2010年9月30日木曜日

玄侑宗久さんの洞察力

Clip to Evernote
先日,朝昼晩と冷凍うどんを食べました.tomoriです.
もちろん翌日も翌々日も晩は食べました.
趣味は料理と豪語しているのですが,
正確には「ご飯を作ってあげること」なんだろうと思います.


さて,福島に打合せ+勉強会で伺った際,
侍OTさんの計らいで,芥川賞作家でお坊さんの玄侑宗久さんにお会いすることができました.法事の関係で朝の8時半から少しだけ.

朝からあいにくの雨でした.お寺の隣のご自宅にお邪魔しました.
シンプルな応接間.広い床の間には1枚の掛け軸,お線香が炊いてありました.

玄侑さんは非常に豊富な知識をお持ちの方でした.
歴史,昔の言葉,精神病,介護保険制度,祖霊神の話など,
非常に様々な話を次々してくださいました.

それで,ADOCのホームページもご覧いただいていました.
ボクは玄侑さんの著書,しあわせる力の中で,
「システム化するということは心が死ぬこと」という主張を読んでから,
ADOCでクライエント中心をシステム化することでOTの心が失われるのではないかと危惧していました.それを玄侑さんに尋ねると,非常にシンプルなお答えをいただきました.
「個を無くすシステムはダメだけど,これは個を追求するシステム化だからいいんじゃないの?」ということでした.なるほど…

さらに,「洗濯なんて本当にやりたいコトのはずがない.それは本当のより高次な欲求を支えるための課題だと思う.ADOCは本当の欲求を支えるものを探すために使われるものではないか」と非常にシンプルかつ的確なコメント….すばらしい洞察力だと思いました.

ボクに置き換えても,料理が好きなら一人でも料理をするでしょう.
でも一人だと料理しないということは,
誰かに食べてもらうことが本当の欲求のような気がします.

ADOCでは,本当の欲求を叶えるための作業の構成,作業探し,
ということになるんでしょう.


帰りに新作 四雁川流景 をいただきました.
短編集なんですが,認知症患者の描写が素晴らしい.

特に Aデール は臨床現場で認知症患者と接しているかたなら,ぜひお勧めです.個人的には 地蔵小路 も面白かったけど.

お勧めです.






4 件のコメント:

  1. 最近”お布施”を定額制にしようとする動きが一部地域で見られるようです・・・
    必ず行うことでも、あくまでも人の気持ちでその行為が行われており、決してシステム化されない行為が世の中には沢山あります。しかし現代はその不確実さを嫌うようです・・・玄侑さんが言う”システム化が心の死につながる”とはそのようなことを指しているんだと思います。
    ADOCはむしろ医療現場において、客観的指標のみでクライエントの改善を図る現状の”システム”を改め、個々の大切なものを見つめなおすツールだと思っています。

    返信削除
  2. 侍さん

    そうですね.その通りだと思います.
    でも侍さんに玄侑さんを紹介してもらってから,ボクも物事を少し違った角度から見れるようになりました.本当にありがとうございました.

    どうにかタイミングを見計らって座禅会にも参加したいです.

    返信削除
  3. tomoriさん ご無沙汰してます。
    興味深い著書の紹介 さっそく注文しました。

     

    返信削除
  4. yasuさん元気ですか?
    いろいろご相談したいことがありますので,来週お会いできればと思っています.

    龍の棲む家 も認知症がテーマです.
    ボクは読んだので,お土産に来週持って行きますね.
    ではでは〜

    返信削除

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...