2011年11月22日火曜日

OTの自信ってどこから来るのか?

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レクは得意だと学生に話すと失笑されました.tomoriです.

その理由が、普段僕のテンションはかなり低いらしく,お前そのテンションのくせにどの口が言ってんだぐらいの勢いでした。まぁAB型なので仕方ないです。


前にも書いたけど(作業療法の苦悩と自信)
僕は,OTの自信って,患者さんに近づくことで得られるのではないかと思っています.

最近僕がよく遭遇する
「OTキチガイ」と呼ばれる新たな人種の方は,
皆そうだと思います...(笑)

注)キチガイとは周りが何と言おうとクライエントを最も優先するというリスペクト用語です。

何を根拠にそう言うんだ!と言いたくなる方が多数いらっしゃるのはよくわかるのですが,
いや主観的にそう思っていますとしかいいようがありません.

ましてや「その方々に話を聞くときの目を見ると分かります」
というとますます信じてもらえなくなるのは僕も良く分かってるんです。
でもたしかにそうなんですよ。

自信があるというか,楽しそうで,リラックスしていて,
迷いも曇りもない沖縄の海のような澄んだ目をしています.

一般的に,自信をつけるためには,
偉い人に聞いたり,研修会に行ったり,難しい論文を読んだり,研究したり,大学院にいったり…

自信の根拠を客観的なものに求めて、
まるでジプシーのように旅に出る方も多いと思います。
旅は大事です。旅は良いのですが…

自信をつけるために大事なことってすぐそばの日常にあると思います.

患者さんの主観です。

結局のところ、作業療法も
患者さんが良いと思えばそれで良いという構造になっています。
その中で、客観的なものは、
患者さんがそれでいい、と判断するためのものに過ぎません。

主観と客観の構造をよく理解しないまま客観性の旅に出ることで、
患者さんからますます離れていくのではないでしょうか….
その旅先で出会った面白いものを,
患者さんに無理やり当てはめてしまうことはないでしょうか。

木綿のハンカチーフの彼のように,
華やかな都会から帰れなくなってしまうことはないでしょうか.


作業療法士の場合
患者さんに近づき,
患者さんと同じ目線になって
患者さんの主観とシンクロし、
患者さんとコラボして、
患者さんの意味のある作業を実現したとき、
支援者として大きな学びを得ることはできると思います.

そして,その学びこそが、
OTの自信に繋がるのではないか,
そう思っています.

あるOTからこのメールをいただいて,改めてそう感じました.


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私が一番トップダウンでやっていて良かったと感じることは、
「自分がOTをやっていて、とても楽になった」ということです。

急性期病院で働いていた時は、
「私が目の前にいるこの人を何とかしなければ…。
とりあえず上のいう人のことを言われたとおりやって、
身体的に同じ成果が出るようにしなければ」
と、自分にプレッシャーをかけて、自信なんて全く湧きませんでした。

今は、一緒にOTの時間を共有している方々の人生に関われることに、
純粋に喜びを感じます。

ADOC、AMPSと先輩方が作ってくれたツールを活用して、
少しでも患者様が幸せになるように、
自分自身も幸せになれるように日々悩んでいきたいと思います。

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2011年11月18日金曜日

「急性期OTがOTであるためのツール」

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歩道に映る影でもわかるくらいの寝ぐせが頻発していたので坊主にしたのですが,
依然として清潔という単語からは程遠いtomoriです.


先日,急性期のOTのOさんとFacebookでやりとりをしていて,
急性期OTでのADOCの活用についてお話を伺ったので紹介します.
(ちょっとだけ省略しています)

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はじめに、今純粋に思う個人の感想ですが、
ADOCは「急性期OTがOTであるためのツール」だと強く感じているところです。


近年の全国学会でも実感していることですが、全国の急性期OTが専門性に悩んでいると思います。私も急性期病院にうつった当初は悩んでいました。しかし、今はこのツールを活用することで急性期でもOTらしくOTを展開できていると感じています。


ADOC自体についてはADOCがApp storeデビューしてすぐにプレゼンさせて頂き、OTがOTであるために必要なツールではないかとお伝えさせていただき、非常に関心を持っていただけました。また、活用方法の周知も行えました。


実際の脳卒中での活用状況ですが、急性期で状態が安定しない方も多く、実施できる方は限られていますが、インテークでの初期評価の時点で使用することが多いです(ニーズ把握から目標共有、OTがどんな職種かを把握してもらうため)。


その中でも、現状で経験した例としては失語症の方や高次脳の影響・キャラクターから楽観的な方、機能面へのこだわりが強い方、東北の地域柄もあり遠慮してなかなかニーズを引き出せない方など、主に目標共有がなかなか難しい方にADOC活用させていただいてます。


失語症の方に関しては、福島のS先生も発表されていたように有用性を感じており、急性期においても活用させていただいております。御本人の意味ある作業の抽出から目標共有、PDFをプリントアウトしたもので御家族への説明など行わせていただきました。


これらの経験もあり、最近はOTだけでなく、PT・STなどから「こんな方いるんだけどぜひOTでADOC活用できないか」との声が上がることもあります。個人的には他職種からこのような声が上がることは嬉しく思っています。Drからも実施しているところを観ていただき、「へー、OTここまでみるんだねー。」と改めて仕事の領域をみていただけたと感じましたし、単純にiPadを活用してるとこにOTすごいねーと感心されてました(^^)笑


整形疾患では沖縄のM先生のようにTHA にも使用し、TKA・頚椎症などに使用しています。今担当してる方だとキーンベックが原因による伸筋腱損傷の縫合術後、早期運動療法のためアウトリガースプリント作製した方にもADOC活用しております。なかなかリスク管理ができない方で「こんなのつけられてたら何もできなくて困る!」との声も聞かれていましたが、ADOCで大切な作業を選び目標を決めることで何のために今この機能訓練、装具療法が必要なのかを納得できたようです。その方はスプリント装着のまま明日退院ですが、外来でまた来院されるので今後満足度の変化を確認して行きたいと思います。ハンドセラピーなどは特に機能面アプローチがメインになりやすいですが、どんな作業の実現のためにアプローチを行っているのか共有することでより専門性を持ってOTを展開できるのではと思っています。


また個人的にADOC導入で嬉しく感じているのは、対象者でハンドも多いこともあり、「手のリハビリ」と言われることも少なくなかったのですが、そう呼んでた方が「作業療法」と呼んでくださったときは嬉しく思います。小さなところですが、作業に焦点を当てるという専門性が対象者に伝わったかなと思うので。


訪問スタッフも使いたいとの声が上がってるので、今後は訪問でも使っていただけたらと思っています。


長文になりましたが、急性期においてもOTらしく関わるために上記のように ADOCを活用させていただいております。メールで伝わらない部分も多々あると思いますが、微力ながら使用現状をお伝えさせていただきました。


OTらしくありたいという思いで臨床を行っておりますのでよろしくお願い致します。

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まず,Oさん,ありがとうございます.元気をいただきました.

急性期ってPTとかぶることも多いので,
OTのアイデンティっていったい... 悩む方を良く相談を受けたりします.

僕自身,急性期のOTって何か分からず,色んな人に聞いていましたが,
やはり急性期のOTでも維持期のOTでも変わらないこと.
それはCLの文脈に基づいた作業に対する意味を吹き込むことなんでしょうね.
今回も,このあたりから読み取れます.

”ADOCで大切な作業を選び目標を決めることで
何のために今この機能訓練、装具療法が必要なのかを納得できたようです”


あとOさんからメールもらって僕が嬉しかったのは,2つ.

まずOさんが楽しそうにOTをされていることです.
やはりCLが意思決定に参加して,協業しながらOTをすることで,
作業療法士の仕事も楽しくなるのだと思います.
こういう話を伺うと,やっぱADOC創って良かったなーーと思います.

つぎに嬉しいのは,
去年一緒に学会で発表した福島のS先生,沖縄のM先生の話が引用されていたこと.
たまたま今日,学部生も卒論でこのお二人の発表を引用してたり,
院生からも昨年の学会発表の話題がでてました.
やっぱ発表見てくれてる人,沢山いるんですね.
それでちゃんと臨床や卒論に還元されている.
頑張って発表したかいがあったなあと,これまた感慨ひとしお.

でも何でわざわざ学会で発表したり,ブログ書いたりするか改めて考えると,
あちこちで点在しているであろう,OTらしいOTの小さな自信.
それをつなげていくことで,皆が自分一人ではないという確信につなげるためでしょうね.

また今日も小さい努力を重ねていこうと思いました.Oさんに感謝.

今から学会の抄録を仕上げていきます.
今年うちのチームからは4題エントリー予定です.


2011年11月12日土曜日

クライエント中心の回復期リハ病棟を見学してきた

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たまには一緒に遊んでよー,という娘のそばでブログ書いてる tomori です.


ADOC project のメンバーの
イムズ板橋リハビリテーション病院を見学してきました.


「うちはクライエント中心でトップダウンしかやっていないよ」と
直々に聞いたので見てきました.



病院は回復期リハ病棟のみの150床.できたばっかでキレイ.
OTは30名程度,その日は20名くらい出勤していたようだけれども,

OT室はがらがら(笑)
「OTは,だいたい病棟か外出しています」とのこと.
OTがOT室にいないっていいよね.


いたのはOTと患者さんが3名ずつ.
しかも,それぞれ調理,掃除機,手工芸をしていた.
プラットホームと輪入れはPTが使っていた(笑)



まず調理練習を見学させていただいた.
AMPSの課題として「味噌汁」.
一度評価をして,道具の誤用や作業工程を一緒に確認し,
再度同じ味噌汁を一緒に作るという内容.
聞けば,1年目とか.な,なかなかやるじゃないか.

その次は,コーヒーを入れる練習,お米を炊く練習,屋外歩行練習の3単位.
コーヒーを飲みながら,自宅に帰ることを想定して,話し合い.
楽観的で「できるできる」という患者さん.なかなか内省は深まらない様子.
粘り強く会話する.その後,AMPSをやってやってみることに.

その後,雨の中傘をさしてスーパーの買い物から帰ってきた方.
イカと里芋を買ってきて,そのまま調理訓練.
ちょっとふらふらしていたけども,患者さんの目はマジ.やる気満々.
スーパーでは,生イカを手でわしづかみ(笑)
案の定,滑って落として,お店の人に変えてもらうという
おもしろハプニングもあったとか(笑) ウケるー.


その後,病院見学,技師長さんとの話し合い.
新人さんの事例発表のレジメを拝見させてもらったけども,これまた全部トップダウン.
COPMとってOTIPMの流れで書く人,OPPMの流れで書く人,
大学のレジメとは全然違う.
「うちは実習生も含めて皆これでやってますから」と技師長さん
心意気を感じる.

夕方にADOCのプレゼンを僕が軽くさせてもらって,懇親会へ.

そこでも,ウケる話に.

釣り堀に行って,普段巧緻性の低い方が上手にミミズを針に付けていた話.
(でも一匹も釣れなかったらしい.おいおい,そこ分析必要でしょ!).

パチンコ屋さんの入り口まで本人と奥さんと一緒に行く練習をして,
奥さんが「これなら大丈夫」と後日二人で行って,2万買ったとか言う話.
パチンコ屋から「お帰りなさい」と言われたとか(笑)
聞けば結構重度な方らしい.

競艇場の入り口まで患者さんとPTOTで一緒に行った話とか.

Dementia Care Mapping の話とか.

いやー,楽しかったなー.

ちなみにイムズ板橋さんはOT募集してるみたいです。

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たしかに機能面の評価や介入が不足していることはあると思った.
学校で教わったことと,ここの臨床とのギャップに悩んでいる人もいた.
やりたいことが無い人、受身的なひとにどうすればいいか悩む人…

物事には必ずメリット・デメリットがある.
デメリット面に目をつぶっちゃダメだ。

でもトップダウンには、上に書いたように沢山のメリットがある。訓練室だけでは味わえない沢山の物語があるじゃん。デメリットばかりで物事を判断するのもよくない。

ま、感情論で議論するつもりは毛頭無い。そんなOTらしいOTが本当に効果あるのか、検証していくのが僕たちの仕事だと思う。ということも話してきました。

場所を公園に移し、iPhoneから投稿のtomoriでした。








2011年11月9日水曜日

ターニングポイント

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天ぷらはやっぱ魚天ぷらでしょ tomori です.
魚天ぷらというのは沖縄のやつで,
宮古島のくになか食堂のがおすすめです.
4こで100円(笑)







今日はOTとは関係ないのですが,
Facebookで流行っていた感慨深い記事です.

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縁を生かす

その先生が五年生の担任になった時、
一人、服装が不潔でだらしなく、どうしても好きになれない少年がいた。
中間記録に先生は少年の悪いところばかりを記入するようになっていた。

ある時、少年の一年生からの記録が目に留まった。
「朗らかで、友達が好きで、人にも親切。 勉強もよくでき、将来が楽しみ」
とある。間違いだ。他の子の記録に違いない。先生はそう思った。
二年生になると、 「母親が病気で世話をしなければならず、時々遅刻する」
と書かれていた。

三年生では
「母親の病気が悪くなり、疲れていて、教室で居眠りする」

後半の記録には
「母親が死亡。希望を失い、悲しんでいる」
とあり、四年生になると
「父は生きる意欲を失い、アルコール依存症となり、子どもに暴力をふるう」

先生の胸に激しい痛みが走った。ダメと決めつけていた子が突然、
深い悲しみを生き抜いている生身の人間として自分の前に立ち現れてきたのだ。
先生にとって目を開かれた瞬間であった。

放課後、先生は少年に声をかけた。

「先生は夕方まで教室で仕事をするから、あなたも勉強していかない?
 分からないところは教えてあげるから」

少年は初めて笑顔を見せた。

それから毎日、少年は教室の自分の机で予習復習を熱心に続けた。
授業で少年が初めて手をあげた時、先生に大きな喜びがわき起こった。
少年は自信を持ち始めていた。

クリスマスの午後だった。少年が小さな包みを先生の胸に押しつけてきた。
あとで開けてみると、香水の瓶だった。
亡くなったお母さんが使っていたものに違いない。
先生はその一滴をつけ、夕暮れに少年の家を訪ねた。
雑然とした部屋で独り本を読んでいた少年は、気がつくと飛んできて、
先生の胸に顔を埋めて叫んだ。

「ああ、お母さんの匂い! きょうはすてきなクリスマスだ」

六年生では先生は少年の担任ではなくなった。
卒業の時、先生に少年から一枚のカードが届いた。
「先生は僕のお母さんのようです。
そして、いままで出会った中で一番すばらしい先生でした」

それから六年。またカードが届いた。

「明日は高校の卒業式です。僕は五年生で先生に担当してもらって、
 とても幸せでした。おかげで奨学金をもらって医学部に進学することができます」

十年を経て、またカードがきた。
そこには先生と出会えたことへの感謝と父親に叩かれた体験があるから
患者の痛みが分かる医者になれると記され、こう締めくくられていた。

「僕はよく五年生の時の先生を思い出します。
 あのままだめになってしまう僕を救ってくださった先生を、
 神様のように感じます。
 大人になり、医者になった僕にとって最高の先生は、
 五年生の時に担任してくださった先生です」

そして一年。届いたカードは結婚式の招待状だった。

「母の席に座ってください」

と一行、書き添えられていた。

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号泣...

今日は専攻会議だったけど,うちの教員は学生の話を良くする.
学生は教員の悪口ばかり言うけど,
うちらの教員って皆学生のことを考えていると思う.

人生のターニングポイントってきっとある.
僕も高校の頃の英語の先生に「お前は浪人しろ」と言われなかったら,
今ごろオレは何してたんだろうなぁ.

仲吉先生っていうんだけど.
いつかお礼を言いたい.

んで,仲吉先生からもらった恩を次につなげたいね.


2011年11月8日火曜日

なぜ「してもらう」リハビリから「やりたい」リハビリへ なのか

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コカコーラを朝から飲んでます tomoriです.
カロリーを気にしてzeroにしていたのですが,
学生に「男らしくないよね」と言われました.

さて,株式会社レキサスさんから,
ADOCのWEBサイトがオープンしました!



どうでしょう.
なかなかカッコいいデザインですね.
今後ADOCに関しては,僕が作ったサイトからこちらへ移行していきたいと思います.



この中で僕がこだわったのはコピーです.

「してもらう」リハビリから「やりたい」リハビリへ


当初「させられる」リハビリからということにしていましたが,
侍OTさんからちょっとキツイでしょと「してもらう」を提案していただきました.



あと,レキサスさんに無理言って,Topの目立つ位置にしてもらいました.
それには理由があります.

現在リハは医療に位置づけられており,
患者さんも「してもらう」ものだという認識が強いと思います.

治してもらう,
動かしてもらう,
決めてもらう
歩かせてもらう...


しかしリハというものは,
自分の人生を再構築するためのプロセスで,
自分が大事にしている「やりたい」ことを実現するためのものなんですよね.


「やりたい」ことはホント人によって千差万別.
しかも,患者さんは障害のために,
本来「やりたい」ことを見失っていることが多いです.


事実,患者さんに「やりたいことはなんですか?」と聞いても
うまく答えられないことが多いですよね.
でも「困っていることはなんですか?」と聞くと沢山出てきます.

ADOCではイラストによって,
その忘れかけていた「やりたい」ことを思い出させます.


さらに,
「あ,そうそう,お裁縫って昔好きで良くやってたのよね」
「あの時はね,こんなことがあったのよ...」

と患者さん自ら作業にまつわるエピソードを語ってくれます.
実際にADOC使ってみるとよくわかるのですが,
本当に患者さんが良く話してくれます(これホント)


ADOCでは,何のイラストを選ぶかではなく,
何でこのイラストを選ぶのか,の理由を共有することが大事だと思っています.
それは,患者さん本来自分がやりたかった大事な作業のことを思い出し,
それをすることが自分にとって本当に重要だと再定義するための語りです.


大事な作業が何か,なぜ大事なのか,
患者さんの文脈を共有し,その作業の実現に向けて動き始めると,
患者さんはリハに対して主体的になってきます.
色んな提案をしたり,チャレンジしたり,前向きになったり,明るくなったり...

いつかしら「してもらう」リハから,
「やりたい」リハへと変わっていきます.

Webサイトでも,そのプロセスを紹介しています.



ADOCが「やりたい」リハのきっかけになれば幸いです.


2011年11月4日金曜日

OTIPMの特徴2 「何でも」

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適当な研究者.tomori です.

この間,卒業生から「豆ともり」と写メが届きました.







これで僕の性格がマメなら落ちるけどねーとメールを返したら

以下の画像が送られて...






どうもこの文字から僕のことを連想されたようです...
おいおい.






前置きが長くなりましたが,OTIPMの特徴2です.

OTIPMにはトップダウンを実践するためのモデルというこだわりを感じます.
というのも,OTIPMの流れであれば,どの評価,どの理論,どの介入を使ってもいいというのです.

この手のモデルにしては新しいと思いました.
だって今まで,モデルと評価や手段はセットになることが多かったように思います.
CMOPはCOPM,MOHOはOSA,Kawa-modelは川の断面図,と.
BobathやCI,いろんな手段があります.

でもOTIPMはそれらを包括して,
とかくトップダウン思考で実際に「使うためには」どうすればいいか,というモデルです.




ツイッターで,Tinkable77さんから質問を受けました.
COPMでできる限り意味のある作業を特定して、GASでその作業の質的要素を見出すために観察して解釈して段階づけし、介入して再評価する流れはOTIPMの流れに近いのでしょうか?

→ はい.厳密には細かい推奨事項はありますが,OTIPMに近いと思います.それで介入モデルは回復モデルが妥当だということになったとして,tinkabe77さんが得意のボバースで介入したとしてもOTIPMです.COPM,GAS,Bobathと,いろんな手段,理論が混ざっても,「OTらしい」トップダウンという大枠の中で,理論や手段の使い方を導いてくれるのがOTIPMの良いところだと思います.

クライエントの作業可能化を実現するために,
面接と観察はマストだけど,手段は「何でも」いいを認めてくれるモデル.
新しいと思うけどなぁ.


僕としてはADOC+AMPSの組み合わせも面白いなと思っています.
Fisher先生はOTIPMを使うときにはAMPSの課題にこだわるなといっていました.
クライエントの文脈に応じた作業を特定することが大事で,
特定された作業がAMPSの課題になければ,
AMPSの視点を参考に「その作業」を観察をしなさい,とのことでした.
観察場面をiPadの動画で撮ってもいいしね.

とかく,OTIPMはトップダウンを実践するためのモデルであって,
今までのモデルとは少し違うところを紹介しました.


いろんな理論,手技,考え方が混在する我が国では,
OTIPMは有効ではないかと思っているtomoriでした.


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