2012年3月30日金曜日

初担任の四年間を終えて

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ゼミで撮った写真を見てたカミさんから、
「アンタどこにおるか分からんね」と言われました.tomoriです。
もう学生とはもう一回りも違うんですが...



今日初めて持ったクラスの学生の国試の発表日。
おかげさまで全員合格でした.
やっと肩から荷が降りました.

自分の子供のとの距離が難しいように,担任の学生との距離感は難しい.
なんだろ.変な責任感なのかなぁ.
僕は学生とは近いスタンスだけど完全にそうなれない,みたいな.
んー... この感覚はあまり伝わらないと思いますが.


思い返せば1年生の頃から 
学校に来ない人
病気な人,
OTに興味がない人
実習で寝る人
クラスに馴染めない人
不安な人
やめたい人…

その他もろもろ、一人ひとり大変だった。
でもみんなよく頑張った。
よくほったらかしとか言われるけど
僕は一人ひとりの4年間のスゴい成長を遠目で見てたつもり。

僕に感謝なんていらない。
OTすらしてなくてもいい。
でも一人ひとりが自分はこれだ!と思えることをやって欲しい。
自分の人生を精一杯生きることが1番の恩返しです。

今年卒業した皆さんに向けて、
卒業式の挨拶を載せておきます。

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六期生の皆さん、卒業おめでとう。

また御父兄の皆様におかれましても、本日は誠におめでとうございます。
実習や国家試験など悩み苦しんでいるお子さんを見て、今日という日を本当に心待ちにしていたことと存じます。4年間、支えていただき感謝申し上げます。

今日から社会人になる皆さんに、僕から伝えたいことは3つです。

1つ目は、毎日を楽しむことです。

同じ体験をしても、ある人は辛いと言い、ある人は楽しかったと言うことがあります。つまり辛いというのは、その体験自体が辛いのではなく、自分が辛いと判断するから辛いのです。どんな体験でも楽しくなるように工夫する事が出来ます。今日のような雨の卒業式。文句いうのも、楽しむのも同じ一日です。


2つ目は、自分の使命を見つけることです。

使命とは命を使うと書きます。命を使ってでも成し遂げたいと思える、自分にしか出来ない事を見つけるのです。
それはどっか外にあるのではなく、最初から自分の中にあります。見栄、自分で作る限界などが邪魔をして、気づかないだけです。使命が見つかるまで自分としっかり対話をしてください。

3つ目は、あきらめないことです。

実は僕も皆さんと同じく今日この場に立てるとは思ってませんでした。皆さんと同じく僕にとっても辛い四年間で、もうこの仕事を辞めてしまおうと考えていたからです。しかし周りの先生方、副担の先生、友達、そして学生の皆さんのおかげで、どうにか初担任という仕事をやり遂げることができました。感謝申し上げます。あの時あきらめなくて本当によかったなぁと思います。
今後、皆さんにも幾多の困難が待ち受けていると思います。先のことが見えなくなって、何も出来なくなった時には、がんばらなくていいのであきらめないで下さい。あきらめさえしなければ、今日のようにいつか春が来ます。

以上、楽しむこと、使命を見つけること、あきらめないこと、この三つを僕から皆さんへ送る言葉とさせていただきます。

皆さんの未来に期待しています。




2012年3月29日木曜日

宮崎学会でお会いしましょう!

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兵庫よりイカナゴを頂きました.tomoriです.
好物のカレーには負けるけど,ご飯にめちゃくちゃ合う食べ物です.これ.
食ってる最中に,「なんなら送りましょうか」と言われて,
思わず「お願いします」と言ってしまった(苦笑)
いまだに朝からご飯をおかわりする
米好きのカミさんに食べさせたかったというのもあるけど.


さて,お知らせするのを忘れていましたが,
ADOC project は 宮崎学会でのワークショップに採択されてます.
紹介なので,ADOCを使ったことが無い方向けの内容にしようかなと思います.
追記→もちろん琉球OTさん,侍OTさん,あと釧路OTさんと一緒です.

作業の実現に向けたよりディープな使い方をディスカッションしたい方は,
個人的にご連絡ください(笑)

ADOC初心者の方も,使い慣れた方も,お気軽にお声かけください.

宮崎学会で会いましょう!



発表形式 :「アピール企画」
演 題  :「ADOC(作業選択意思決定支援ソフト)の紹介−意味のある作業の実現に向けて−」
発表日時 :「平成24年6月16日(土曜日)11時40分~12時10分」
発表会場 :「第4会場(クリスタル)」

詳細はこちら

2012年3月25日日曜日

回復期リハ病棟での効率のよいADL支援とは

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回復期リハ病棟ではOTに頑張ってほしいと思っています.tomoriです.

さて,長崎,名古屋,滋賀,兵庫,浜松と研究打合せをしてきました.
その中で,興味深い取り組みをしていた近江温泉病院を紹介したいと思います.
以前作った僕のスライドと一緒に説明をしたいと思います.


早期からの関わり
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回復期リハ病棟では,効率的・実際的なADL支援が求められます.
そこで昔から回復期リハ病棟では早期からの関わりが重要だと思っていました.

従来は,入院時にMRIの画像を見ながら「機能面」の予後予測に基づいた目標を決め,
とりあえず機能訓練や病棟ADL訓練をしていきながら,
機能回復がある程度プラトーに達してきたら退院日宣告をして,
そこから自宅を見に行き,外泊などしてもらい,退院という感じが多いと思います.
これでは追い出される感じですよね.

僕の理想としては,まず患者さんと家族の自宅での生活に関する希望を確認して,
OTだけでもいいので自宅を見に行き,心身機能ではなく「ADL」の予後予測をします.
その後チームで目標設定し,分担してADL訓練を行うと同時に
家族も巻き込んで早期から外泊を行ってもらいます.
外泊で出来なかったことをフィードバックしてもらい,病棟で訓練します.
そうすると,患者さんも家族も納得して退院することができると思います.

これはあくまで僕の理想像だったんですが,
近江温泉病院ではそれ以上取り組みをしていました.
まず入院前の申し込み時点において,
部長が全ての患者さんの自宅が入院している急性期病院を周り,
今後の確認や情報収集を行うようです(事前訪問).
また地域の急性期病院(法人は別)と連携してパスを作っているそうです.
勝負は入院前から始まっているのですね.

入院後は,すぐに多職種で合同評価を行うとともに,
入院1−3週のうちにOTとワーカーさんが自宅や自宅周辺を見に行くそうです.
自宅環境だけでなく,介護者やキーパーソンなどのソフト面もしっかりと評価できますね.


ADL偏重ではない
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でもだからといって近江温泉病院はADL偏重ではないのです.
ほとんどの患者さんに,OTがCOPMを取るそうです.
またAMPS認定者が一人いるので,その方に観察評価をお願いしているようです.
でもそれでは回らないとのことで,AMPS講習会を依頼して,
次のゴールデンウィークに開催予定だとか(笑)
これからOTはトップダウンで関わっていくとの方針とのことです.

そのような情報収集後に,「いつまで」の時間を意識しながら目標設定し,
病棟ADL訓練や外出訓練,住宅改修を行うそうです.
OT室もバリエーション豊かでした.
沢山の手作りの訓練道具,福祉用具,手工芸はもちろん,陶芸もしているそうです.
「昔のOTはアクティビティを通して身体機能を高めるということもはよくしていたけども,今はぜんぜんだよねー.自分の腕で直すって感じで.PTから習いすぎたよね」と部長さん(OTです)と話していました.


これだけでもすごいなあと思っていましたが,
なんと月1回のカンファレンスは,患者さん本人,家族が同席だそうです.
これにはホントびっくりしました.
周りのスタッフは,え? 当たり前じゃないの?って顔していましたが.
当たり前じゃないっつーの(笑)

他にも工夫はいろいろとありましたが,長くなるので次にいきます.



退院後しばらくは支援が必要
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退院がゴールって思っているOTも少なくないと思います.
でも退院後の調査をしていた僕は分かるのですが,
退院直後の患者さんや家族はとても大変な思いをしています.
しばらくは支援が必要なんです.
なので,確認だけでもいいから,訪問リハを入れることが理想的だと思います.

もちろん近江温泉病院では多くのケースに訪問が入っているようでした.
入院時から連携をして,退院後しばらくは入るそうです.



訪問からのフィードバック
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病棟ADLは自宅でのADLの為に行うと思われますが,
退院後に実際にできているかどうか確認している方はそう多く無いと思います.
特にだれでも外来にくることができなくなったので.
これでは,問題ばかり解いて答え合わせをしない学習方法と一緒ですよね.
自分のしたことが合ってるか合ってないか分からないまま.

そこで訪問ですよね.
もちろん近江温泉病院では,訪問スタッフも病棟スタッフと同じスタッフルームで,
教育係としていつもフィードバックしているそうです.
これで病棟ADL訓練の質も上がるでしょうね.

ちなみに近江温泉病院の自宅復帰率は90%程度だそうです.


まとめ
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早期から目標を立てて取り組み,退院後もフィードバックが入るようにする.
それが効率よいADL向上を図るための近道だと思います.

そのために訪問リハを取り入れていくというのが,
個人的には理想の回復期リハ病棟かなと思っています.



2012年3月3日土曜日

エビデンスってお金に似てるよね?

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身の丈一家。tomori家です。

エビデンス至上主義からようやく落ち着いてきました。
そして日本でも、ちらほらRCTが行われるようになりました。
そんな今,エビデンスついて考えてみたいと思います。


エビデンスってお金と似てる?


①必要十分
お金はあればあるだけ良いです。はい。
でも必要なものが買えればそれで十分とも言えます。
大きな買い物には沢山必要。小さい買い物だと少額で十分。
目の前のクライエントと一緒に意思決定するのに必要な分だけあればいいですよね。


②使われなければ意味がない
お金が沢山あっても使われなければ意味ないです。
使い方が分からなければ意味がないです。
厳密にはエビデンスレベルが高くても、
目の前のクライエントに使えなければ無いと等しいです。


③外貨は使えない
ユーロを沢山持ってても日本で買い物するには難しいですよね。
海外で実証されたエビデンスが沢山あっても日本で使うには注意が必要です。
特にリハビリテーションは文化によってだいぶ左右されるので。


④稼ぐのは努力が必要
お金は空から降って来るものではありません。
自分で努力して稼がないと使えません。エビデンスも同じです。
「エビデンス=他人が作るもの」と思っている方が多くないですか?(笑)
自分で作らないと使っちゃだめよとまでは言いませんが、
普段エビデンスを使ってるなら、ささやかでも何らかの貢献をしましょう。


⑤小銭でも同じ通貨が集まれば大金になる
これは賛否両論あると思いますが、
サンプルサイズの計算をした実験群25人と対照群25人のRCT一つと、
同じような効果があった事例報告が500本と、どちらを信じますか?
事例報告でも沢山集まれば… 自分にできることからやっていきましょう。


⑥お金の有無で人間性まで決まらない
最後に、お金を沢山持ってるから素晴らしい人とは言えません。
お金を持ってなくてもちゃんと前を向いて生きている人も沢山います。
エビデンスがあるのは素晴らしい職業だけど、
無いのは価値がない職業と言えるのでしょうか。
クライエントから選んでもらえない職業でしょうか?
きっと、エビデンスが無いからクライエントに選ばれないのではなく、
エビデンスの方ばかり向くからクライエントに選ばれない職業になるんでしょう。



清貧という言葉があります.
いくら貧しい生活でも,自分らしさまで失ってはいけません.

ちゃんとお金を稼ぐ努力をして,上手に使う.
エビデンスも一緒かなと思います.


2012年3月2日金曜日

学生がやりたかった作業療法評価

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ジーパン先生 tomori です.

今日は実習後の事例報告会(身障地域系)でした.
実習でご指導いただきました先生方,本当にありがとうございました.

ただやはり最近ADOCとかOBPとか叫んでいると,
学生の機能的検査が続くスライドをみて,
あー,PTっぽいなあと思ってしまいました..

でも身障系評価は,全て僕が教えました.
あと2年前期の作業療法をほとんど知らない時期に評価学概論も僕が教えました.


その評価学概論では,
最後のまとめとして学生に作業療法評価の長所と短所をまとめてもらってます.
今日は学生がまとめてくれたポスターを見ながら,
学生がやりたかった評価を本番でみんな出来たかどうか考えてました...

多くはできてなかった.

あと今日気づいたことは,
学生でも実習指導者でもなく,全て僕の責任だということ.
だって評価学概論と身障系の評価を教えたのは僕なんだから.

本当にごめんなさい.と最後学生に謝りました.本心です.

こんなに良い発表をしてくれたのに,
それを本番まで育むことができなかった,僕の責任です.

反省だけならサルでもできる.
明日から具体的対策に動きたいと思います.











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