講習会で、前半はクライエントを理解するにはワンシーンだけでは無理で、
その人の物語を理解することが必要だと説明しました。
そして後半はADOCの紹介でしたので、物語とADOCはどのように関連するのか? との質問がありました。
その人の物語を聞くということは、基本的にオープンな会話で生活暦を聞いていきます。
こちら側から誘導することは基本禁止されていますね。
ただ、オープンの会話は難しい! 時間もかかる。普段の業務では難しい。
などの理由から、ビギナーにとっては敷居が高いと思われます。
ビギナーにとっては、なんといっても手順が明確で、
一人でも面接のフィードバックが得られることが必要かなと思います。
そこでADOCを開発しています。
会話の手順は、理論が必要なくとも(協業の考え方は必要ですが)、
iphoneのインターフェイスの指示によって明確にする(必要に応じてヘルプ参照)。
イラストでCLの過去の作業の想起を容易にする。
たとえば
CL「あ~そうそう。元気なころは釣りなんてしてたね~」
TH「そうなんですか~。得意だったんですか?」
CL「まあ得意というわけでもないけど、10年はしたかな」
TH「へ~、10年もすればベテランじゃないですか。でっかい魚とか釣れました?」・・・
CL「そうだね~。50cmの真鯛くらいなら・・・」
物語とまではいかないにしても、
障害によって見失ってしまった自分らしい過去の作業を思い出して、
何かしらの会話が生まれてくれればと思います。
そんな感じでADOCと物語がつながるかもしれません。
しかし、オープンの会話のほうが場合によっては情報量が豊かになりますから、
物語を聞くことに慣れてきたらADOCを卒業してもいいのかもしれません。
自転車の補助輪のように。
どんな方法にも必ず長所と短所があります。
PDFに出力したい場合、OBPに目を向けたい場合、面接に慣れていない場合、時間がない場合など
ADOCの長所が活かせる場合にはADOCを、
ゆっくり腰をすえてその人と向き合いたい場合など、
オープンな会話の長所が活かせる場合にはオープンな会話を、
THが選んでいただければと思います。
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