この間,卒業生から「豆ともり」と写メが届きました.
これで僕の性格がマメなら落ちるけどねーとメールを返したら
以下の画像が送られて...
どうもこの文字から僕のことを連想されたようです...
おいおい.
前置きが長くなりましたが,OTIPMの特徴2です.
OTIPMにはトップダウンを実践するためのモデルというこだわりを感じます.
というのも,OTIPMの流れであれば,どの評価,どの理論,どの介入を使ってもいいというのです.
この手のモデルにしては新しいと思いました.
だって今まで,モデルと評価や手段はセットになることが多かったように思います.
CMOPはCOPM,MOHOはOSA,Kawa-modelは川の断面図,と.
BobathやCI,いろんな手段があります.
でもOTIPMはそれらを包括して,
とかくトップダウン思考で実際に「使うためには」どうすればいいか,というモデルです.
ツイッターで,Tinkable77さんから質問を受けました.
COPMでできる限り意味のある作業を特定して、GASでその作業の質的要素を見出すために観察して解釈して段階づけし、介入して再評価する流れはOTIPMの流れに近いのでしょうか?
→ はい.厳密には細かい推奨事項はありますが,OTIPMに近いと思います.それで介入モデルは回復モデルが妥当だということになったとして,tinkabe77さんが得意のボバースで介入したとしてもOTIPMです.COPM,GAS,Bobathと,いろんな手段,理論が混ざっても,「OTらしい」トップダウンという大枠の中で,理論や手段の使い方を導いてくれるのがOTIPMの良いところだと思います.
クライエントの作業可能化を実現するために,
面接と観察はマストだけど,手段は「何でも」いいを認めてくれるモデル.
新しいと思うけどなぁ.
僕としてはADOC+AMPSの組み合わせも面白いなと思っています.
Fisher先生はOTIPMを使うときにはAMPSの課題にこだわるなといっていました.
クライエントの文脈に応じた作業を特定することが大事で,
特定された作業がAMPSの課題になければ,
AMPSの視点を参考に「その作業」を観察をしなさい,とのことでした.
観察場面をiPadの動画で撮ってもいいしね.
とかく,OTIPMはトップダウンを実践するためのモデルであって,
今までのモデルとは少し違うところを紹介しました.
いろんな理論,手技,考え方が混在する我が国では,
OTIPMは有効ではないかと思っているtomoriでした.
初めまして、福田と申します。
返信削除OTIPMの記事で少しだけ気になった点がありましたので、コメントさせて頂きました。
>tinkabe77さんが得意のボバースで介入したとしてもOTIPMです.COPM,GAS,Bobathと,いろんな手段,理論が混ざっても,「OTらしい」トップダウンという大枠の中で,理論や手段の使い方を導いてくれるのがOTIPMの良いところだと思います.
クライエントの作業可能化を実現するために,面接と観察はマストだけど,手段は「何でも」いいを認めてくれるモデル.
という点なのですが、OTIPMのマニュアルには「手段は何でもいい」とは記載がないと思います。
僕は、OTIPMが推奨しているのは、あくまで「作業」に焦点を当てた介入であるように読み取っています。
僕の言葉だけで書くと信憑性がないかと思いますので、OTIPMのマニュアルを確認して頂ければと思います。
P10のOccupation-based Evaluation and InterventionとP18~に記載されています。
回復モデル=ファシリテーションではなく、
回復モデル=回復を促す作業となっていると思います。
講習会では「作業に焦点を当てること」を強調していませんでしたか?
(僕は講習会を受けてないので、確実なことは言えませんが…すみませんm(__)m)
福田先生
返信削除tomoriです.コメントありがとうございます.
ご指摘のとおり,OTIPMは作業に焦点を当てることを重視していますし,
講習会でもそれ一色でした.
僕のそのスタンスは好きで,良く記事にも書いています
(OTIPMのタグの付いた記事をご覧くださいませ).
作業に焦点を当てた実践には,
まず本人にとって意味のある目標を立てることがまず重要で,
それを皆がルーチンでできるようにとADOCを開発しました.
ただし,介入に関しては,作業作業と極端になってはいけないと思っています.
作業療法も急性期から維持期まで様々です.
特に急性期の時期など,医学モデルで介入することが作業を実現に最も近道だと判断された場合,それを行ってもいいですよ,というニュアンスです.
ボバースだと誤解が生まれることが多いのですが,整形だとどうでしょう.
手指の拘縮を予防するためにスプリントを作りますし,
末梢神経損傷後の筋力低下には筋力増強訓練が必要になります.
またご指摘のとおり,
OTIPMは遂行分析や記載方法などわりとマニュアルがきちっとしています.
ただここでは,まず皆にOTIPMに興味をもってもらいたいなということもあって,なるべく分かりやすい表現を心がけています.
冒頭にあるとおり,TEKITOUなtomoriなもので,その辺はご容赦ください.
ボバース自体のことは、詳しくわかりませんが、ボバースコンセプトの下、作業を用いた介入が可能であれば、良いと思いました。認知運動アプローチもその考えの下、作業を用いることができれば。
返信削除ただ、回復モデルは、Anne Fisher曰く優秀な理学療法士はすでに行っているそうです。そして、同じことをするなら、専門的な教育を受けていない人が行うのは効果が低い。ということをしっかり考えねばなりません。
松澤さん コメントありがとう.
返信削除理学療法士や体育の基礎領域の方と一緒に研究してきましたが,
彼らの身体機能に対する知識と情熱は,並のOTではおっつかないと感じています.
それは作業療法士も重々認識して,うまく協業する必要があるだろうと思います.
それには理学と作業でバラバラの目標だといけません.
しかも活動と参加レベルでの,目標共有が重要ではないでしょうか.
お忙しい中、ご返信ありがとうございます。
返信削除最後に少しだけ書かせて下さいm(__)m
作業に焦点を当てた実践というのは、文字通り「作業」に焦点を当てるべきであって、僕は介入は急性期であろうと、維持期であろうと変わらないと思います。
ADOCを用いて目標共有をすることはとても大切なことだと思います。
ただ、チームで目標を共有することと作業に焦点を当てるということは根本的に違うと思うのです。
これでは、評価のみトップダウンで、介入はボトムアップになっているという矛盾が生まれ、OTIPMの言う真のトップダウンにはなっていないと思うんです…
細かいことをゴチャゴチャと言ってすみませんでした。
ADOCの普及、応援しています!!
福田先生
返信削除コメントありがとうございます.tomoriです.
「これでは、評価のみトップダウンで、介入はボトムアップになっているという矛盾が生まれ、OTIPMの言う真のトップダウンにはなっていないと思うんです…」
ということですが,んー.僕は面接→観察→遂行分析を行って,
なるべくその作業に直接介入することを優先し,
その作業ができるようになるためには機能訓練も「加えた」ほうが近道,
もしくはベターだと判断されれば,
機能訓練を行ってもトップダウンプロセスといえるかなと思っています.
Fisher先生は怒るかもしれませんが,
OTIPMの「大枠」からはずれていないと思っています.
むしろそのくらいが日本では受け入れられるのかなと思っています.
勝手ながら福田先生とは同士だと思っています.
OBPとか,トップダウンとか,今はマイノリティかもしれませんが,
市民権を得られるようになるまで地道にがんばりましょうね.