あいにく福祉の心は持ち合わせていません.tomoriです.
親戚にOTを勧められたので受験しました.自分で決めた訳ではありません.
そんな僕が大それたことは言えませんが
今はOTを選んで,教員になって,良かったなぁと心から思っています.
LOVE OT !!
作業療法を学ぶ 2011版
大学での勉強って高校までの勉強とちょっと違うなと感じませんか? 残念ですが,テストで良い点をとれば立派な作業療法士になれる!ということはありません.むしろテストで良い点数を取った学生が実習で苦労し,追試ばかりの学生が活き活きと実習をすることも少なくないです.なぜでしょう….
作業療法は記憶すれば出来るものではないからです.作業療法はマニュアルがない不確実性が高い学問です.例えば,医者は患者さんの症状にあった薬を処方します.薬は禁忌事項や適応,数量など細かく規定されていますので,患者さんの症状をよく理解できれば,ある程度マニュアルに沿って薬を処方することが可能です.しかし作業療法では,患者さんが今よりも健康になるためにはどの作業遂行に着目する必要があるか,患者さんと一緒に考えます.そもそも乙武さんが自分は健康っていうくらい,ですので,健康な人でも自殺をする傍らで,重度障害を持った人が活き活きと生活をします.そのくらい健康って分からないものです.
それに加え,作業療法は作業を扱います.作業とは手工芸だけでなく日常の活動全てが対象となるので,人の作業についても幅広い知識と経験が必要です.一人暮らしをした事が無い学生が,一人暮らしを支援しなくてはいけません.料理のできない人が,自炊を支援しなければいけません.そのためには座学で心身機能の勉強ばっかりしていてもいけないということです.年齢や性別などに関係なく,何でも自分で実際に体験してみる必要があります.
このように人の幸せも複雑,人の作業も複雑.それに環境も加わります.これが正解と定式化できるものではない.まあ,だからうちらの存在意義があるわけで,作業療法士が必要になるわけです.もし誰にでも当てはまるような作業遂行が目標になったら,それは「真の」作業療法評価とは言えません.「家庭復帰」や「ADL自立」なんて目標は作業療法の目標ではありません.目の前の患者さん一人一人の人生,希望,作業,環境,障害をチャンプルー(ごっちゃまぜ)にして,患者さんが幸せになる作業遂行は何か,またどうすればできるようになるのか突き詰めるのです.そうすれば,自ずと作業遂行は一人一人異なるはずです.
「OTなんて自分にはムリだ…」と思わないでください.大学にいるうちにこの仕組みを理解して,少しずつ自分を適応させていけば,将来の混乱は回避できる.いや回避とうより,自分で考える癖がつけばOTが楽しくなると言いたいのです.自分なりに考えた評価を行って,あーでもないこーでもないと試行錯誤しながら患者さんと一緒に軌道修正しながら目標を達成し,「先生のことは一生忘れません」と言われた時.「俺って人の役に立ってるー」( ̄∇+ ̄)vキラーン と自分に酔いました(笑).福祉の心を持ち合わせていない私は親戚に勧められてOTの学校を受験しましたが,今はこの仕事に就いてよかったと心から思います.
いつか皆さんにも「これだから作業療法ってやめられないよね」と思える日が来るでしょう.それまでの道のりは楽ではないのです.でもOTは自分って人のためになっていると直に感じることができる仕事です.充実感もあり,社会の為にもなる仕事って最高の仕事だと私は思います.
作業療法を学ぶとは? 義務教育ではいかにミスを少なく皆に基礎学力をつけるかでしたが,大学はミスしてもいいのでチャレンジ精神を養うところです.「専門家とは自分の分野で,おかしうるであろう失敗を全て経験した人のことだ」(ニールス・ボーア)と言い切って結構.大学での学習にはもともと正解がないので,正解できなくて当たり前.だから私たちは作業療法について分からないからこそ学費を払ってまで勉強していると切り替えて,どんどん質問しましょう.そして書きましょう.それが考える力を養う近道です.考えましょう.
2011年4月1日金曜日
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お〜さすが、進化してる!
返信削除「作業療法ってやめられないよね」って思う後輩が増えるといいなぁ
作業療法ってやめられないよね
返信削除って少なくともCLが思えれば,THも思えるかもしれないね.