東京をうろうろしていると世の中景気いいんだなと思いますが,バブルの波には乗り切れないtomoriです。
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僕が編集委員長をつとめている,学術誌 日本臨床作業療法研究 ですが,おかげさまで,2017年は11本の論文を掲載することができました。
投稿者,編集委員,査読者,事務作業を担ってくれた大野さん,事務局の鈴木さん,文明堂印刷,多くの関係者に感謝申し上げます。
オープンアクセスなので,どなたでも閲覧可能です。発刊から4年が経ち,少しずつですがレベルも上がってきたように思います。
多田先生の,ハンドセラピィを受ける患者が体験する信念対立 では,質的研究で,事例ーコードマトリクスや理論的飽和率を採用していて,参考になると思います。内容的にもしっくり来る感じで,これこそ質的研究のお手本のような印象を受けました。
今井先生の,発達障害児に対する集団的作業療法の効果検証に向けた試験的研究─放課後等デイサービスにおける実践-では,いま社会的に課題となっている放課後デイでの取り組みについて,集団だけども個別の課題について取り組むという,今は無くなりつつある「昔ながら」の作業療法の良さを取り入れたケースシリーズで,これも読み応えあるかなと思います。
北橋先生の,ACE(Assessment of Client’s Enablement)を 使用したことでクライエントと作業療法士の 協働が促進された事例では,新しい評価法であるACEの初めての報告で,クライエントと作業療法士の認識のギャップを埋めるきめ細やかな実践が描かれています。
その他も興味深い報告がありました。ありがとうございます。
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また今年から新しい企画で,依頼原稿をはじめました。1回目は,田中寛之先生らに「重度認知症における評価について」というテーマでお願いしました。
重度認知症者の,認知機能,ADL,BPSD,QOLの捉え方と評価尺度に関する国内外の多くの文献をまとめてくださって,読者にとても参考になる内容になっております。僕もオススメしますので,是非ご一読ください。
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今年から新たに,作業療法学生(学部生)であっても,①内容的に見劣りしないこと,②会員が共著者としてしっかり指導してくださること,の条件がクリアした場合に投稿を受け付けることとしました。
ただ年間2本程度の掲載の予定なので,今年度はもう締め切りです。来年から募集の仕方を考えます。
その他にも査読の運用など,質と量の維持向上のために,色々と細かい工夫を続けています。今後とも皆様の作業療法実践に役立つような論文を掲載していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
2017年12月23日土曜日
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