三女を抱っこするからという理屈をつけて長女の幼稚園の卒園式にフリースで行ったら、他のお父さん全員スーツでした。tomoriです。園長先生にいたってはモーニング…? 後で娘にパパだけ違ってたねと言われました。
ということで春ですね。大学院生が入ってきました。毎年同じことを書いてるような気もしますが(OTで大学院進学を考えている方へ)、また大学院での勉強方法について「ごくごく個人的な意見なんですが」書いてみようと思います。
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院生の方は大学院へ勉強しにきたと思いますが、大学院は基本的に研究を学ぶところです。研究を学ぶ=論文を書くことです。頭の中にどんなに知識があっても他人には見えません。論文としてカタチにならないと研究を学んだと証明出来ないんですね。証明出来ないと学位はもらえない、というのが大前提です。
何が言いたいのか。院生の皆さまには常にアウトプットを意識してインプットして欲しいということです。単刀直入に言えば、アウトプットに関係ないことは、極力インプットしないほうがいいということ。選択肢が多いほど悩むものです。
大事なことは、何を学ぶかではなく何を学ばないか、です。自分のテーマを早く決めて、それに関係することを優先度高めに学んでいくほうがいいです。
せっかく大学院に入ったんだから、研究法という研究法を全て学びたい、先生方のやってる研究を少しでも多く知りたい、自分の興味のある事を明らかにしたい、色んな願望があると思います。
よく分かります。でも、二兎追うものは一兎をも得ずと言うとおり、多くを学びたいという願望のせいで何一つ極められないということにつながります。また自分の興味があることにこだわり、テーマが壮大過ぎて研究として形にならないこともしばしばです。
参考記事 社会人大学院生が抱えがちな悩み:自分の問題関心・業務経験×研究として成立させること
臨床では、患者さんのために色んなスキルがあった方がいいです。ジェネラリスト。でも研究はある一部分だけ飛び抜けて凄ければいいです。スペシャリスト。それでもごくごく一部の人しかなれません。専門外はそれが得意な人がやれば良い。僕はそう思ってます。特にGoogle先生が出てきてからは幅広い知識では勝負出来なくなりましたね。
もちろん、失敗が許される環境下で色んなことをゆっくりと学ぶ方がいいです。基礎を固める。いいに決まってます(笑)。僕もそうさせてあげたいです。でもそれは学部までです。まあ学部の頃は貴重な時間をバイトに費やしたと思いますが(笑)。ぜひその後悔を学部の学生に伝えてください。
大学院教育で理想をいえばこんな感じかもです→大学院教育で何が出来ると人が育ったと言えるのか
でも特にOTの場合は常勤で働きながらの方が多いので、時間的な制約が大きくなります。多数の人は自分が頑張れば何とかなると思っていますが、自分の仕事の見積もりは経験上あまりアテになりません。
ネガティブなことばかり書きました。じゃどうすりゃ良いんだよ〜、と言う事で、大学院生(特に修士)かつ現実主義者にオススメな方法ですが、一論文につき一研究法を学んでいく、いうスタイルです。沢山の研究法を学んでから、そのうちテーマに合うもの一つを選択する、というより、この論文では因子分析を、この論文では質的研究を、この論文ではABAデザインを、という感じですね。在学中にすべての研究法を理解すると言うより、一論文一手法で学位論文を書き、修了後もコツコツと研究を継続してして研究法を「体得」していく。この方法だと在学中に学位論文はちゃんと進むし、経験上そっちの方が研究法を本だけで学ぶより身につきます。講義で聞いたことなんてどうせすぐ忘れますよ(笑)方法は研究とセットで体得するのです。
参考記事→「“ラボ”で右脳を刺激する」日本でマーク・ザッカーバーグを生み出す教育論【特集:New Order-茂木健一郎×伊藤穰一】
その時大切なのが、自分の研究テーマ(仮説)が、本当に、めちゃくちゃ重要で、誰がみても分かるくらい、いま明らかにすべき課題であるかどうか見極めることです。これは学生の問題というより指導教官の腕の見せ所じゃないかなとも思います。
厳しい言い方ですが、価値の低いテーマにどんなに時間を費やして完璧にやっても、価値の低い仕事に変わりありません。寝る間を惜しんで先行研究を隅から隅までガンガン読んで、休日を潰して聞いたことない横文字の統計バリバリやって、その結果有意差が0.00000001以下になって、非の打ち所がない結論をビシっと書いたとして、もちろんこれでいいんですが、残念ながらテーマがイマイチだと他人は興味を示してくれません。一方、残業一切せず、t検定で、有意差が出なかったとしても、比較した事がテーマが非常に興味深ければ、みんな見てくれます。
参考記事→あなたの理論は、現場の役に立ちますか?
→圧倒的に生産性の高い人(サイエンティスト)の研究スタイル
テーマの決定。こればかりは研究者のセンスが大きく関与するように思います。もし努力でカバーするとなれば、先行研究を読むよりその道の最先端の人や、現場の人と話をすることですね。足を使って会いに行く。普通頭良いヒトは10年後くらいをイメージして仕事してますし、論文では確実なことしか言えないので、活字は本当の意味で最先端とは言えないと思います。
長くなりましたが、大学院生にお伝えしたいことは、何を学ぶかではなく何を学ばないか、そして、どうやって解くかではなく何を解くか、が重要です。光陰矢の如し、少年老いやすく、学成り難し。あれこれかいつまんでいるあいだに,あっという間に時間は過ぎていくものです。
下に僕の研究や仕事に対する考え方をガラッと変えてくれた、オススメの書籍です。ビジネス本ですが、いずれも海外の大学院についての話が出てきます。僕自身も大学院の講義で使っている大好きな本です。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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