.生活を変えるデバイスです.しかしさらに海馬が機能低下しているような気がします.最近,あれ,これ,それ,という代名詞がめっきり多くなりました.




8位 学位取得
早くも登場.やっと学位を取れました.実は本当にあきらめかけていましたが,指導教授をはじめ皆さんの支えあって取得することができました.本当にありがとうございました.




7位 学生
今年も学生の成長ぶりを見る機会が多々あって,教員やってて良かったな〜としみじみ思います.うちの学生は皆素直です.



6位 ADOCホムペ・ブログ開設
いつもアクセスありがとうございます.今記録を見ると去年の1月下旬に開設のようです.全く何も分からなかったのですが,友達ととにかく1ヶ月後にサイトをスタートさせると言って取り組みました.どうにかなるもんですね.来年はブログも定期的にupできるようにしていきたいと思います.






ADOCを開発してくれた沖縄のIT企業さんです.いつも僕が無理を言って困らせてばかりだったのですが,比屋根社長にADOCの構想をプレゼンした後,「共同開発にしよう」と言ってくださった時,身震いするくらい興奮したのを今でも覚えています.嬉しかったです.ちなみにADOCのプログラマ宮里さんです.





4位 研究費(科研費勇美記念財団
幸運にも研究費を2つ頂くことができました.私はプログラムが全く打てませんので,研究費がないとADOC開発など全く夢の話でした.本当に感謝しています.



3位 OT学会
今年のOT学会では,本当にたくさんの方々に質問など受けました.90分間くらいずっと.僕はかれこれ10回くらいOT学会で発表しているのですが,動物実験だったので全く質問がありませんでした.それが今回たくさんの反響があって,嬉しかったです.ちなみに1番目に質問してくれたの長山さんで,今ではすっかりマブダチです



今年は結構本やブログを読んだ年でした.ライフハック,GTD,レバレッジ,など様々なことを学ぶことができました.中でも,この古い本を今年のタイミングで読めたことは,自分にとって大きかったと思います.この本の考えを実践することで,たくさんの相乗効果が生まれ,Top10などといったブログを書くことができたと思うので,2位です.





1位 ADOC project での出会い
もちろん1位はこのprojectを立ち上げて,たくさんの仲間と出会ったことです.共同研究者以外にも,ADOCを通して知り合った方々との全ての出会いは,私の一生の宝です.
これからも一緒に良い仕事をしていって,project の目的である
1) 一人でも多くのクライエントが意思決定に参加すること
2) それによって一人でも多くの作業療法士が楽しく自信を持って仕事をすること
を目指していきたいと思います.一緒に頑張っていきましょう.


以上,今年のtomoriビックイベントTop10でした.

来年はいよいよADOCリリースなんですが,
現在さらに改良を加えているために,時期が延期しそうです.
大変申し訳ございませんが,しばらくお待ちくださいますようよろしくお願いいたします.

2010年12月12日日曜日

良い論文を書くには?

卒論が終わった後で,やればできる卒業論文の書き方 
というお役立ちサイトを見つけてしまうtomoriです.
ダメな論文を書く14の方法 という面白い記事に遭遇したので,
共感できるところを引用します(省略した部分もあります)


  • 途中で印刷して紙の上で推敲しない。

わかります.声に出すのは必須です.でもボクの場合は紙に書くのは図解です.
mindmapとか,イラストとか使います.

  • 執筆中に指導教官や同僚には、なるべく見せない。

これ絶対絶対にダメです.必ずちょくちょく確認したほうがいいですね.
ずれてるかどうか自分では分からないものです.
あと時間短縮にもよし.大きくずれたら修正するのも面倒.

  • グラフはExcel様のなすがままに、いいかげんに作る。(グラフの軸目盛で有効数字を表現する方法って絶滅寸前か。)

超わかるー(笑).絶対的にキライです.好き嫌いかもしれません.でもなぜか譲れない.
近頃は学生の作ったグラフを自分で修正する始末…

  • 図や写真を少なめにする。

何で文章にすると難解かつ時間もかかるのに,図にしないんだろうと思います.
執筆者,読者にとってメリットがあります.
ただ,図でごまかしたり,単純化しすぎたりしていないか,注意が必要です.

  • 理由は常に曖昧に。計画性がなく、思いつきの実験を少ない事例だけで実験したように思わせる。

最初はいいけども,それを続けるのはいけません.

  • 精度とノイズレベルも曖昧に。

結果の差が「真実」かどうか,臨床的に意味があるかどうか,
関連文献をしっかり読んで仮説を立てることが必要です.
あと実験方法をなんども検証して,測定誤差を認識することですね.
そうそう.なぜか有意差を絶対視する傾向にあります.数字遊びに走らないように.

  • テーマの平凡さを、道具のすごさで誤魔化す。

 すごい金かけて実験してて,出てきた結果がこれ? みたいな研究のことですね.


  • 結論は「○○○が重要であることが分った」で締めておき、○○○が何にどうつながるのかは言わない。

少しでも社会の役に立つ調べものは研究.自分の満足のための調べものはヲタク.

  • 結論では、出来なかったことの言い訳を並べる。

・・・少しはさせてくれ.

  • 他人の論文を参考文献に取り上げる基準と理由はテキトーにする。

自分のストーリーにあてはまる論文だけ引用したりするのはブー.
いつまでたっても新しいことは分からない.

以上です.

これにボクが付け加えるとしたら,

  • ダラダラ書かない(ごまかさない)
  • 目的と結論が合っていない(書いてる途中で樹海に迷った感じ)
  • 和文の論文だけ引用する(偏見かもしれませんが大方の場合視野が狭いと思う)
  • 自己満っぽい(何のための研究かわかりにくい)


という感じですかね.
でも論文は書く前に勝負は決まっているもんだけどね.

ちなみに良い論文とは,


  • 他人とは違う題材や、他人とは違うやり方に、チャレンジしている研究の論文
  • 読者が使いたくなる結果が載っている論文。(たとえ発想が平凡であっても、データが優れていて、同業者はこれを引用しないわけにはいかない論文。
  • 読者になるほどなと思わせる論文。つまり、読みやすく、分りやすく、結論が自然であるのに、類例がない論文。



だそうです.

今日のブログは自分のために書きました.反省 orz...
明日から新しいADOCの論文執筆スタートです! あ,寝よう.

2010年12月10日金曜日

ADOCの注意点

身軽になりたいtomoriです。今日はゼミ生に手伝ってもらって研究室の棚半分をすっからかんにしました。明日辞められるぐらい(笑)

今日は卒論の提出日でした。
・ADOCと通常の面接の比較
・失語症者に対するADOCの有用性
・ADLの項目と範囲の検討
でした。皆良くがんばってくれました。

さっき打ち上げをしたのですが、とても嬉しかったことがありました。
「ADOCを使うことでお互い納得できる目標を立てることはできた」
「ADOCはいいけど、失敗できるのは学生のうちだけだから、面接の大変さを体験したほうがいい」
「最初からADOCに頼ると、はいこれつかって面接しまーすみたいになってしまう」
と卒論を終えた学生が言っていました。

たしかに卒論発表会の時もそんな質問が出てました。
いい学生たちだ。
新しいものにか飛びつくな.よく見聞き判断して.
便利なものに頼りすぎるな。あと便利だからと押し付けるな。
そこは注意ですね。


でもクライエントと協業する楽しさを一度だけは経験して欲しいと思っています。
クライエントが自分にはこれが必要なんだと実感して、いきいきする瞬間を共有してほしいなと思います。

うちらは、そのために仕事してると思うので。

ボクの経験だと,あってるかどうか分からないままインタビュースキルを磨いて、理論を勉強して、何か周囲の目を少し気にしながら,やっとできる協業。それをADOCが最初の一歩となってアシストして、何か面白いなと興味をもって協業について勉強していくうちに,ADOCは補助輪みたいに離れていけばいいなぁと思っています。

あと,今日嬉しかったことは,
ゼミ生がボクの学位取得のお祝いをしてくれました.
ボクは名前の通り幸せ者ですね.皆さんありがとう.

2010年12月8日水曜日

作業療法を説明できますか?

朝の7時から24時までチャングムをぶっ続けで見たことあります.tomoriです.
ちなみにボクが好きなのはハン尚宮です.


先日,一般の方から,OTの業界をいろいろ勉強させて頂きたいということで,
ふだんご覧になられているニュース源などございましたら教えてください,との問い合わせを受けました.

ちなみにまだ返事をしておりません.
というのも,一般の方向けに良い情報源がいまいち無いからです.

私のブログも,琉球OTさんも,侍OTさんも,どちらかと言えば作業療法士向けの内容です.

世界作業療法連盟の定義は分かったような分からないような.

ウィキは海外の定義を端的にまとめている感じで,日本には馴染まない感もある.

京極さんが少し分かりやすく説明しています.
でも自分が作業療法士であるから分かりやすいのかが分かりません.

ということで,作業療法って何なんでしょうね〜.



ととのいました!

私は学生に作業療法の説明をするときには,こう質問します.

tomori「乙武さんは健康ですか?」 


たいがいの方は健康だと答えます.

tomori「どうして? 五体不満足でしょう もしあなたがそうなったらそんな悠長なこと言えますか? 手も足もないんですよ?」

student「でも... 乙武さんは健康だと思います」

tomori「理由は?」

student「だって... なんかやりたいことできてるから,笑顔だし」


tomori「そうなんです.やりたいことを出来ているのが健康なんです.だから作業療法では,本人がやりたいことができるように支援するのです.もちろん障害があると出来ることは制限されます.でも,いろんな工夫をすることで,できることは沢山あります.乙武さんのように.それを患者さんと一緒に考えるのが作業療法です」

student「ん〜.分かったような,分からないような...」

tomori「作業療法って他人に分かりにくいんです.だってボクがチャングムを朝から晩まで観たといって,その楽しさはあなたには分からないでしょう.あなたには分からないかもしれないけど,やっているボクは確実に分かります.楽しいです.満足です.みんなに勧めたいくらい良い韓国ドラマです.しかも忙しかった時期なので,ひときわスリリングな時間でした(笑).まあ,多くの方は分からないでしょう.でも,そういったことを本人にとって大事なことができるようになることを作業療法では支援するので,他人には一見分かりにくい職業なんです」

student「なるほど...」



どうでしょう? 皆さんにもあるでしょう?
他人には分からないけど,自分にとっては大切で,楽しいことが.自分にしか分からないこだわりが.人には言えない夢が.もしくは役割としてやらなければいけないことが.

病気が有る無しではなく,自分にとって大切なことができるかできないか,
もしくは持てるか持てないかが健康を大きく左右するのではないでしょうか.

それを支援するのが作業療法です.

加えて言えば,病気になることは決してマイナスばかりではありません.
病気になることで,自分にとって本当に大切なことを見直す機会になるからです.

しつこいですが,「乙武さんは健康ですか?」

2010年12月4日土曜日

健康を決める力とは

白湯を飲み始めました。tomoriです。

さて、先日といってもだいぶ前ですが、
 健康を決める力
というWebサイトを開設された聖路加看護大の中山和弘先生にお話を伺って来ました。

私自身ADOCに意思決定という単語は入れたはいいものの,意思決定について詳しい訳ではありません。
そんな素人の私にも、中山先生はとても丁寧に色々と教えてくださりました。ありがとうございました!!


健康をきめる力 では、意思決定、ナラティブとエビデンスなどについて、
「細かく」・「分かりやすく」説明されており、作業療法士なら一読の価値大ありです!

作業療法では、健康は自分でなるもの、と考えている割には、
その仕組みについて、本人にとって価値のある作業をすること、とばかり考えていて、
このようなヘルスコミュニケーション、ヘルスリテラシーに関する情報が入ってきていないような気がします。

中山先生からは、意思決定関連の研究の面白さって、
治療の意思決定⇨介入⇨成果 のプロセスの中で、
介入が同じでも意思決定が違えば成果が変わるところだよね、と教えていただきました。

なるほど!

健康を決める力の曖昧さと面白さ、
そして作業療法における意思決定の重要さを改めてを感じました。

私も意思決定について、もう少し勉強していこうと思います。