2013年1月14日月曜日

ADOC for school いい感じに作っています.

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小さいころ先生を間違えて「お母さん」と呼んだことありますよね.先日学生と話してて「先輩!」と言われました.続けて2回も(笑) パーカー先生 tomori です.でもまあ,いつまでも「先輩!」でいいや.僕は.

さて,教育関連といえばADOC for school (ADOCs)ですが,かれこれ1年以上,ADOC以上に時間をかけて大事に大事に育ててきた.今日はそんな舞台裏を少し書いてみることにする.

一昨年の夏にメンバーで集まってコンセプトを作り,最初はCHADOCだった(笑)
小児版ADOCプロジェクト スタートです! 

去年はとりあえず開発資金を調達でき,
子供の作業に焦点を当てるために,ADOCs 作ります


その後は,ADOCsリーダーのちびっ子OTさん,教員経験のあるゼミ生,と何度も何度も話し合った.

僕は小児OTの経験ゼロ.見学すらない.だけど,ADOCを作った経験があった.
ちびっ子OTさんはアプリとか分からないけど,素晴らしい学校作業療法が出来た.
ゼミ生はまだOTではないけども,金八先生なみの熱い熱血教員だった.

一人ひとり,特技や情熱はあるけど,各自何かしら大きなものが欠けている集団だった(笑)


素晴らしい学校作業療法と,熱血教育をどうすればアプリに落とし込んでいくか,それが僕たちの課題だった.で,僕たちどうしたか... えらいOTの先生,多くのOT,教員,子ども,家族などにインタビューする方法もあった.著書や論文を読むこともできた.でも僕たちはそんな他人の話しとか,大衆の意見とかよりも,自分たちの経験と直感を信じることにした.お互いがお互いの感じていることを刷り込むように,徹底的に1年間話しあった.

僕はADOCsのアイデアをノートに書きなぐった.ADOCの流れをゼロにして考えた.もう何枚書いたか分からない.少なくともADOCの時の何倍も書いている.今でさえも.

沖縄在住のちびっ子OTさんとはSkype会議で,会議録が何枚になったか... そして臨床実践を整理するために一緒に論文を書くことにした.機関誌の次号に掲載される予定だ.ちなみにちびっ子OTさんは去年3人目を出産.産休育休中,めまいもありながらの会議,論文執筆.しかし画面に映るちびっ子さんは本当にこの仕事が楽しそうにしか見えなかった(←笑えない).どんだけOTバカ(尊敬語)なんだろうと思った.

ゼミ生とも幾度と無く酒飲みながら,教育とOTとの間にある壁について議論した.ADOCsはメインユーザーを教員にと考えている.教員がOTの視点も持ちつつ,自分が届けたい教育を実践できるためのツールだ.なので,教員の立場から忌憚なく意見を出してもらった.そもそも学校教員はOTがなにする人か分かってないし,そんなに必要と思っていない.そんなアンケートでは聞けないようなリアルな話しからアプリの構成を考えた.流れが大まかにできてきたとき,新たに小児OT希望のゼミ生2名が参加してくれた.そして色々と英語の文献を読み進め,海外の評価を取り寄せ,必要な情報を追加しつつ,皆で知恵を出し合って,さらにアプリの流れなどを洗練させていった.


一方で,僕が愛してやまないイラストがこれ.めっちゃ素晴らしい.OT学生のうさちゃんが描いてくれた.絵は全て独学で勉強したらしい.まさに好きこそものの上手なれ.ちなみに彼女の解剖のスケッチは教科書なみ(笑) 学業で忙しいのにせっせとイラストを描いてくれている.ユニバーサル仕様(笑)



本当は,某有名アーティストのデザイン担当の方にすでにお願いしていたんだよね.下絵もいくつか描いてもらい,こういう線,配色で,という話しまで進んでいた.でも僕はこれまた直感でうさちゃんに変更した.最初下絵を見たときは,少しぼやけているかなぁとかいろいろと話しもあったが,僕はこれは少し話しあえば修正できるとその時思った.そしてこの着替えのイラストだ.最近の僕の直感は正しい(笑)いつ見てもドキドキ,ワクワクする.


ちなみに主な登場人物の7名中5名はOT学生(笑) ちびっ子OTさんももとは回復期リハで小児の経験はまだ少ないから純粋.僕なんて小児の経験ゼロ.え?大丈夫?とか思われるかもしれない.でもあえて書いている.てか声を大にしていいたい.

経験がないからこそ,既成観念にとらわれない良いものが出来るんじゃないかなぁ.

もちろん適宜プロフェッショナルの意見は頂いた.参考にした.でも僕たちの中にある小さな声が聞こえなくならないように,あえてそれらと距離を置いた.


ADOC for schoolは,沢山の情熱とピュアな理想から出来ている.そんな意思決定は理想だと言われてもいい.理想をベースに作ったんだから.いつまでも学生らしい初心を思い出してくれる,そんなアプリになってほしい.



最後まで読んで下さり,ありがとうございました.
パーカー先生がお届けしました.




2013年1月13日日曜日

ADOCはクライエントのNaturalさを阻害するか?

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となりのトトロが流れる我が家.ふと隣を見ると次女がiPadの上で足踏みしてました.tomoriです.ブログを書こうと思いつつネタ切れでした.

さて,今日はひさびさADOCについて書きます.
先日,長崎での臨床で大変お世話になった大先生からお電話頂きました.

 最近の若い人は観察力ないでしょう.
 ADOCは対象者の意見を引き出すというのは良いけれど
 それに頼りすぎてしまわないだろうか.

 リストのように使われないだろうか.
 ある程度使い方を示したほうが良いのではないだろうか.
 OTの引き出し力を奪ってしまわないだろうか.

 あと対象者の中から湧きでてくる力や
 自然の柔らかさを奪ってしまわないだろうか.
 

僕も開発する前はそう思っていました.
ADOCは踏み台で,ADOCなんていずれ無くてもできるように...
そもそも無くても僕はクライエントの希望は引き出せるし
初めてMac版で試用したときには,COPMを使い慣れている僕は,
正直ちょっと使いにくいなと思っていました.

なので,ADOCはCOPMでは引き出せない初心者向け,
あと失語や認知症者向けには良いかな,くらいの気持ちでした.
確かにOBP初心者にとってはADOCは非常に有効なツールだと我ながら思っています.

でも実際にiPad版のADOCを使ってみて,
象者がホントよく話してくれるなぁというのが率直な印象でした.
いままで得意と思っていた面接で,さらに引き出せると思いました.
Naturalなカタチで.

あと今までと一番違うのが恊働.コラボレーション.
ホントに作業,目標を共有出来た,と思えました.
しかもチームで.Shared decision-making

なので,僕たちが今まで出来ていたと思っていたことは,
実はそんなに出来ていなかったのだと思います.


先行研究でも,作業療法士とCLの間には認識のズレが生じていることは明らかで,
何らかの戦略やツールを使ったほうが良いとも言われています.


すべて,実際に使ってみることで実感できると思います.












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