2013年2月17日日曜日

老健での作業療法とは!(共同研究募集)

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乳飲み子抱えながら,夕飯のカレーを朝の9:30から仕込んでいます.tomoriです.仕事では極力効率性を求めますが,僕の料理は趣味なので全て非効率です.フライパンは全て鉄だし,カレーの肉なんてかれこれ90分下茹でしています.解凍以外でチンなんてしません(笑) その時間が楽しいわけで.でも男性が料理を趣味にするといいですよ〜.一応家事にもなるので家族から感謝されます.自分が好きなことをやって社会に感謝される,そんな作業をOTも提供していきたいですよね.

さて,今日は老健のOTについて,一緒に研究している方の事例を紹介したいと思います.老健で勤務しているOTって本当に忙しそうです.個別リハが導入される一昔前までは,「病院でしっかり勉強したあとは老健で少しゆっくり患者さんみよう」,なんて話も正直ありましたが,むしろ今は病院のほうがゆっくりみれるんじゃないかという矛盾.法律上はPTもOTもひとくくりで,マンパワーが少ない,1回20分,週2回,しか関われない,となると,なかなか作業療法の専門性を活かした関わりが難しい現状にあるのではないかと思います.

でもだからこそ作業療法の専門性を考えていきたい,そんなOTも沢山いらっしゃると思います.僕たちADOC project としても,ADOCをキッカケになにか変化を起こすことはできないものか,どことなく,くすぶっているOTの方に貢献できることはないか,と朝起きてから夢の中でも24時間考えています.いやホントに... 

実際,RCTに向けて準備を進めています.

2012.9.25にブログで一緒に研究してくれる方を募集したところ,
老健での共同研究者を募集中です!

それにすぐ連絡くださった方が,初めてADOCを使った作業療法の展開が面白かったので,本人に許可を得て,少し紹介します.

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H24. 9 
琉球OTさんのプレゼンを聞いて「臨床でやろう!」と決意.上記ブログより研究へ参加.研究用のiPadをレンタルする.

H24. 10
場所は老健のデイケア.70台の男性の利用者.奥さんと二人暮らし.軽度の右半身麻痺と言語障害があり.ADLは自立しているが,日中はほとんど自宅で一人で過ごし,ベッドに寝たままテレビを見ていることが多い.時々近所を散歩する.趣味や生活歴等の情報はなく,デイケアを利用し,入浴と身機能維持を目的に…と担当者会議より連絡あり,当初身体機能面ばかり介入していた.そこでADOC実施.①階段昇降,②釣り,③屋外の移動,④動物をみる・飼う,⑤スポーツ観戦,同月,集団レクリエーションのデモとして,他利用者,OT,Nsで実際に漁港へ釣りへ.一番大きい魚を釣る.午前中1時間半程度.老健創設以来初めての釣り活動! 本人も5年ぶりと照れながら語った.

H24. 11
ADOCの数十名のデータが全員分消える(笑)←いや笑い事ではない.僕の指示がまずくて消えた.す,すみません...

H25. 1
めげずにADOC再度実施.①炊事,②麻雀,③日曜大工,④階段昇,⑤釣り.

H25.2
デイケアの倉庫から麻雀台と牌を発見.利用者さん→何十年と麻雀をしてきており,病気する前まで続けていた.今でもテレビで麻雀は欠かさずみている.そして何が何でも麻雀がしたい.と言葉に熱がこもってくる.料理は毎日することだから,料理が1番.でも麻雀はその次に大事だ!と.

実際に麻雀を観察してみると,牌が積めない→そういえば,みんなのリハプランで そんな自助具があったことを思い出す→利用者さんにみんなのリハプランを見せる→以前大工(ADOCでも3番目の作業)だったので,自分で久々にのこぎりを持って作るということに→30分で完成→牌もつめるようになる→超喜ぶ.その後,治療道具とかも一緒に作るようになる...続く 



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まさに「ADOC」+「みんなのリハプラン」という僕の理想を実現してくれました.超感動です(涙) その作業療法士の方は麻雀は全く分からないそうです.でも分からないから支援ができない,と作業療法士に言ってほしくない.みんなのリハプランに沢山の作業の実現方法が乗っかってくればそんなことも減るのかなと... 



ADOCだけでは作業ができるようになりません.皆さんが当たり前と思うこと,こんなの役に立つのかなぁと思うことでもいいですので,リハビリテーション版のクックパッド 「みんなのリハプラン」への投稿をどうぞよろしくお願いいたします.


あと,やはりクライエントにとって本当に大切な作業に気づいたときに作業療法士は動き出す,という僕たちの仮説を立証してくれたような気がします.こういう経験をシェアしつつ,老健でも作業療法らしい関わりがもっとできるように,僕たちはがんばっていきます!



ということで,研究参加に興味を持ってくださった老健勤務の方がいらっしゃれば,どなたでもお気軽にお問い合わせください.募集します

研究っていうと難しいイメージをもたれる方が多いと思いますが,そんなことありません.なるべく臨床実践に少しアウトカム評価を足すだけのプロトコルを考えています.これを機に,自分たちの老健での作業療法を変えたい!という熱意のある方,お待ちしています.皆で一緒に勉強しましょう.

adoc.projectあっとまーくgmail.com  あっとまーくを@へ変換してください.



最後にこの事例を担当したOTの方のコメント.

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この方は,自分の思いをしっかりもち,「ここにはリハビリをしにきている、レクリエーションやなんかは興味ない、あんなんするより自主練習している方がましだ」という考え方で,デイも1日利用から短時間利用へとなりました。


ですので,この方にADOCをしたとき,私自身も,ご本人さん自身も,希望をもって一緒に目標にむかって歩んでいけると気持ちが通じ合ったとき,本当にうれしかったです.「マッサージだけしてくれればいい」という考え方だった方が,家から電動ドリルまでもってきてくれるようになるとは…(><)

ADOCに出会わなかったら,私は今でも老健の流れにそって,機能訓練メインで作業はしたいけど,できない…という思いのOTのままだったと思います.本当に,感謝です.



私のようになかなか一歩が踏み出せないOTさんがけっこうおられると思うので,まだ全員にADOCをとって関われてないですが,少しでも私の話を聞いて一歩を踏み出してくださる方がでてこられたら,本当にうれしいなと思います.

今回の募集で,また私のように救われるOTさんが増えてくるんだろうなーと思うと,わくわくします.

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最後まで読んでくださりありがとうございました.







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