2010年4月20日火曜日

OTはトップダウン? ボトムアップ?

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調子に乗ってアサブログ2本目のtomoriです.
朝は仕事がはかどるからいいですね.

先日,県士会の総会前の講演でみずうみの森の藤原先生の講演を聴講しました.

ゴール設定をどうするのか,という点で

「OTは参加から機能面に向かってその人を見ている(つまりトップダウン),
PTは機能面から参加に向かってその人を見ている(つまりボトムアップ)」

という持論を力説してらっしゃいました.
OTは急性期から参加を見るんだ! PTのまねごとをするんじゃない!
こっちが熱くなれば向こうも熱くなる! 知識よりもその意識だ!
とも熱く語ってらっしゃいました.

私はOTは参加を支援するという考えは賛成です.
確かに,目標を明確に設定することで現在と将来とのギャップが明らかになりますし,
そのギャップを埋めるには現時点で何をすればいいのかが見えてきます.
こちらがポジティブに目標を捉えていると,おのずと目標が近づいてくる事もあります.
そういった観点から,OTではトップダウンアプローチが推奨されています.

ただ先日の小宮さんのプレジデントのコラムを見ると,
5年後,10年後の長期目標を立て,
年間計画や週間計画の短期目標を立てるやり方には,大きな欠陥があるそうです.
それは,人生の目的や自分の存在意義を知っておく事が必要になるからだそうです.
人生の目的なんて,咄嗟に出てくるものではないですよね.
僕なんかもさっと出てくるのは父親,くらいなもんです.
よって,まずは現時点の生活や仕事で必要あるいは実利的と思われる週や月単位の目標を立てて,
ひたすらこなしていく方法をすすめています.これはボトムアップですね.

また,WFOTの定義には,OTの主な目的は「日々 の作業への参加」って書いてあります.
社会参加の定義は非常に曖昧で分かりにくいのですが,
現実の日常生活を好きな作業や必要な作業でoccupyしていくこと,
それが健康な状態なんだろうと僕は思っています.
日々作業で埋めていけば,将来的に何かできることが見えてくる.
そんなボトムアップもありかと思います.

僕も今までOTはクライエントの人生を支える仕事だと軽々しく言ってましたが,
正確には,クライエントの生活を支えることが,将来的に人生を支えることにつながる,ですかね.
人生は本人がその気になって自分で創るときに変わるものでしょうから.

ADOCによってクライエントとセラピストの協業が促進され,
少しでも多くのクライエントの生活が支えられて,
クライエント自身が自分の人生にとって大切な作業に気づくことにつながればと思います.

2 件のコメント:

  1. トモリさん.続けて書き込みます.
    「みずうみ村」ね.年末に藤原先生と飲んでいる時に,
    15年先のことを目に見えるように話し,そのためにいま何を
    するべきが語っていました.さすがだなあと思いました.
    おっしゃるように,大きなことは漠然としていても,
    すぐ先のことは明確にする必要があるなと思います.
    ボクなら来週の仕事と家事,そして来年のこと.
    クライエントなら来週の生活と退院後や来年のこと.
    自分の体験で言えば,1人で考えるよりも誰かに話したり,
    相談することで形作られていくように思います.
    クライエントも,自分で見える人もいるでしょうが,
    混乱していたり漫然としている場合は,よく話し合った方が
    いいような気がします.そういうことですかね~

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  2. すみません.みずうみ村ですね.
    相手がいるだけで,クライエント自身が考えるきっかけになると思います.ADOCがそのコミュニケーションを促すツールになればいいですね.

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