2014年12月29日月曜日

僕が宮古島に帰る理由

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娘から見た,tomoriです(笑)




さて,突然ですが,今年度一杯で大学を辞め,故郷の宮古島で再出発する予定です.色々考えましたが,基本的にはしばらくフリーです.以下のスライドは最終講義で使用したものです.


もちろん印税などがあるわけではないですよ(笑)ADOCのわずかな収益は改修費用やみんなのリハプランの運用費にまわしてもらっていますので.僕の収入はゼロかもしれません(笑).バカなやつと思われるかもしれませんが,全くその通りです(笑)

僕は作業療法士になって10年余.バカにされ,後ろ指をさされて生きてきました.見栄もなにもありません.そして,これからもそんな生き方しかできません...








なぜ辞めるのか? 答えは.僕にしかできないことをやるためです.

人の役割は2つあります.1つは家族の中の役割.もう一つは社会の中の役割です.

家族の中の役割として,僕はtomori家の長男であり,我が家の父親でもあります.これだけは,世界中で僕にしかつとまらない唯一無二の役割です.今まで本当に好き勝手生きてきたので,人生の折り返しを過ぎた今,育ててくれた人たちや,自分の子どもの成長を考えて生きていこうと思っています.

僕の好きなマザー・テレサの名言です.

(世界平和のために何をしたらいいのかと聞かれて)
帰って家族を大切にしてあげて下さい




そして社会の中での役割.まず作業療法士としての役割ですが,2010年にADOCを開発してから5年間,沢山の夢を叶えることができました.本当は,ADOC開発の直前は業績ゼロのどん底でした.一時期,教員を辞めよう思っていたのですが,師匠である,東先生,長谷先生,沖田先生,竹倉先生,その他大勢の方の支えもあり,どうにか踏ん張れることができました.本当に,感謝申し上げます.




しかし,ADOCがあっても,僕一人では何もできなかったでしょう.僕が沢山の夢を叶えることができたのは,仲間がいてくれたからです.



仲間と一緒に夢を叶えていくことほど,人生でワクワクするものはない.心からそう思います.そして,中塚さんからはこんなご意見もいただきました.僕らとの関わりの中で,作業療法って楽しい!と実感できた方がいたら,僕らも幸せです.



逆に,あれだけ作業療法を盛り上げていこう!!と旗振りをしてんのに,お前辞めんのかよって思う方もいるかもしれません(笑) でも僕から言わせてもらえれば,信頼できる仲間がいるからこそ,僕も安心して新しいことにチャレンジできるんです.そもそも自分がいないといけないと本人が思ったり,この人がいないといけないと周りが思う状況っておかしいかもしれません.誰がやっても上手く回るシステムを作るべきです.そう思って今年は澤田さんを中心に学会を立ち上げることもできました.


また,僕は今の大学教員というポジションで大きく成長させていただきました.そして,このワクワクする機会は,僕だけが独り占めしてしまってはいけない,どなたかに譲るべきだ,とも思いました.もちろん,自分を成長させていただいた恩返しとして,大学をさらに発展させていく,という役割もあります.それが出来ないことは非常に心苦しく思いますが,僕の代わりに,僕が関わった249名の学生・卒業生から新たな芽が出ることを期待しています.

でも僕が最終講義で学生へ伝えたかったことは,この3つです.一度きりの人生です.ヨガでも世界一周でも何でもいいんですよ.自分が本当の本当にやりたかったこと,自分の夢を叶えて下さい.







さて,宮古島に帰ってからなにするの?とよく聞かれます.申し訳ございません.正直決まっていません... 気持ちは的には宮古島に貢献したいと思っているのですが,今宮古島にどんな重要課題(イシュー)があって,自分がどの部分に貢献できるのか現段階では分かりません.帰ってからイシューを見つけたいと思います.

幸いにも,フラフラしている僕を雇ってもいいという施設があるので,当面はお世話になろうかと思っています.理事長は,「宮古島のリハビリテーションのためにあんたを雇うよ」,「とりあえず帰ってくれば自ずと課題は見えてくる」とおっしゃってくれました.ホントありがたいです.

また,ADOC-Sを一緒に創った仲間知穂さんと宮古島や沖縄本島で巡回相談を始めようと思っています.どういうカタチで実現するかまだ分かりませんが,これまた幸いなことに僕の小学校の頃の先生にお声掛けいただいているので,このチャンスを何とか活かせればと思います.


リバース・イノベーションってご存知でしょうか? 
リバース・イノベーションとは、新興国市場向けに開発を行った商品を、先進国でも展開し、グローバル市場のシェアを拡大する戦略のことです。これまでのグローカリゼーションが、先進国で製品開発を行い、その商品をマイナーチェンジした廉価版を新興国向けに投入してきたのに対し、リバース・イノベーションでは、新興国市場に合った商品を一から生み出す「イノベーション」を行い、その商品をリバース(逆戻り=逆流)させ、先進国に投入するのです。(引用先

ここにいると書類やらシステムやらにしばられ全然進まない.そう考えると,宮古島のほうが色々とできる可能性を秘めているのです.なので僕は仕事の面でも「あえて」帰ることを選択しました.宮古島からリバース・イノベーションができるよう頑張ります.




あと,今のところ僕にしか出来ない役割は,ADOCの開発です.研究者としての役割は継続します.ADOC-Hの開発もあります.そして今進めているのは,ニュージーランドとの共同研究です.ADOCの欧州バージョンの開発です.2週に1度ほどテレビ電話でやりとりをしています.先方の共同研究者がホントにいい人で,彼の多大な協力もあり,1月から世界各国のOTさんにWebによるアンケート調査を始める予定です.英語が堪能な姫に手伝ってもらっていますが,英語が出来ないのにプロジェクトがこんなに早く進むって,自分でもびっくりしています(笑)このスピード感がたまらないですよね.また,こういう仕事は場所にあまり左右されないので,宮古島でも十分できるかなと思っています.宮古島からグローバルな仕事ができるようになりたいと思っています.







tomori kounosuke.さらなる成長を目指して,次の冒険をしたいと思います.これからも変わらぬご指導,ご支援のほど,よろしくお願いいたします! 最後まで読んで下さりありがとうございました.






2014年12月28日日曜日

初心者のためのレポートの指導方法 & クリニカル・クラークシップ本の書評

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朝食はカレーとスコーンとパンとコーヒーでした.tomoriです.吐きそうです(笑)


さて,昨日は今年最後の仕事として,県士会の臨床実習指導の研修会で,レポート指導を担当させていただきました.具体的な話はできないので... と2度ほど断ったのですが,澤田さんも一緒だしそこをなんとか... ということでお受けしました.

(注)これはあくまで僕個人の意見ですので,所属する大学教育方針とは切り離して読んでいただければと思います.



しかしさすが澤田さん.開始前から自己主張が激しいです(笑)



やはり普段話したことないテーマなので,準備にはわりと時間がかかりました.テーマは,この3つにしました.


まず,そもそも作業療法は社会や文化,心理学的側面から人の健康を促進するという専門領域であり,複雑で曖昧,具体的で人間味があることが特徴です.まぁとにかく複雑っていうことです.


次に,学生時代に僕が尊敬する先生に言われたこと「私とあなたの知識の違いは1%」.そのころは,この人は何を言ってるんだと,真意が理解出来なかったのですが...


よく考えると,こんなコトだったんだなと思いました.学ぶべきことは膨大で果てしなく,その広さに比べたら,自分とあんたの違いなんて無いに等しい,それで1%を理解しているかどうかが大切なんだと言ってくれたんだなぁと気づきました.


作業療法は複雑,そして学ぶべきことも果てしない,となると,学生指導も学生と一緒に悩みながら進めていいんじゃないか,と僕は思っています.そもそも学生が複雑な作業療法を全部できているわけでない(仮に5/10とします).レポートにすると更に半減します(2/10).複雑な事象を文字にすることは誰でも難しいことですし,そう考えるとレポートを介しての指導はそもそも効率があまりよろしくない構造になっていることを理解する必要があると思います.

それよりは,分からないなりにクライエントとどうにか取り組んでいる姿勢,なんとかしたいという情熱,そういったものを学生に見せることで,一緒に考えていいのではないでしょうか.つまり「預かったからには一人前にしなければ!」と気負いせず,学生をパートナーとして一緒に取り組むぐらいの姿勢のほうがうまくいくんじゃないかな.というのが僕の提案でした(今回は実習指導の経験が浅い方が対象だったもので)




つぎにレポート指導による弊害について.CCSの本から転載したデータなんですが,従来型の実習ではストレスも高く,それが特にレポートによるものであること.まぁそれはそうだろうと予測がつきますが,僕が気になったのは,臨床で経験した患者数や,経験した事項が少ないという点です.やはりレポートに追われて,現場でしか学べないことが少なくなるというのは,正直本末転倒ではないかなと思ってしまいます.


レポートによる弊害を,CCSの本から下記の通りまとめてみました.


現在,レポート指導の有無によって学習効果が変わるという報告があるのかは僕も調べてないので分からないのです.でも,過度なレポート指導は良くないだろうと,皆さんご自分の経験からも感覚的に分かっているはずなんで,あまり細部まで見る必要はないのでは?と提案させていただきました.そして弊害を回避するために,下記の提案をさせていただきました.特にレポートは,診療中にスタッフルームで書かせるというくらいなら,出来たところまでよいのでは? と個人的に思っていますし,養成校と相談して対応を決めても良いと思います.


その代わりとして,僕も授業で学生評価に使っているポートフォリを紹介しました.ポートフォリオとはいわゆる紙ばさみのことで,自分が調べたものをファイルしていくものです(本当はもっと深いのですが・・・).レポートという成果物では,結果からマイナスを探す評価になりがちです.ポートフォリオにすることで,日々の学びというプロセスがみれますし,調べたことをどんどん足していくというプラスの評価ができます.頑張っている学生,頑張ってない学生など,成果物では見えない部分も分かったりするので,面白いですよ.オススメです.



レポートの出し方としては,下記の内容を説明いたしました.レポートの具体的な指導方法はあまり話しませんでした(苦 


そして,トップダウンの内容のほうが学生にとっては分かりやすいし,いつもの面接ー観察ー検査の流れを説明したあと,具体的にマネできるモノとして,うちらの事例本を紹介しました.でも事例本って,実習で学生や指導者の負担を減らすというか,楽しく実習を送ってほしい!という願いを込めて書いたものなんで.オススメします.


事例本を座学で教科書として教え,PBLなどでレジメを書く練習をして,臨床実習で事例を通してこれを使って指導する,なんてことがあると非常に効率的じゃないかなぁと思います.僕は身障の評価を教えていますが,今年の3年生には,実際の片麻痺の方にお願いして授業で模擬患者として来ていただき,事例本を教科書として学生をグループで評価させています.この件については,後日詳しく書きますね.

最後の質問で,養成校によって方針が異なるので,指導する側としては同じがいいのだけれども,どう考えますか?という質問がありました.ごもっともですよね.ご迷惑をお掛けしていることを素直にお詫びして,県士会レベルで養成校と臨床実習指導者が集まって,内容をなるべく揃えていくことはどうか?と提案しました.澤田さんは,教員一人ひとりでも意見が違うので,学校レベルで統一するなんでムリじゃね?とか話してましたが(笑),確かにそれもそう(笑) でも,せめて県士会レベルからでも話し合っていいんじゃないかなぁと思います.僕はもうできませんが(笑)

そんな感じの研修会でした.年末なのに90名ほどが参加してくださったようです.ありがとうございました.






最後にクリニカル・クラークシップ本の書評を書かせていただいたので,紹介します.


書評 評者:友利 幸之介 (神奈川県立保健福祉大学 大学院 保健福祉学研究科)
「臨床作業療法」第11巻 5号 2014年(青海社)より転載

人生には幾多の困難がある。療法士であれば,臨床実習がその1 つであると答える人も少なくないだろう。困難は,成長する機会となる。私自身,臨床実習中には胃痛に悩まされたが,今となっては,胃痛よりも感謝の思い出しか思い浮かばない。このような自分自身の成長過程から,口では「自分と同じ苦労を学生に求める必要はない」と言いながらも,「実習の困難は何かしら必要だ」と心の奥底では思い,CCS(クリニカル・クラークシップ)は良いとは思いつつも,一歩踏み込めない自分がいた。

しかし本書を読み,私のCCSの認識は明らかな誤解であることに気づいた。本書を読んで,反省したことが2つある。

まず私は,「臨床実習では多少の困難は必要である」という根性論をベースとした安易な考えで,学生の教育効果を最大限,引き伸ばすための体系化をおろそかにしていた。CCSでは,業務時間中の見学・模倣・実施のプロセスをベースに,学生の経験値を増やし,実用的スキルを高めていくことができる。本書では,CCSの解説やチェックリストはもちろんだが,実際に導入した施設や養成校の具体的な指導内容までもが論述されており,読者には参考になるだろう。

第2に,臨床実習現場で起きている実際の問題について,十分に理解が足りなかったことが挙げられる。臨床実習には,たとえば学生の法的身分,臨床実習指導者の負担,大綱化に伴うカリキュラムの多様化,担当される対象者の不安や不満など,さまざまな問題が複雑に絡み合って生じている。本書では,これらの問題1 つひとつについて丁寧な考察がなされているが,それらをただ指摘して終わるのではなく,具体的な解決方法としてCCSの活用方法や,CCSのメリットなどが論述されている。この点についても,CCSを現場で導入する際の説明材料になりうるだろう。

この書評を読んでみようと思った方は,少なからずCCSに興味があり,そして私と同じような心境の方も少なくないと思われる。もしそうならば,まず本書を手にとってほしい。CCSは決して楽な実習を推奨するものではなく,現代に最適化するために綿密に計画された,効率的な臨床実習形態であることが分かるだろう。



最後まで読んで下さりありがとうございました.


2014年12月3日水曜日

人の生活の数だけ,作業療法の形がある

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OBP研修会では,あんなに沢山の参加者をあおっておいて,ここ3日全く仕事のやる気がでないtomoriです(笑)燃え尽きたかもしれません(笑)



さて,先日というか,だいぶ前ですが,齋藤さんが医学書院の週間医学会新聞でインタビューを受けました.僕は野次馬としてそばで観てましたが,その時の彼の言葉がかっこ良くてね〜(笑) 

僕が好きだったコメントはこちら


――クライエントの主体性を引き出すにはどうしたらよいのでしょうか。

齋藤 これをすればクライエントが変わるという決まった答えはありません。ですが,心や身体,環境などを含めた総合的なリーズニングをきちんと行い,クライエントが目標志向的になれるような目標や課題を設定することが大切だと思います。僕たちの手を離れてからが,本当の意味での生活のスタートです。“やってあげる”支援だけでは,表面的には能力が向上したように見えても,そこに主体性が伴っていないという状態に陥る可能性があります。

――そうなると,自宅や施設に戻った途端,作業をやめてしまう場合もあるのではないですか。

齋藤 その通りです。だからこそ僕たちは,単に退院時能力を目標に支援を行うのではなく,退院後に,クライエントが自らの力で生活をより良く変えていけるような支援を入院中から心掛ける必要があります。つまり,単に最大能力が向上するだけでは不十分で,クライエントが障害のある「新しい身体」で,自分の大切な作業を遂行しながら生活できるという体験や解釈の蓄積が大切だと思っています。

――その体験が,その後の生活での作業の実践につながるわけですね。

齋藤 極端なことを言えば,「先生と一緒に練習しているときよりも,退院してからのほうが良くなったよ」と言われるのが一番うれしいです。逆に,「先生と練習していたときは楽しかった」と言われるのが一番ショックですね。退院後のクライエントの生活を考えるのであれば,「もういなくても大丈夫」と言われることが自分の支援の成果だと思えないといけないのです。

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クライエントに「ありがとう」と言われるのと,「先生と一緒の時が楽しかった」というのは,一応感謝という観点は同じかもしれませんが,依存度の観点では大きく異なります.しかも齋藤さんはショックだと(笑) もういなくても大丈夫と思うことに満足出来る人ってそうそういないと思いますが.それが本当のクライエント中心の支援だと思います.

でもうちの仲間は皆この考えかたです.自己顕示欲が強いわけでもなく,単にクライエントのことを考えて動く... クライエント自分自身で健康になれる,と信じてます.


最後まで読んで下さりありがとうございました.

2014年12月1日月曜日

OBP研修会 in 福岡 2日目〜

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さて,お祭り2日目でーす.tomoriです.

竹林さんがお子さんが薬を間違って4倍量飲んだということで,その処置のため,急きょ当日福岡入りとなり,8時半に空港で捕獲(笑).そのまま10時から講演.



竹林さんの講演は何度目だろう.僕はかなり聞いてるほうだと思いますが,本当に飽きることはありません.それは彼が進化し続ける人だからでしょうね.毎回,新しい一面を見せてくれます.今回もわざわざスライドをキャッチーに作りなおしてくれてました(笑) 内容は,彼はもちろんわからないと思いますが(笑),作業療法で最も有名な仮説というか理想である,Mary Reillyの "Man, through the use of his hands, as they are energized by mind and will, can influence the state of his own health." 「ひとは心と意志に賦活されて両手を使うとき、それによって自身を健康にすることができる」.これは,「私たちが作業療法の創始者たちから引き継いだ遺産としての仮説,そして検証をまぬがれてきた仮説」と言われている永遠のテーマなんですよね.その誰も検証していない仮説について,竹林さんは,まず作業・手・幸福のつながりを,人類発達学や心理学,そして自験によるMALとQOLの相関などを使って説明し,そして,手の使用によって自らどんどん健康になっていく事例,そしてRCTによって現実的に検証するとともに,その治療的メカニズムと支援のコツを,分かりやすく講義してくれました.今回も圧巻だったなぁ.まぁ今回も時間はオーバーしたけど(笑),熱が入っている証拠だと思います.



講演のシメは澤田さん.まず組織論.1日目から5人の話を聞いた参加者の皆さんは,作業のパワーを実感し,何がなんでもやってやろう!とモチベートされたかもしれませんが,澤田さんが,「あなたの仕事は患者さんに作業療法するだけですか?」と問いかけます.OBPを周りや上司が認めてくれないことはよくあることで,それに愚痴を言う前に,どうすれば解決・解消できるのか考えようと訴えます.成果を残さないと周りは聞いてくれませんよ.社会人ならば,現状を変えたいならば,方針は守り,そして成果にこだわりましょうと,超現実的なメッセージでした(笑).その後は,日本型作業療法の発信.特に竹林さんの話の後だったんで,すんなりとこれからの作業療法の方向性も理解できました.澤田さんは夢を語り,つぎつぎ実現していくリアリストです(笑)




最後は,みんなで壇上にあがり,シンポジウム(笑点w)でした.事前にお受けした質問に,各シンポジストが自分なりの答えていくという方式をとりました.こんな感じの質問です.




もちろん打合せはなく(笑),質問だけ演者に事前にみせましたが,「でもこれって講義の中で全部答えてるよね,やる必要ある?」とかみんな言ってたのに,ひとたびマイクを持てば,まぁみんなしゃべるしゃべる(笑) ちなみに僕と竹林さん以外は,前日3時まで飲んでます(笑)



しまいには,前で写真まで撮り始める変なカメラマンもでてきたり(笑)



シンポジウムって,飲み会でのぶっちゃけ話のように,「実際こうだよね〜」とリラックスした感じで,素で思いを語れるのが,個人的に好きなんですよね.あ,みんな二日酔いしてたと思いますが(笑).竹林さんなりの急性期での作業療法,齋藤さんが回復期で大切にしてたこと,上江洲さんの地域での取り組み,仲間さんの面接にかける熱い想い,澤田さんが外出訓練できるまでの道のりなど,リアルな話が聞けました.会場から質問してくださった方もありがとうございました.

最後に西尾さんから,福岡OT実践研究会の紹介がありました.次回は,日本臨床作業療法学会の予演会だそうです.お近くの方はご参加くださいませ.そして,福岡以外でも各地でこのような勉強会が立ち上がり,作業療法の楽しさをどんどんシェアできればいいなと思います.




僕らが伝えたかったのは,OBPは進化し続けているということです.


上江洲さんは言いました.「医学モデルと作業モデルの対立は終わらせましょう」と.それは決して基底還元論に戻るということではなく,医学モデルと作業モデルの進化した融合を意味しています.でも,あの齋藤さんが珍しく「絶対にダメ!」という言葉を使いました.それは「作業療法ではこのツールを使う,ということはダメだと思います.それはクライエントや状況によって柔軟に使い分けたほうがよいと思います」というコメントでした.

結局,目の前のクライエントのために一生懸命努力すべきだ,ということですよね.それを確認した2日間だったのではないでしょうか.

そう考えれば,そう遠くない理想です.理想に向けて,今日からできるスモールステップはなんでしょうか...? 



最後になりましたが,裏方で協力してくれた西尾さん,渡辺さん,生田さんを始め,福岡OT実践研究会のみなさま,本当にありがとうございました.いつも作業療法を応援してくれるボンドさんもありがとうございました.「JAZZのように即興を楽しもうw」としか打合せしなかった演者のみなさま,ありがとうございます(笑)最高の仲間たちです.そしてご参加してくださった皆さま,どうもありがとうございました.


そして,最後まで読んでくださったみなさまも,どうもありがとうございました.




2014年11月30日日曜日

OBP研修会 in 福岡 1日目〜

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やっぱ食べ物は九州ばい。tomoriです。

約二年ぶりのADOC project主催のOBP研修会 in 福岡。ほぼ満席でのスタートです。ありがとうございます。お隣の方にお声かけしたら、関東から学生さんがわざわざ来てくださったみたいで…最後まで熱心に聞かれてました。




さて、今回のテーマは理想と現実をつなぐこと。何が理想で、どう具現化しているのか…



最初は僕から、OBPの概要とエビデンス、そしてチームでのトップダウンアプローチについて説明させていただきました。いまOBPが追い風にあること、我が国でもどんどん進化していくだろうと予測される反面、そのエビデンスはぜい弱である現実、そしてエビデンスを構築するためのポイントについて説明いたしました。その後、作業との連続性が保たれてるOBP実践、ADOCの特徴などについて概説しました。僕の話のほとんどがOBP理想についてで、現実はエビデンスということで。臨床の現実的な話はあとのメンバーにバトンタッチ。


つぎに齋藤さんによるADOCを使った面接とその解説、そしてOBPの実践例です。齋藤さんは、面接で気をつけていることについて、クライエントの参加を促すことや、目標を共有すること、などのいわゆる理想的な面接の話がありました。でも面接は作業の聞き取りではなく、クライエントが自分自身の作業と出会う大切な時間だし、まずは作業のことについて作業療法士に相談できるという信頼関係を作ることのほうが大切である、と。だから初回面接で作業選択ができなくても焦ることはない、という現実的な話も印象的でした。


その次は、上江洲さん。地域でのOBPとチームマネジメント。地域では他職種との協働がかかせませんが、OBPなんて誰も求めていない現状について述べ(笑)、それを彼がどうやって打開してきたのか。組織での根回しや利用者とのやりとり、メディアの使い方など、とてもとてもリアルな話でした。周りはOBPについて理解してくれないけど、でもみんな本当は利用者らしい人生を送るために専門職を目指していて、それを日々の業務で忘れているだけで、OBPはその大切な気持ちを改めて呼び起こすことができ、そうなると仕事が楽しくなる。そんな理想と現実をつなぐお話でした。




そして今日のトリは仲間さん。仲間さんは学校への巡回相談におけるOBPで、発達領域以外の方でも、OBPというのは、障害ではなくその人の大切な作業に焦点を当てるんだ!それによって人は自分自身で健康になっていくんだ!という本質的な部分を感じ取れたのではないでしょうか。理想的な取り組みですし、子どもの変化は全てホントの現実です。ただ学校現場で外部専門家が働くことは本当に大変です。そこの現実的な話は、とても1時間の枠では収まらないので今回は省略ですが、作業療法への情熱と信念を感じる素晴らしいプレゼンでした。



そんなこんなで、初日は終了!
2日目は竹林さんと澤田さんで、最後は、事前質問に対して、演者と参加者全員で考えるというシンポジウムを予定しています。





2014年11月12日水曜日

OBPって大事だってことは分かっている.でも実践何故できないのか? 

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卒論発表会前であくせくしております.tomoriです.


11月15日(土)に,第14回 東海北陸作業療法学会 の教育セミナーに登壇させていただきます.また,11月29-30日は,先日からご案内しておりますが,OBP研修会です.

どちらも,テーマは「作業を基盤とした実践」occupation-based prancete(OBP)です.


OBPって大事だってことはみなさん分かっている.でも実践何故できないのか? そこの悩みが長年解決されずに,永遠のテーマ化しているのですが(笑),いろいろ見聞きして,みなさんの悩みは結局3つに収束されるのかなぁと思っています.

1つ目は,作業って効果あるの? 心身機能が回復する可能性があるのに作業に「逃げる」のはセラピストとしてどうなんだ?というたぐいの疑問.これは近年作業を用いた支援,治療に関する研究が出てきているので,それをを整理することで見えてくると思います.

2つ目は.実際にどうやってやればいいの?ということ.これについては,面接や観察を中心としたトップダウンのアプローチを行うこと.その具体的なツールとしてADOCを紹介させていただきます.

3つ目は,チームでOBPを実践するにはどうすればいいのか? これはまだ明確な答えがあるわけではないですが,周りには実践している人が沢山いますので,今のところその人たちをお手本にしていくことかなと思います.

東海北陸学会では1〜2を中心にお話させていただきます.3つ目はどうしても教員の僕は弱いところなんですよね.でもOBP研修会では,うちら企画なんで1〜3全部がメインです(笑)

お近くでお時間ある方はお立ち寄りのほど,よろしくお願いいたします.

最後まで読んで下さりありがとうございましたーー.





東海北陸作業療法学会の抄録を添付します.

第14回 東海北陸作業療法学会 の教育セミナー
1日目 13:40〜15:10 第1ホール

作業を基盤とした実践

神奈川県立保健福祉大学大学院・NPO法人 ADOC project
友利 幸之介

近年,国内外において作業を基盤とした実践(Occupation-based practice:OBP)に多くの関心が寄せられるようになった.現在,OBPに明確な定義は無く,諸家により様々な意見があるが,共通点としては,「評価や介入は,なるべく実際の作業を通して行うこと」である.OBPは,作業療法が医学モデルに傾倒し,そのアイデンティティにゆらぎがあったことから,作業療法本来の強みである作業に焦点を当て,作業に直接的に評価・介入していこうという流れのなか,拡がりをみせた.
 一方,Polatajkoは,Advancing occupation-based practiceと題した論説において,機能障害の軽減は作業遂行を高めるための適切な介入とした上で,作業の可能化を目標にかかげ,その目標と実践や介入の連続性が保たれているならば,それはOBPと言えるだろう,と述べている.つまり,作業との連続性が明確にあるという前提のもと,作業への間接的な介入もOBPとして認めている.
 では,わが国のOBPはどうだろうか.齋藤は,OBPとは,クライエントが大切な作業に従事することを通して,よりよい作業的存在になるために行われるクライエントと作業療法士の協働であり,その支援内容は,クライエントの状態(発症時期や回復可能性など)によって,柔軟に選択されるべきものである,と述べている.確かに,わが国の作業療法の実状は,医療という枠組みの中で始まったものの,近年では作業療法士が従事する場や対象も多様化し,今後もさらに拡大していくであろう.そうなると,必然的にOBPにも柔軟性が求められる.
 こうした背景を踏まえ,近年,寺岡と京極によって,OBP2.0といった新しい理論も開発された.OBP2.0では,作業遂行機能障害に焦点を当て,その改善のために,信念対立解明アプローチに準拠して,状況と関心に考慮しながら,様々な介入を活用していく.また我々も,作業に焦点を当てた目標設定を,システマティックに行うためのiPadアプリであるAid for Decision-making in Occupation Choice(ADOC)を開発した.わが国のOBPは,先人の思想を受け継ぎつつ,「その時代の」日本にあわせた形で解釈され,進化し続けている.もちろんこの柔軟的な進化は,作業との関連性が希薄な実践の免罪符になってはいけない.つまり「なんでもあり」という訳ではない.また,実証的根拠なしに信念だけが先行してもいけない.本講義では,これまでのOBPの歴史を概観した上で,OBPに関する新しい知見を交えながら,OBPを具体的に実践するためのポイントについて概説する.



2014年11月9日日曜日

目的は「楽しく作業療法すること!」

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昨日,琉球OTさんと電話してて,「早く日本臨床作業療法学会のシンポジウムの内容を決めろ」と言っていたら,「あんたが自分にまかせてくれと言ったろ」と叱られました(笑).しかも,このやりとり自体が3回目らしいんです(笑) tomoriです.そういえば,先週竹林さんにも,「MMSEとるか? これ聞かれるの4回目だけど」と言われました.みなさん,悪気はないので患者さんと思って接して下さい.


さて,僕の講演を聞きにくださった方は目にしたことがあると思います.僕は必ず最初にこのスライドからスタートします.それは僕たちADOC projectのWhyです.

僕たちの活動目的は,「みんなが楽しくOTをすること」です.そのための手段としてOBPやtop-downがあり,具体的なツールや方法として,ADOCなどのアプリの開発,書籍,学会や研修会,そして研究があります.つまり僕たちがやってることの全ては,クライエントや作業療法士が楽しく作業療法をすることにつながっているわけです.




先日,小樽臨床作業療法研究会で,トップダウンの作業療法についてお話させていただきました.僕の前は竹林さんという,なんとも居心地悪い感じでしたが(笑)

講演後に,「2月の日本臨床作業療法学会に参加し,OBPを導入してから,職場の雰囲気がめっちゃ変わりました.スタッフは担当外にも興味を持つようになり,職場に笑い声が飛び交い,うるさくなりました(笑).あの日から変わりました」と伺いました.これは上記の通り,「楽しくOTする」ために活動している僕にとっては,何よりも嬉しかったです.これですよね.僕らの活動の目的は.

いつまでもWhyを見失うことなく,学会やツールを通して,OBPやトップダウンをすることで,OTはもっともっと楽しくなるぞ〜,という流れを,これからも支援することができればと思います.

また,日本臨床作業療法学会とのからみかどうか明確ではないですが,臨床作業療法というネーミングで,沖縄,京都,小樽と,各地で作業を大切にしようという勉強会が立ち上がってきてるらしく,とっても嬉しく思います.ぜひ勉強会を立ち上げようと思っている方はご連絡ください.



そうそう.先日,第2回 日本臨床作業療法学会 の演題登録も締め切りました.多数のご応募ありがとうございました.

1回目も上記の通り,作業療法を楽しくするきっかけを作れたかなと思いますが,2回目は1回目以上に楽しくなると思います(笑) なるべく早めに査読結果と発表日時をお知らせしたいと思っています.今回演題登録された方は基本的に参加できます.

また,今回学会発表はしないけれども学会には参加したいという方への一般募集も,近日中に開始されます.ぜひ作業療法の楽しさを共有しましょう.回復期以外は,各セクション数名の空きになっています.基本的に早い者勝ちですので,ホムペをこまめにチェックしてくださいね.

では最後まで読んで下さりありがとうございました.

2014年10月12日日曜日

トロント4日目

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初めてチップというものを払いました(笑)tomoriです。

さてACRMも最終日です。一度やってみたかったのが、トロントのオフィス街をデカいコーヒー持ちながら颯爽と歩くこと(笑)ちゃんとTimHortonでやりましたよ(笑)



さて、なぜ発表が終わって2日も残ってるかというと、決して遊びたかったからではなく(笑)、最後の最後で目標設定のレクチャーがあったからです。講師は、1年前から楽しみにしてた新書 Rehabilitation goal setting: Theory, practice and evidenceの編者で、NZのSiegertと、Levackほか、2名です。

彼らは心理学者などで、つまりPTOTSTではないのですが、コクランでリハの目標設定のレビューもしていて、おそらくリハの目標設定では、世界的に最強のラボだと思います(てか他にやってる人があまりいないw)

講義は一昨日聞いた講義よりはだいぶ良くて(笑)、①目標設定のメタアナリシスから始まり、②目標設定の理論、③実践で気をつけること(SMARTならぬMEARNING)、④失語症患者への目標設定(絵カードを使った)、⑤事例に当てはめると?といった構成でした。もちろん、半分も理解できませんでしたが(苦笑)、同じテーマで研究している身としては、特にエビデンスのところはエキサイティングな内容でした。

理論や具体的な実践について、SDMの原則に基づくべきだとか、MEANINGなど目標設定時の注意点が沢山挙げられていて、確かに納得できる内容でしたが、リアルな臨床場面でそんなこといちいち覚えて注意してできるわけがないです。その辺の解決の糸口がADOCだと確信しています。

レクチャーが終わった後、Siegertに、「本すでに買いましたよ。とても興味深いですね」と言って近づき、「うちらも目標設定におけるSDMを促進するためのアプリを作ってるだが、ちょっとだけ紹介させてもらえないか?」と聞くと、「Of corse, Sure, Sure」ということで、ADOCのデモをしました。

もちろん絶賛でした(笑)てか、こんなんあったんだという感じで、はとまめっぽい様子でした(笑)

僕は言いたいことをその場で英語にすることはできないので、午前中に彼に伝えたい内容を英語でまとめて繰り返し練習しててました(笑)で、ここぞとばかりに「僕は目標設定の重要性を、このアプリを通して広めていきたい。しかしADOCの項目とイラストは東洋文化に基づいている。西洋文化で使うためには、文化間で妥当性の検証が必要だ。そこでおたくのラボと共同研究をすることはできないだろうか?あなたの世界中のネットワークを使って、妥当性の検証をする可能性はあるか?」と尋ねたところ、「OKOK!! ぜひメールくれ」とのことだった。

そしたら、メタアナリシスをしてたLevackが近づいてきて「もしかしてポスター発表してたよね?見た見た」と僕らのRCTに興味津々で、説明したら、「コクランのレビュー時期が昨年?だったから、次の改定ではちゃんと入れるよ」言ってくれました。

RCT、ADOC、COPMとかについてディスカッションして、「ニュージーランド(多分学会)に来たらいいのに?」みたいなことを言ってて、Siegertが「彼は共同研究したいと言ってるよ」と言ってくれたんで、Levackは「PhD持ってるなら学費安いし、交換留学もやってるし、おたくの学生さんをよこしてもらって、一緒にスーパーバイズするのがベストな方法かもしれん」とか言ってくれました。「僕が行きたいよ」と言うと、「マジ?それは良いね!」と盛り上がりました(笑)そのあと、「Sirgertが気にしているのは多分研究費だ。研究するには研究費がいるよ」みたいなことを言ってました。

最後に写真を撮り、メールすることを約束して別れました。別れ際に、失語症への目標設定を話してくれた演者の方が、「君に内省させられたよ」みたいなことを言ってました。



そんなこんなで、今回の学会のミッションはひとまず達成。これからメールのやり取りで、共同研究の可能性を探ってみたいと思います。

その前に、とにもかくにも英語ですね。もう苦手やからと言い訳していられる状況じゃないのは分かってるんですが、なかなか難しいですよね…とYelpで点数が高いビール屋さんで、一人で打ち上げしながら反省してました。


お店は確かに良かったです。店員さんにオススメを聞いたら張り切って持ってきてくれたビール。風味甘み苦味キレがうまく混ざってて、おそらくアルコール高め(笑)最高です。フライドポテトも、お世辞抜きにポテトマニアな僕が今までに食べた中でも一番美味しかったです(笑)サーモンも甘かったー。

しかしトロント来て良かったな。

ではでは、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。






2014年10月10日金曜日

トロント2日目〜

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学会場でタカシくんと待ち合わせしてたんですが、挨拶を交わす前に、「ほれっ」とプラスチック製のスプーンを渡されました。tomoriです。ま、またカレーを食べろということかな…(笑)



さてトロントも二日目です。6時を回っても夜が明けないので、真っ暗なビル街を散歩しながら、カフェへ。カプチーノで気合を入れる。wonderful!とお世辞を言って(笑)、いざ会場へ。





その後会場へ。タケシくんたちと合流。ポスターを貼る。二人ともムダにテンション高めです(笑)


その後、コーヒー飲みながら談笑というか、同じ神奈川にいるのになかなか会えない姫と、投稿前の論文の打ち合わせ(笑)

この学会は、もはや学術大会とは呼べないくらいにずーっとレクチャーがあっていて、その一つの、translating research into person centered practice in rehab. というのに参加。タカシくんは開始3分くらい耐えきれなくて退場(笑)OTさんが仕切ってて、カナダならではのテーマだなと思いましたが、内容的には、んんん…みたいな。結局、具体的にどうするのか、アウトカムもないし。クライエント中心は良い!と言っても、引用している文献はいつもの通り偉い人の個人的意見か質的研究っぽかったし。ぼちぼちちゃんとした研究デザインでやらないと?とフロアから質問があっても、「クライエントに話を聞くのよ」の一点張りで…  まぁ英語にはついていけませんでしたが、それでもどこがtranslatingなんやねん!という内容でした(笑)ADOCあるよーん、RCTやってるよーん、とアピールしたかったんですが、次の約束のため会場を後にしました。


ビル街を三人で颯爽と移動し、いざトロント大学へ。キャンパス間違って遅刻しそうになり焦る(笑)



案内してくれたのは、WFOTの時にimaiくんたちが仲良くなったOTの教員さん。カナダの臨床について教えてもらいました。カナダのOTはみんなCOPMを使ってるの?という質問をしてみましたが、海外のOTのほうがちゃんと使ってんじゃないかな(笑)とカナディアンジョーク?で返されました(笑)CMOP-Eなどはみんなに教えてるので、理論は知ってるし、occupation-based。根底はしっかりしてるけど、ツールとしてCOPMは使ったないかもとのこと。リーズニングは異なるかもしれんけど、「やってること自体」は日本と大差ないのかなぁという感じを受けました。

この間、アメリカで働いていた日本人のOTさんからお話を伺った時も、そんな印象でした。本人もそう言ってたし。ただ、作業科学や理論の知識の有無の違いが、将来的に臨床実践に差が出てくるのか、あるいは出てこないのかは、個人的に非常に楽しみです。僕はそこまで出ないと思ってますが(笑)

平均値で比較をすれば、修士以上のアメリカやカナダとくらべて、養成校が乱立してる日本は劣るかもしれませんが、あくまで平均値の話で、上位クラスのOTは、海外でもちゃんと通用するレベルじゃないかなと僕は思ってます。

でもそれは、日本の世界一のヘルスケアシステムの助けや、医療職の自己犠牲(安月給、残業など)も伴ってのことなんですよね。だから理論武装も大切なんですが、それと同時にマネジメントなどの実務的なところをもっともっと改善していかんばし、カリキュラムにも積極的に入れていかんばやろ、と、僕は思ってます。



話それましたが、もちろんADOCとADOC-Sを紹介して、褒められました(笑)また、CMOPからCMOP-Eになったんだけど、performanceとengageの違いはちゃんと教えているのか?と質問されて、一応、なぜその作業なのかを聞いてから、何の作業をどのようにして行くかを決めていると説明しました。出来ると関わるは区別する流れになってますね。賛成です。

その後、施設を案内してもらいました。ハード面は日本の勝ちやね(笑)ただソフト面では見習うことが多そうでしたね。まず実習が国際的(笑)つまり国外にも行くし(笑)、実習のみを仕切ってるOTとかも(常勤に近いパート)が沢山いて、その他ごくごくパートのOTが400名いるとか(笑)日本ではあり得ないですよね。

http://www.ot.utoronto.ca/faculty/index.asp


狭い廊下に1930年代からのすべての卒業生の写真が貼ってあって、やはりOTになることが名誉なこととして扱われているなと思いました。






その後、フードコードでハンバーガーを食べ(カレーにしときゃよかった)、まさかの1730からのポスター発表。同時にレセプション的なものがあったし、誰も来ないかなぁと思ったら、プレゼンターもみんな、ワインやビール片手にディスカッション、みたいな(笑)ぜひ日本臨床作業療法学会でも取り入れて欲しいシステムでした(笑)まぁ一番賑わってたのはドリンクコーナーだったそうですが(笑)

ポスターには、MDやOT、PTさんとかが来てくれました。特にOTさんは興味を示してくれました。UKのOTさんは、日本のOTは何やってるんかミステリアスだから知りたいんだ!と迫ってきて(笑)、研究に関係ない話を延々としたあげく、なんか研究の話じゃなくてごめんねーと去って行きました(笑)ほぼ喋れないけどディスカッションは楽しかったです。今回は証拠写真ありです(笑)



さて90分の発表も終わり、タカシくんたちと高級ステーキを食べに(笑)ランチの時間が遅かったので、小さいのをチョイス。写真はまずそうやけど、めっちゃ美味しかったです(笑)ワインも。



特に焼き方が最高。外はカリっカリ、中身はレア。肉もへんに霜降りではなく、しっかりと肉の味もあるけどソースなしのほうが美味しいくらい臭くはない、みたいな。まぁプレート熱いから触るなよと言われた1分後に触って、いま触るなって言ってたじゃないですか、と突っ込まれたのはもちろん僕です(笑)


いやー、時差ぼけで目が血走ってて、会話は頭を120%使ってもついていけないくらいなんで、めっちゃ疲れます。昨日は2日分働いたので、今日はオフにしたいと思います(笑)今、夜中の3時半ですが(笑)


さて、最後まで読んでくださりありがとうございました。明日はブログもお休みです(笑)


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