2013年12月27日金曜日

ICFについて物申す

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先日次女が僕をみて口ずさんだ歌にウケました。tomoriです。
正: ハイホー、ハイホー、しごーとが好きー
娘: Phone iPhone しごーとが好きー♩


さて、今日はICFについてみんなが口に出せなかったであろうことを一言物申します。ICFってそんなにすごいですか? ICIDHとそこまで変わらなくないすか? あと日本の作業療法ってICFを信じすぎてるとこないですかぁぁぁ?


いやICFもいいとこありますよ。ただ今回は、特に作業療法が介入する領域(domain)の部分におけるICFの使い方について述べますね。

OT協会のガイドラインなど、至るところでICFが出てきます。活動と参加。確かに活動と参加はリハビリテーションにおいて重要です。

でも作業療法の対象はあくまで作業なんですよ。作業と活動の違いは諸説ありますが、個人的な文脈や意味を含むのが作業、いままさにやってることが作業であって、誰にでも当てはまるようなのが活動、その文化の中で共通のイメージが活動です。

例えばクライエントが調理を希望したからと言って、ただ調理訓練をやればいいもんじゃないんすよ。個人的な文脈によって調理もいろいろあるんですよ。僕の場合には、娘たちが喜んでくれるパリパリの餃子を作ることなので、餃子でしかもパリパリでないといけないし、パリパリでなくとも娘たちに食べてもらえんことには、訓練室でスタッフに食べてもらう調理は、僕にとっては『活動より』なんです。そこはちゃんと評価・共有したいとこなんだけども、ICFベースだとなかなか深まらない気がします。


それはなぜか。それは結局ICFはICIDHをポジティブに表現しただけで、基本的な構造はICIDHと変わらないからだと思ってます。つまり、ICFの機能・活動・参加の構造ってICIDHの機能障害・能力障害・社会的不利を言い換えただけですよね。構造は,あくまで障害ベースであることは変わりない。その証拠に、ICFといえど、思いっきり障害に焦点が当たってること多くないですか? 双方向性になったとかいいますが、機能・活動・参加つながりはバラバラだし偏り多くないですか?


作業に焦点を当てるならば、ICFなんぞ持ち出さなくても、作業療法独自の理論や学問でまとめたほうがいいです。それで評価・介入して、もしも他職種に伝える必要があった時にICFを使うというならまだ良い。しかし作業療法士同士で話し合うなら、わざわざICFを持ち出す必要はないと思います。事例報告とかね。あ、ちなみに事例本のレジメでは、ICFなんて出てきません。みんな作業のことを書きたくて書きたくて、スペースが無いんです(笑)


とかくICFに沿ってれば大丈夫だ、というロジックは、OTの専門職としての進化や深化を妨げます気がします。

例えば、京極先生や寺岡先生などが開発している作業機能障害を整理するための評価(CAOD)などは、作業の捉え方が面白いのですし、籔脇先生のCEQなんかもそうです。このような作業療法独自の視点が、ICF概念で考えてると出てきにくいと思います。こんな感じで、作業療法という複雑な構造を、もっともっと深く考えていかないと…



とはいえ、もちろん日本の作業療法は医療の上に成り立っていることは事実なので、ICIDHやICFとは上手にお付き合いしつつ、適度な距離を保ちたいと思ってますよ。はい。




最後まで読んでくださりありがとうございます。



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