2011年11月18日金曜日

「急性期OTがOTであるためのツール」

Clip to Evernote

歩道に映る影でもわかるくらいの寝ぐせが頻発していたので坊主にしたのですが,
依然として清潔という単語からは程遠いtomoriです.


先日,急性期のOTのOさんとFacebookでやりとりをしていて,
急性期OTでのADOCの活用についてお話を伺ったので紹介します.
(ちょっとだけ省略しています)

-------------------------------------------------------------------------

はじめに、今純粋に思う個人の感想ですが、
ADOCは「急性期OTがOTであるためのツール」だと強く感じているところです。


近年の全国学会でも実感していることですが、全国の急性期OTが専門性に悩んでいると思います。私も急性期病院にうつった当初は悩んでいました。しかし、今はこのツールを活用することで急性期でもOTらしくOTを展開できていると感じています。


ADOC自体についてはADOCがApp storeデビューしてすぐにプレゼンさせて頂き、OTがOTであるために必要なツールではないかとお伝えさせていただき、非常に関心を持っていただけました。また、活用方法の周知も行えました。


実際の脳卒中での活用状況ですが、急性期で状態が安定しない方も多く、実施できる方は限られていますが、インテークでの初期評価の時点で使用することが多いです(ニーズ把握から目標共有、OTがどんな職種かを把握してもらうため)。


その中でも、現状で経験した例としては失語症の方や高次脳の影響・キャラクターから楽観的な方、機能面へのこだわりが強い方、東北の地域柄もあり遠慮してなかなかニーズを引き出せない方など、主に目標共有がなかなか難しい方にADOC活用させていただいてます。


失語症の方に関しては、福島のS先生も発表されていたように有用性を感じており、急性期においても活用させていただいております。御本人の意味ある作業の抽出から目標共有、PDFをプリントアウトしたもので御家族への説明など行わせていただきました。


これらの経験もあり、最近はOTだけでなく、PT・STなどから「こんな方いるんだけどぜひOTでADOC活用できないか」との声が上がることもあります。個人的には他職種からこのような声が上がることは嬉しく思っています。Drからも実施しているところを観ていただき、「へー、OTここまでみるんだねー。」と改めて仕事の領域をみていただけたと感じましたし、単純にiPadを活用してるとこにOTすごいねーと感心されてました(^^)笑


整形疾患では沖縄のM先生のようにTHA にも使用し、TKA・頚椎症などに使用しています。今担当してる方だとキーンベックが原因による伸筋腱損傷の縫合術後、早期運動療法のためアウトリガースプリント作製した方にもADOC活用しております。なかなかリスク管理ができない方で「こんなのつけられてたら何もできなくて困る!」との声も聞かれていましたが、ADOCで大切な作業を選び目標を決めることで何のために今この機能訓練、装具療法が必要なのかを納得できたようです。その方はスプリント装着のまま明日退院ですが、外来でまた来院されるので今後満足度の変化を確認して行きたいと思います。ハンドセラピーなどは特に機能面アプローチがメインになりやすいですが、どんな作業の実現のためにアプローチを行っているのか共有することでより専門性を持ってOTを展開できるのではと思っています。


また個人的にADOC導入で嬉しく感じているのは、対象者でハンドも多いこともあり、「手のリハビリ」と言われることも少なくなかったのですが、そう呼んでた方が「作業療法」と呼んでくださったときは嬉しく思います。小さなところですが、作業に焦点を当てるという専門性が対象者に伝わったかなと思うので。


訪問スタッフも使いたいとの声が上がってるので、今後は訪問でも使っていただけたらと思っています。


長文になりましたが、急性期においてもOTらしく関わるために上記のように ADOCを活用させていただいております。メールで伝わらない部分も多々あると思いますが、微力ながら使用現状をお伝えさせていただきました。


OTらしくありたいという思いで臨床を行っておりますのでよろしくお願い致します。

-------------------------------------------------------------------------

まず,Oさん,ありがとうございます.元気をいただきました.

急性期ってPTとかぶることも多いので,
OTのアイデンティっていったい... 悩む方を良く相談を受けたりします.

僕自身,急性期のOTって何か分からず,色んな人に聞いていましたが,
やはり急性期のOTでも維持期のOTでも変わらないこと.
それはCLの文脈に基づいた作業に対する意味を吹き込むことなんでしょうね.
今回も,このあたりから読み取れます.

”ADOCで大切な作業を選び目標を決めることで
何のために今この機能訓練、装具療法が必要なのかを納得できたようです”


あとOさんからメールもらって僕が嬉しかったのは,2つ.

まずOさんが楽しそうにOTをされていることです.
やはりCLが意思決定に参加して,協業しながらOTをすることで,
作業療法士の仕事も楽しくなるのだと思います.
こういう話を伺うと,やっぱADOC創って良かったなーーと思います.

つぎに嬉しいのは,
去年一緒に学会で発表した福島のS先生,沖縄のM先生の話が引用されていたこと.
たまたま今日,学部生も卒論でこのお二人の発表を引用してたり,
院生からも昨年の学会発表の話題がでてました.
やっぱ発表見てくれてる人,沢山いるんですね.
それでちゃんと臨床や卒論に還元されている.
頑張って発表したかいがあったなあと,これまた感慨ひとしお.

でも何でわざわざ学会で発表したり,ブログ書いたりするか改めて考えると,
あちこちで点在しているであろう,OTらしいOTの小さな自信.
それをつなげていくことで,皆が自分一人ではないという確信につなげるためでしょうね.

また今日も小さい努力を重ねていこうと思いました.Oさんに感謝.

今から学会の抄録を仕上げていきます.
今年うちのチームからは4題エントリー予定です.


2 件のコメント:

  1. すてきな話ですね。
    アイデンティティについては私の研究テーマで、誰もが楽しく自信を持ってClと協業できないかと考えています。

    実践の中で評価は大切だと思います。
    大切な作業について評価し、目的を共有すればOBPになります。
    何でこのADLが上手く行えないか、どんな運動のパターンかを評価すると、介入は運動スキルになると思います。
    最初にADOC使うとOBPの地盤が作られる印象があります。

    返信削除
  2. 中本さん

    ありがとうございます.
    OBPが当たり前になるようにがんばりましょうね!

    返信削除

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...