自慢じゃないけど,その日に仕事が終わらずいろいろと言い訳して,
「よし!今日も良くやった!」と自分を納得させて,毎日美味しくビールを呑むのが特技な tomoriです.
さて,個別リハビリテーションとはなんだろうか...
そもそも言葉的におかしいでしょ(笑)
だってリハビリテーションという言葉に個別性が含まれている.
「意味のある作業」というのと一緒.意味が含まれていなければ作業でなく活動.
じゃ個別に関わるってどういうこと? 1対1の20分/単位の関わりか?
それは見た目が個別なだけで,内容まで個別とは限らないよ.
見た目より内容.1対1で9単位関わっても,クライエントの個別性,多様性に対応していなければ個別と言えない←ここ大事
クライエントの個別性と多様性に対応するためには,
沢山のクライエントを経験することが大切なのに,
回復期で最近は1年目は担当1-2名とか... 1年で10名くらい?
昔は入職して最初のGWには担当20名だった.
それについてはこっちを読んでくださり→ 経験の質と量
そう.なんかねー.単位制になって,作業療法がめっちゃやりにくくなったような気がする,というのが僕の印象.単位制以前の経験がないOTには分からないかもしれないけどさ.
そうそう.徒手療法の観念だと20分/単位は重要.ちまたのマッサージと比べるわけではないが,徒手的な関わりの時に時間概念は必要.それで身体的個別性に十分対応することができる.
でもそれと作業療法を一緒にしないでほしい.作業療法で重視されるのはCLの主体性を育むことなのだ.
故 Reilly Mさん曰く.
"Man, through the use of his hands, as they are energized by mind and will, can influence the state of his own health."
(ひとは心と意志に賦活されて両手を使うとき,自分自身を健康にすることができる)
CLは自分で健康になるし,まあ人は自分でしか本当の健康には辿りつけない.
とするならば,1対1の3単位より,1対5の個別0分のほうが良い作業療法ということも十分にありえる.
例えば,集団療法で,先輩片麻痺のAさんが,新人片麻痺のB〜Eさんに調理の仕方を教えた.Aさんは片麻痺になっても,自分も人の役に立てることができる!と思えるし,B〜Eさんは病気になっても出来ることはあるんだ!ということが分かる.かもしれない.
それが今では,個別で40分調理をして,
CLが作るのをOTがずーっと見てて,食べずに終わることもある.
それは作業に焦点を当てているのかーー!?
あ,そういえば時効だと思って書くけども,複雑簡単の時代だったころ,僕は失行・失語の茶道の師範を担当した.聞けばお茶が生きがいだと言う.もちろん僕はお茶のことなんて1ミクロンも分からない.でもその師範にはお弟子さんの義理の娘さんがいた.訓練時間にいつも来てくれたので,娘さんが教えてくれることを前提に,お茶を淹れる練習をしようと提案すると,両者とも快諾してくれた.それから,僕の支援はお湯を沸かして,お茶を呑むことだった.一応,失行で失敗するところをアドバイスはした.1 on 1 のべ5分くらい(苦笑).だって昔は当たり前に5-10名平行でみてたからさ.正直なかなか一人に時間をかけられなかった.僕が他の患者さんで忙しいときには,他のスタッフや患者さんに呑む役割をお願いした.その時なんか,お湯に火をかけ,それを持っていく時間で述べ10秒(笑)
でも複雑で請求していた.後悔はない.だって個別リハしたもん.
退院時には娘さんといい感じのコンビになっていたし,
退院後も自分ではできないけど,お茶の集まりに師範として娘さんと参加していたと人づてに聞いた.
それが今の個別リハの枠組みで対応すると,そもそもOTがお茶が分からないので,無理.もし分かったとしても娘さんとのコンビ結成は無理.でしょ? そう,あの二人は自分で健康になったのだ(笑)
僕は作業療法の何が好きかと言われれば,自分で自由に考える裁量が大きいところ.
誰かに言われた通りに!マニュアル通りに!とかじゃなくって,自分のアタマで考えて仕事ができるところが好きだ.
しつこいけど,個別リハとは,1on1ではない.
CLが揉んでくれというから,何も考えずに2単位揉む.
それは個別リハでもないし,CL中心でもない.と思う.
OTがアタマを使ってクライエントの個別性・多様性に対応(挑戦)すること.
枠に縛られず,枠を言い訳せず,個別リハをしようぜーー!
言い訳のビールも好きだけど,もっと好きなのはアタマを使った後のビール(笑)
あ,ちなみに失行の患者さんで,
巧緻性向上のためにひも結びをしてもらってた患者さんは,
僕に黙って退院していました...
最後まで読んで下さりありがとうございました.
読ませて頂きました。感想です。単位制(時間性)のなかで、クライアントの多様性や個別性に対応するために、自分のセラピー場面にどんな要素を入れるか(どんな要素が入っているか)を振り返って、吟味して、また実践していきたいなと感じました。
返信削除制約を嘆くよりも、工夫次第でもっとできることがあるんじゃないかなぁと・・・自分自身の反省です。
丸山先生 いつもコメントありがとうございます.ここには書ききれなかったのですが,そうなんですよね.マンツーで関われるので,工夫次第ではできることが増えているはずなんですよ.でも前より内容的に個別性が薄まった印象があります.僕も自戒を込めて書いています.とほほ.
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