2011年6月29日水曜日

ADOCが日経に掲載されました!

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暑さにめっきり弱い沖縄人.tomoriです.
節電なんて言ってらんねーよ,と言いたいところですが,がんばります.

さて,6月25日の日経新聞(九州沖縄版),6月29日の日経産業新聞にADOCが少しだけ紹介されました.

「エードックは作業療法士と患者の円滑なコミュニケーションを支援する」という文言はOKですが,
「できるようになりたい作業を選ぶと,目標設定に向けた訓練の内容などをPDF文書で読める」というのは
ちょっと微妙かな.作業療法士が記入すれば読めますが,もちろん自動的にプランは出てきません.
あと「ダウンロードできる」,「月内に発売」というのは間違いで,もうしばらくお待ちください.

しかし機能回復,という言葉は皆さん好きですね.
全体の文章の流れ的におかしいと思うけど(笑) 希望回復ならまだいいです.

それはともかく,写真が意外にインパクトあるので,結構多くの方の目に留まったかな.
撮影してくれたのは琉球OTさんです.写真家デビューも近いのでは?(笑)

患者さんのほうから,新聞でADOCって見たけどできないの? 
なんて話になると面白いですね(笑)


うるま市のレキサス、スマートフォン向けアプリ強化
http://s.nikkei.com/jrUaF4







2011年6月28日火曜日

できることではなく,やりたいことをやりなさい

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今日,嫁にも娘にも八つ当たりされました.tomoriです.
後で,良く耐えた,とかみさんにほめられました.



「できることではなく,やりたいことをやりなさい」

僕はこの類いの言葉が好きです.
でもやりたくないことができない人に言ってはいけません.
やりたくないことができないと,やりたいことなんてできません.
やりたくないことも,やりたいことのためにちゃんとできる人だけが,
本当にやりたいことをすることができます.

「こんなこと自分のやりたいことじゃない」
「やりたいことをやれば自分はもっと力を発揮することができるのに…」
当然です.誰でもできますw


やりたくないことをやってる時に,
いかに安定した高いパフォーマンスを維持するかが重要です.
それがやりたいことができるようになった時の爆発力を生むことでしょう.
それがやりたいことができるようになった時に信頼を得ることでしょう.
やりたくないことをやっている間にどう過ごすかが一番大事です.



「できることではなく,やりたいことをやりなさい」

今日学生に言ったら
「じゃ先生の課題やらなくていいですか」と言われましたがw
その学生ならきっとやりたいことができると信じています.

ADOC祭り in 埼玉

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「ADOCって誰が開発したのを翻訳したのですか?」と聞かれました.tomoriです.
ADOCは純国産です.

さて,埼玉学会は熱かったです.
もはや祭りだ,ADOC祭りだ! という声もあるくらい.


侍さんも詳細をブログで説明しています.
ナヴェックスさん.金曜日に高熱出してたのに,土曜日に意地で山口から来てくれました.


9つのポスター発表で,3セクションに分かれていました.
それぞれ1時間待機の指定なんですが,
1時間で帰れず,3セクションとも2時間途切れることなくどなたか来てくださり,
しかも発表ではないメンバーも対応しないと間に合わなかったという盛況ぶりでした.
そのブースだけ明らかに室温が高かったとのこと.


うれしかったのが,事例報告のブースに,僕ら以上にたくさん来てくれたことですね.
それはかなりうれしいことでした.
来年は僕の知らないところでADOCを使った発表があるといいなと期待しています.


その後,来れるメンバーが集合して飲み会です.16名くらい.
僕以外は結構皆初対面なのに,乾杯前から大にぎわい(笑)
ナヴェックスさんのお友達のAさん,
浦安市の夢のみずうみ村のYさんも開所式が翌日なのに来てくれました.
終了15分前は,北里大の天才なのに謙虚な女子Nさんも参戦.

オトーリを少しやって,
福島のNさんの結婚お祝いケーキをサプライズで用意.
ちょうど震災で,ちゃんとお祝ができなかったと侍さん.
少し泣いてしまった.


その後,カラオケに移動.
昔から音痴で有名なゲジゲジくんの「GOLDFINGER 99」を聞いたり,
鳥取出身のHくんの沖縄人より熱い「島んちゅぬ宝」を皆で大合唱したりしました.
僕は卒業生のIさんと一緒に「A・RA・SHI」を踊りました.

3次会では作業療法についてしっとりと熱く語り,
締めのラーメンに行く人もいたが,胃の弱い僕は帰った.
気づけば2時.どちらかと言えば起床の時間だ.


とても楽しい祭りでした.

このメンバーと一緒に,
ADOC project はもっともっと面白い展開をしていきます.
乞うご期待!

あ,とりあえずADOCは7月中配信予定です.
のびのびですみません….

2011年6月19日日曜日

活動分析・環境適応 と ADOC

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今日渾身のお好み焼きが焼けました.tomoriです.
もうOTやめてお好み焼き屋さんでも開こうかと思うくらい美味しかったです.

さて,先日ボバースについての記事を書きました.
今日はそれに関連して活動分析や環境適応について書こうと思います.


実習から帰ってきた学生から必ず聞くのが,
「動作分析ができないと指導者に言われた」.
「もっと動作分析の内容を授業に盛り込んでほしい」などのコメント.

例えばどんな動作の分析なの?と聞くと
寝返りです.起き上がりです.座位姿勢です…

君はPTで実習してきたんかい(笑)とは言いませんよ.
その患者さんはどうやったの? まねしてみて と聞きます.

でも心の中では,その動作分析の前に,
そもそも何の動作を分析するのか,その動作の選択は正しいのか?
と思うことはあります.



活動分析にも同じことが言えるのかなと思います.

僕はこの人・作業・環境モデルが好きです.
その3つが重なるところ,作業遂行こそ作業療法がターゲットにする部分だと思いますし,
この3つの円が同じ大きさというところも好きです.人も作業も環境も同じ配分で見ましょうよと,訴えているような感じが好きです.


この間,順天堂大学のOTの先生方とも話したのですが,
僕の活動分析に対するイメージ図はこうです.

なぜなら,活動分析では,
その活動には通常このような特徴があります.
この活動を一般的に1,2,3の手順で行われます.
これを実現するために症例ではこのような戦略で介入しました.
という説明は良く聞きます.
でもその活動を行う本人にとってどのような意味や価値があって行うことになったのか,
といった説明は少ないように思います.
活動を分析する学問だからそうなんです!と言われればそれまでですが.

人が行う作業を分析しているわけだから「人」は入っているだろう
という意見もあるかもしれません.
でも「人」の身体機能の部分だけ大きいような気がします.
人は 骨と筋の集合体ではない という侍さんの言葉を思い出します.
なぜその活動をするのか,という意味が必要です.


あと,よく勘違いされがちですが,
作業療法は「作業ができるようになること」が目的ではありません.
僕は「CLにとって意味がある作業ができるようになること」でもないと思っています.
僕が考える作業療法の目的は,
CLにとって意味がある作業ができることを通して「CLらしい人生を歩むこと」
だと思っています.
主眼は「CLらしい人生を歩むこと」にあって
「意味がある作業ができること」はそれを達成するための手段である,という考え方です.
だから「活動ができること」が目的にはならないと思います.
だって僕たちでも「着替えができること」や「歯磨きができること」が今年の目標にならないでしょう.
特に真新しいことを言ってるつもりはないのですが…


僕は活動分析を批判しているつもりは毛頭ないです.
活動を分析する能力は作業療法士にとって必要不可欠です.
CLにとって意味のある活動を同定しても,それを分析・解決する能力がなければ意味がありません.
要は,分析する活動が,本人にとって意味のあるものでCLらしい人生を歩むためのものであればいいわけです.

僕たちは,そのためにADOCを開発しました.
特別な理論を必要としなくとも,iPadの直感的な操作によって,
面接の経験が少ない方でもいろいろな作業ニーズを聞き出すことができないかなと思っています.

僕は活動分析や環境適応などよく分かりませんが,
ADOCがお役に立てることもあるかと感じています.

もしご意見やご指摘などあればコメントお願いします.

2011年6月13日月曜日

埼玉学会 9演題 エントリー

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夢は車で日本一周の運転嫌いなtomoriです.

さて,埼玉学会も近づいてきました.
ADOCは臨床の共同研究者にご協力いただき9演題もエントリーがあります.

「対象者にとって意味のある作業を実現したい」という願いや情熱は,おそらく作業療法士なら誰もが持っていると思います.しかしその一方で,「いざ実践するのは難しい...」,あるいは実践していても「本当にこれで良いのだろうか...」といった悩みも抱えているのではないでしょうか.

私たちはその悩みをどうすれば解決できるのか考えてきました.対象者は自分が本当にやりたい作業に気づいた時,どうにかできるようにと努力します.また作業療法士も作業を実現できる手段を沢山もっています.したがって,まず解決すべき課題は対象者にとって意味のある作業を発掘して,対象者と作業療法士で共有することではないかと考えました.そこで海外にある評価法をベースに,作業選択意思決定支援ソフト(Aid for Decision-making in Occupation Choice; ADOC)というiPad(Apple)アプリを開発しました.

ADOCにはiPadが必要ですが,難しい理論も分厚いマニュアルも必要ありません.多くの作業療法士に使ってもらえるように設計されています.具体的には,iPadの画面にディスプレイされた日常生活上の作業場面のイラストを,ゲームをするように指で選んでいくだけで,対象者にとって意味のある作業を選択することが可能です.この評価プロセスはアプリとイラストによってゆるくフレーム化されており,そのゆるいフレームをきっかけに,対象者が大切にしている作業の背後にある沢山の物語を聞くことができます.加えて,作業療法士が対象者にとって必要な作業を選び,提案できるプロセスもありますので,対象者と作業療法士が「同じ立場で」話し合うことができます.

 学会では、ADOC開発に伴う信頼性や妥当性の検証,臨床での実際の活用事例についてご紹介します.

 作業療法のジレンマ解決にむけた有意義なディスカッションができれば幸いです.


以下,埼玉学会のエントリーです(ほとんどは土曜日です)


齋藤佑樹 他 太田熱海病院(福島県)
内に秘めた輝きを再び
-失語症事例との意味ある作業の共有,ADOC(作業選択意思決定支援ソフト)の紹介-
6/24(金) 14-15時 研修室906

原田伸吾 他 ごきげんリハビリクリニック(沖縄県)
発症後16年の生活史に埋もれていた意味ある作業を発掘した事例
-ADOCの試用経験から-
6/25(土) 11-12時 研修室903・904・905

瀬下義正 他 デイケアさくら(北海道)
作業選択意思決定支援ソフト(ADOC)満足度の妥当性の検証
6/25(土) 11-12時 研修室903・904・905

長山洋史 他 北里大学(神奈川県)
作業選択意思決定支援ソフト(ADOC)の内容妥当性の検討.
一般社団法人神奈川県作業療法士会平成22年度研究助成事業
6/25(土) 11-12時 研修室903・904・905

友利幸之介 他 神奈川県立保健福祉大学
作業選択意思決定支援ソフト(ADOC)の信頼性と妥当性
6/25(土) 11-12時 研修室906

田中裕子 他 ごきげんリハビリクリニック(沖縄県)
離床が目標だった重度用介護者が意味のある作業を語るまでのプロセス
-ADOCの使用経験から-
6/25(土) 14-15時 研修室903・904・905

村上典子 他 豊見城中央病院(沖縄県)
急性期作業療法における意味のある作業の実践
-作業選択意思決定支援ソフト(ADOC)の試用経験から-
6/25(土) 14-15時 研修室903・904・905

金城正太 他 釧路脳神経外科デイケアセンター(北海道)
作業選択意思決定支援ソフト(ADOC)の臨床有用性の検討
6/25(土) 14-15時 研修室906

上江洲聖 他 那覇市安謝複合施設(沖縄県)
作業選択意思決定支援ソフト(ADOC)の表面妥当性の検証
6/25(土) 14-15時 研修室906

2011年6月4日土曜日

ボバースへの誤解

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新しい眼鏡を買いました.tomoriです.
多分9年ぶりです.また999.9で買いました.
掛け心地がいいんですよね.



さて,今年は臨床の作業療法士と目標設定についてたくさん話しをしたいと思っています.
今回はブログで知り合ったtinkableさんの所属する
ボバースで有名な順天堂医院に行って参りました.

急性期だし,ボバースだし,作業療法らしい目標設定に悩むことはないかなと思っていましたが,
むしろその逆で,ボバースをちゃんと勉強しているOTは,昔から受けている批判を理解した上で,
意味のある作業ができるようになるためには何でもやる的な,泥臭い面も沢山ある,迷いのないOTらしいOTでした.

ボバースの勝手なイメージは,
上肢機能とかの向上を目的に,訓練室で機能訓練や基本動作の練習がメインで,
たまに訓練室で模擬的にトイレ動作に似た練習をするのかな,という印象でした.

でも真逆で,COPMやGASを使いながら目標を設定し,
急性期だから機能訓練はしっかりするけども,それと平行して病棟でも訓練する.
看護師と緊密に連携しながら,チームアプローチを実践していました.
誤解してて,ごめんなさい.

「ボバースは昔からクライエント中心の考え方です」
「OTのアイデンティティーで悩むことは無いです.OTの役割は意味のある作業を実現することですから」
「PTのトップからは、OTがリーダーになって、患者さんの24時間をマネージ出来ないとダメだと言われている。
だから病棟をよく循環してるし、実際的に訓練をするし、看護師さんとよく話すし、一緒に介助方法を模索する」

とのことでした.

Bobath Conceptにもそう書かれています.

The Bobath Concept has always stressed the individual nature of each person's problems, and this is strongly linked to specific goal setting for patients (IBITA 2004). The relevance of organising therapy around the individual was stressed as early as 1977 by Berta Bobath. When considering the selection of outcome measure, the Bobath therapist needs to identify what is relevant and meaningful in conjunction with the individual whom they are treating.(P64) 


ボバースコンセプトは,常に個々人の問題の個別的な本質に重きをおいており,それは患者の特定な目標設定に強く関連している.個人の周りでセラピーを組織化することの妥当性は,ベルタ・ボバースによって1977年という早い時期に強調されていた.アウトカム選択を考える時,ボバースセラピストは,治療をする個人にとって何が適切で意味があることなのか,特定する必要がある.


そう考えると,
PT,OT,それ以外の医療職でも,
患者さん本人にとってrelevant(適切,意義のある)でmeaningful(意味のある)な
目標設定が大事であることは共通であるような気がします.

患者さんにとって意味のある作業が目標であれば,
ボバースも,活動分析も,福祉用具も,住宅改修も,手工芸も…
「手段のひとつ」として使いこなせると思います.


「私たちは異常パターンを抑制、正常運動の促通、とかじゃ無くて、
患者さん主体の目標を達成するために一番の近道を選択する.代償的手段や自助具も使う。」

という作業療法士の言葉が印象的でした.

また書きたいと思います.

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