2010年3月17日水曜日

OTとADL

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皆さんの今やりたいことは何でしょうか?

それがADLになった方はいますか?
ましてや家庭復帰!という方もいらっしゃらないですよね.

でもクライエント(CL)の目標の多くがADLもしくは家庭復帰です.身障の場合.

患者さんだから,手足が不自由だから,
ADL獲得や家庭復帰は当たり前のことなんでしょうか.
またこいつは皮肉れて,と思うでしょうが,CLは患者さんである前に私たちと同じ人です.
身の回りのことができないと,それ以外のことはしちゃダメだということはないはずです.
IL運動で40年前から言われている通り.

私たちにとってADLがやりたいことにならないということは,
ADLを獲得する理由は,私たちがやりたいことの選択肢を拡げるためですよね.

中学生になぜ勉強が必要かと聞かれ,
頭が良い方が将来なりたい仕事に就ける可能性が広くなるから
と説明するのと一緒かなと思います.

ADLが出来たほうが,病院にいるより自宅のほうが,
やりたいことができる可能性が広くなることが多い.
だから,とりあえずADL訓練や家庭復帰を目指す.

だけどADL訓練や家庭復帰がゴールではない.
やりたいことができること,それがゴールだという認識がOTには必要かと思います.


だから,作業療法で実施する内容がもちろんADL訓練で全然いいんです.
ただADL訓練を行うプロセスにおいて,
やりたいことをするためにはADLが必要だから,ADL訓練をしているんだ,
という認識を,CLとOTに持って欲しいのです.
そうすれば,つまらないADL訓練でも,CLは一生懸命やることが私の経験として多いから.

最初更衣訓練が嫌いだった片麻痺の議員さん.
ネクタイを閉めることはOTは何も教えませんでしたが,自分で片手でできました.
スーツを着て奥さんと外出したときは満足げでした.

家族の面倒を見ないといけないと思ってる進行性の認知症をもつ主婦の方は,
ADLにやや介助が必要でしたが,簡単な調理の練習をOTと一緒に頑張って,
簡単なごはんを家族に出してあげることができました.

障害のせいで埋もれてしまったCL本来の姿,やりたいことを,
一緒に発掘する努力がOTには必要です.

ADLが本当の目標にならないこと,これは普通に考えて当然ではないでしょうか?

面白い話が,講義で普段不真面目な学生にこんな話をしたら,
そんなこと当たり前じゃないですかと答え,まじめな学生は,難しいと答えました.

学校で病気のことばかり教えすぎなのかもしれません(笑)

CLとOTが,ADL以外にも目を向けられるように,ADOCを開発中です.




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