2013年2月9日土曜日

認知症者に対する作業療法の効果(文献)

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先日禁酒6日ほどしました。tomoriです。その時に長女にカミさんがコンビニでスーパーカップ買ってきてー!と頼んでたのに対して、僕はてっきり僕に気を遣って言ってくれたと思い、コンビニでは未成年には酒売らないんだよーというと、え、アイスだけど。てか未成年にはどこでも酒は売らないよねと(笑)。嗜好品を過度に抑制すると判断能力が落ちますので、適度に楽しみたいと思います(笑)



さて、認知症者に対する作業療法の文献を読みあさってます。一昨年AJOTで特集が組まれ、作業を使った介入に関してわりと新しめのシステマティックレビューがありました。


概要
認知症者に対してADL、IADL、レジャー、社会参加活動、の作業を使った介入が認知症者や介護者のQOLや満足度に及ぼす影響について文献検索したところ、26本ひっかかった。ADLは高いエビデンスレベルの報告はなかった。IADLは地域在住の認知症者についてはある。個別的で活動に基盤としたレジャー介入(Tailored and activity-based leisure intervention)は、共通して効果があった。社会活動参加は言語的コミュニケーションができる人であれば短期的な効果がある。

という感じ。てか認知症者へのADL介入に効果があるのか今のところ分からないという状況をどのくらいの作業療法士が認識しているのだろうか… もちろん効果があるか分からないからする必要はない、とは全く思ってない。文献の分類の仕方も良くないのかなと思うが、意外に盲点だった気はする。誰か研究してみたらいいのにな。

一方、これまた逆に意外だったのが個別的なレジャー活動は効果があるとのこと。あとIADLも。この「個別的な」がミソで、誰でもする最大公約数のADLと異なり、レジャーは十人十色なので個別性の尊重が大事。ここに引っかかってるのが、オランダのGraffさん、アメリカのGitlinさんの研究。調べてみると、どっちも地域でデータとってて、どっちも介入をパッケージにしてる。Graffさんは community occupational therapy in dementia (COTiD) 、GitlinさんはThe Tailored Activity Program (TAP) 。

日本でも翻訳して使おう、じゃなくってさ、もちろんそれでもいいんだけど、せっかくOTが認知症初期集中支援チームの一員として明記されたんだから、他職種と連携して何かそういうの作れば良いのにね。OTだけで、しかも協会主導の生活行為マネジメントで全てをひとくくりにしようとすると、色々とおかしなことになる。それはまた別で書くとして…

認知症は個人によって症状や時期によって症状が多彩やし、色んな疾患が重複してたりするので、特に他職種と連携して関わる必要があるように思う。他職種と連携するとき、やっぱ専門が異なるからそれぞれがそれぞれの視点で好き勝手意見して、結局クライエントや家族の希望からかけ離れてしまう事が多々ある。そんな時に、ADOCとか使って欲しいなぁと思う。

日本では他職種連携といえばICFやけど、あれって使い方が統一されてないし、マニュアル通りに数字とか並べだすことは無いだろう。その点ADOCだとイラストだし、その項目もICFの活動と参加をベースに構成したので、イラストを選ぶだけで活動と参加に焦点が当たるようになっている。また計画書をメール、プリントできるので他職種で共有もできる。

話がそれてきたけど、つまりのまとめ。

今のところ認知症者に対する作業療法では、個別性を尊重したものが効果があるとのこと。それを海外ではシステマティックに地域のOTみんなができるような動きがある。日本では初期集中支援チームとか動き始めてるから、それで何かパッケージにすればいいのでは? んで個別的なニーズに対応しつつ他職種と連携するにはADOCが使えるのではないか、という提案でした。結局ADOCか(笑)


あ、あと僕が認知症になった時には、アルコールを要求すると思いますが、その時はビールか日本酒か赤ワインを下さい(笑)個別的なレジャーは料理にあった酒選びです。


最後まで読んで下さり、ありがとうございました。


以下文献


Using occupations to improve quality of life, health and wellness, and client and caregiver satisfaction for people with Alzheimer's disease and related dementias.

AuthorsLetts L, et al. Show all Journal
Am J Occup Ther. 2011 Sep-Oct;65(5):497-504.


Abstract
An evidence-based review was undertaken to answer the question, "What is the evidence for the effect of interventions designed to establish, modify, and maintain activities of daily living (ADLs), instrumental activities of daily living (IADLs), leisure, and social participation on quality of life (QOL), health and wellness, and client and caregiver satisfaction for people with Alzheimer's disease and related dementias?" A systematic search of electronic databases and application of inclusion and exclusion criteria guided the selection of 26 articles. Limited high-level evidence on ADL interventions was identified. IADL interventions for people living in the community showed promise. Tailored and activity-based leisure interventions were common and seemed to have positive impacts on caregiver satisfaction, and some interventions had positive results for client well-being and QOL. Social participation interventions focused on people with dementia still able to engage in verbal social interactions; these interventions had at least short-term positive effects.

PMID 22026317 [PubMed - indexed for MEDLINE]

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