やっぱ食べ物は九州ばい。tomoriです。
約二年ぶりのADOC project主催のOBP研修会 in 福岡。ほぼ満席でのスタートです。ありがとうございます。お隣の方にお声かけしたら、関東から学生さんがわざわざ来てくださったみたいで…最後まで熱心に聞かれてました。
さて、今回のテーマは理想と現実をつなぐこと。何が理想で、どう具現化しているのか…
最初は僕から、OBPの概要とエビデンス、そしてチームでのトップダウンアプローチについて説明させていただきました。いまOBPが追い風にあること、我が国でもどんどん進化していくだろうと予測される反面、そのエビデンスはぜい弱である現実、そしてエビデンスを構築するためのポイントについて説明いたしました。その後、作業との連続性が保たれてるOBP実践、ADOCの特徴などについて概説しました。僕の話のほとんどがOBP理想についてで、現実はエビデンスということで。臨床の現実的な話はあとのメンバーにバトンタッチ。
つぎに齋藤さんによるADOCを使った面接とその解説、そしてOBPの実践例です。齋藤さんは、面接で気をつけていることについて、クライエントの参加を促すことや、目標を共有すること、などのいわゆる理想的な面接の話がありました。でも面接は作業の聞き取りではなく、クライエントが自分自身の作業と出会う大切な時間だし、まずは作業のことについて作業療法士に相談できるという信頼関係を作ることのほうが大切である、と。だから初回面接で作業選択ができなくても焦ることはない、という現実的な話も印象的でした。
その次は、上江洲さん。地域でのOBPとチームマネジメント。地域では他職種との協働がかかせませんが、OBPなんて誰も求めていない現状について述べ(笑)、それを彼がどうやって打開してきたのか。組織での根回しや利用者とのやりとり、メディアの使い方など、とてもとてもリアルな話でした。周りはOBPについて理解してくれないけど、でもみんな本当は利用者らしい人生を送るために専門職を目指していて、それを日々の業務で忘れているだけで、OBPはその大切な気持ちを改めて呼び起こすことができ、そうなると仕事が楽しくなる。そんな理想と現実をつなぐお話でした。
そして今日のトリは仲間さん。仲間さんは学校への巡回相談におけるOBPで、発達領域以外の方でも、OBPというのは、障害ではなくその人の大切な作業に焦点を当てるんだ!それによって人は自分自身で健康になっていくんだ!という本質的な部分を感じ取れたのではないでしょうか。理想的な取り組みですし、子どもの変化は全てホントの現実です。ただ学校現場で外部専門家が働くことは本当に大変です。そこの現実的な話は、とても1時間の枠では収まらないので今回は省略ですが、作業療法への情熱と信念を感じる素晴らしいプレゼンでした。
そんなこんなで、初日は終了!
2日目は竹林さんと澤田さんで、最後は、事前質問に対して、演者と参加者全員で考えるというシンポジウムを予定しています。