2010年3月2日火曜日

エビデンス

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京極真さんの論文 「エビデンスの一般化可能生問題」とは何か 看護学雑誌 2008 を読みました.

究極のエビデンスは1症例RCTだという.

エビデンスを使うということは,
他人の症例で試された介入効果を目の前の症例に当てはめて考えることだが,
1症例RCTとは,目の前の症例で介入に効果があるか直接試してみよう! ということである.
確かに究極だ(笑) 効果があればエビデンスあり,なければエビデンスなし.

まあそれが出来ないから,
他人の症例で試された結果を,目の前の症例に当てはめて考えてみようということである.
そこでEBMでは,なるべくバイアスが少ない方法から優先していきましょうというものである.
恣意的に選ばれ,しかも一人の変化である事例報告よりは,
無作為に,しかも大人数が変化したRCTやシステマティックレビューが
EBMでは良いとされる.

そこで,研究結果がどのくらい一般化できるのかという問題に直面する.

結論から言えば,NOである.
RCTは母集団をランダムに割り付けたとは言え,
母集団に偏りがないとは絶対的に言い切れないので,
究極のところ,今回集まった集団では○○の変化が認められる,ということだけである.
特に社会文化的なところまで関係する介入(ADLやQOLなど)では,
外国のRCTを活用するには十分注意が必要であると思う.

これじゃRCTも事例報告と変わらないじゃん,と思いますが,使う立場からすればその通り.
いや基本的には違うでしょうが,時と場合によって使い分けましょうということになる.

ポイントは,目の前の症例と,研究結果の参加者や状況が「似てるかどうか」ということなので,
エビデンスのレベルが高けりゃいいってものでもない.
そこをわきまえてエビデンスを使いましょう.

ということが書いてある.
(違っていたらすみません・・・)

エビデンスが流行ってた数年前,正直それはOTの言い訳と思っていたが,
今はエビデンスは適切に使い分けることが必要だと思えるようになった.

エビデンスはあくまで目の前の問題を判断するための補助的手段である.

大切なのは,まずは目の前の患者さんが満足することですから.

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