2016年2月21日日曜日

研究をするには大学院が全てではない

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宮古島で自家焙煎珈琲はじめてみました.tomoriです.

さて,僕のボスである東先生が,学術誌作業療法に,「臨床家のための研究のすすめ:実践編」という特集の,「臨床家と大学教員の協業」というタイトルで寄稿しています.オープンアクセスだったので紹介させてください.

研究に興味があるけどどうすればよいか分からない臨床家や,臨床研究をしたいけども臨床家とのネットワークがない大学教員にも読んでいただければと思います.この協業は一朝一夕にできるものではないですが,研究をするには決して大学院が全てではない,ということを多くの人に知ってほしいのです.

このブログでも何度か書いていますが,本当に無才な僕に,長崎大学の先生方や,研究室,臨床の先輩方は親身になって接してくださいました.長崎大学の先生方を中心に,後進をしっかり育てるという強い意志があったので,私のような卒業生でない者でも卒業生のように接してくださいました.もちろんPTOTの大学院などない時代で,研究生でも院生なみの研究をやるぞと燃えていた時代でもあります.

ボスの寄稿では,最後に僕たちADOC projectで行ったRCTを紹介していただきました.このRCTは,大学院組織がなくても研究はできるという可能性を広げる意味での,長崎への自分なりの恩返しもあったので,嬉しかったです.もちろん研究の統制という部分では難点は多々ありました.臨床疫学自体が独学だったので臨床家の皆様にも多大な負荷をかけてしまいました.しかし,臨床家のみんなが明らかにしたいと思える研究疑問を立て,研究デザインをよく検討すれば,「大学院」というつながりなしにRCTでも実施できるんだ,という実現可能性(Feasibility)を証明できました.明確に効果がある!という結果にはならなかったのですが,これは次の研究に繋げるためにやるんだ,という思いでやっていましたし,踏み台くらいにはなれたかもしれません.

しかしまぁエビデンスの検証にRCTがベストとは思えません(笑) 個人的には日々の実践がビッグデータとして積み重なる形で根拠を示すことが最も効率的かつ現実的だと2-3年前から言い続けています.誰かやったらいいのに...(笑) でもこれも踏み台になってやろうと思います(笑)

ではでは.臨床家と大学教員が大学院以外でももっともっとつながって,作業療法の研究が発展していくことを願って,書き終えます.

あーー,そうそう.その思いを叶えるための活動の1つとして,日本臨床作業療法学会!第3回大会が3月に蒲田であります.ぜひ,これで全国の臨床家と大学教員がつながってください.今年も面白いイベントが用意されているようです.これについてはまた書きます.



とりあえず,最後まで読んでくださりありがとうございました.


2016年2月14日日曜日

新設された「目標設定等支援・管理料」とADOC

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3歳の三女に「歯磨きしよ〜」と声掛けしたら,「きのうみがいたし!」とキレられました.tomoriです.思わず笑ってしましました.

さて,世の中はバレンタインですが,医療介護業界は来年度の改定に向けてバタバタな時期でございます.先日,「平成28年度診療報酬改定についての答申書」で改定内容が公開されました.その中の「要介護被保険者の維持期リハビリテーションの介護保険への移行等」の項目において,「目標設定等支援・管理料」というものが新設されます.数年前は,まさかこんなものまで新設されるとは思ってもいませんでした(笑)

初回250点,2回目以降100点(3月に1回に限り算定)とまあまあ手厚いだけでなく,脳血管,運動器,廃用リハ料を算定していない場合(具体的には,標準的算定日数の3分の1を経過したものについて、直近3か月以内に目標設定等支援・管理料を算定していない場合)には,10月から1割減算する!とのことです.これは厚労省もけっこう踏み込んできましたね.

で,目標設定等支援は具体的に何をするのか?ということを要約すると...

  • 医師やその他のスタッフが協働して目標設定支援・管理シート(現時点で書式未定)を作成し,患者さんに渡して説明をする
  • そして,患者さんの経過,ADLの変化点,患者さんの生きがいや予後に基づいた活動や参加を実現するためにどんなリハを進めていけばいいのか,いま病院(医療機関)で実施しているリハがどうつながっているのか,などといったことを説明,記載する.リハ総合実施計画書やリハ実施計画書の説明の際に一緒にやって構わない.
  • 介護保険のリハが必要な場合には,ケアマネさんと連携して,訪問リハや通所リハを紹介,見学,体験などを提案する
ということらしいです.詳細はこちらの182〜185ページを御確認ください.

さて,「この目標設定等支援・管理料」 書式はまだ例示されていません.ADOCも活用できそうと思うのですが,正直これはMTDLPへの誘導かなと読んでいます(笑).なので現場にとっては,ADOC+MTDLPというコンビネーションはややこしいので,もうMTDLPのシートだけでええやんということになるかもしれません.

でもMTDLPの肝心要である,活動や参加のリハとはなんぞやという説明をして,本人の価値観を共有するというプロセスにおいては,COPMや興味チェックリストと同様に,ADOCの活用も推奨されているところであります.ADOCは紙面版をフリーでダウンロードできるので,ご利用くださいませ.

いまADOCは中途半端な位置付けですよね.それはよく分かっているのですが,僕がプログラミングをできるわけではないので,時代の追い風にうまく乗れずにいます.今年はその辺をどうにかして,現場に「馴染む」アプリにしていきたいですね〜.

もしADOCを「こうしたらいいと思う!」などのご意見などありましたら,僕までご連絡のほど.よろしくお願いいたします.


最後まで読んでくださりありがとうございました.






2016年1月25日月曜日

ご無沙汰しておりまする.

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こども英会話のセールスがうちに来て、次女に「APPLE」 のネイティヴの発音を聞かせると、「アホ!」と答えてたので、やんわり断っておきました。tomoriです。



しばらくブログも更新もできず、申し訳ございません。いつも気にはしているのですが、なんと9月23日から更新していない事実に驚愕・・・ 臨床に出て自由な時間が減ったこともありますが、何より色んな経験をさせていただいている反面,作業療法に対する自分の見方やスタンスがガラッと変わってしまい、作業療法のことを書こうと思って始めた当ブログの更新がどうしても遠のいてしまいました.Facebookという楽なツールを使っていたというのもありますが...

最初の2行を楽しみしている方も少なくないと伺ったので(笑),まぁ作業療法にこだわらず、わたくし tomori kounosuke が日々感じたことをつぶやいていきたいと思います.気楽にお付き合いいただければと思います。



さて,自分が臨床に出て9ヶ月になります.臨床で思うことは,「大変...」 「分からね〜」 「思うようにいかね〜」 ということばかり.そして,ここ数年講演で偉そうに臨床の皆さまへ話してたけども,あまり役に立ってなかっただろうなぁと,過去までも遡ってネガティブになってしまいます(笑) 

一方で,ポジティブバカな僕は,「自分の出来ることは何か」もよく考えるようになりました.大切にしてきたことは「共創」です.まわりのみんなが「自分もできるかな、やってみようかな」と思うような企画を考えたり、異色なものを重ねて新しい価値を創ったりすること。ADOCの開発,研究,事例本,日本臨床作業療法学会の設立など,ここ数年を振り返ると、共創は「プチ」特技と言ってもいいかなと思っています.良く言えばイノベーティブとか新しいタイプのマネジメントとかかもしれませんが、悪く言えば自分一人では何もできない他力本願タイプです.


出来ること,出来ないことが分かった9ヶ月.でも,人間って得意なことと苦手なことの2軸で考えがちですが,




僕は好きなことと嫌いなことから考えようと思っています.



もちろん周囲や背後ではいろんなことがめまぐるしく動いているのですが,大事なことは自分の声に従うことです.





あなたの時間は限られている。だから他人の人生を生きたりして無駄に過ごしてはいけない。ドグマ(教義、常識、既存の理論)にとらわれるな。それは他人の考えた結果で生きていることなのだから。他人の意見が雑音のようにあなたの内面の声をかき消したりすることのないようにしなさい。そして最も重要なのは、自分の心と直感を信じる勇気を持ちなさい。それはどういうわけかあなたが本当になりたいものをすでによく知っているのだから。それ以外のことは、全部二の次の意味しかない。

Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life. Don’t be trapped by dogma – which is living with the results of other people’s thinking. Don’t let the noise of others’ opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.

最後まで読んでくださり,ありがとうございました.
今年もどうぞよろしくお願いいたします.



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