2013年10月16日水曜日

なんか理想的な発達作業療法を見せてもらいました。

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大きい子供 tomori です.

さて,昨日はちびっ子OTさんと元ゼミ生を引き連れて,岐阜の熱血OT,Y先生の臨床を見学させていただきました.Y先生は激アツの勉強会もされています.まぁ大きな子ども四人が岐阜に集結した、みたいな感じですかね(笑)

Y先生のいらっしゃる岐阜の西濃地区では,行政,教育,専門家が一丸となって子供を支援するシステムを作ってます。通常,行政はお役所仕事,教育は超保守的,専門家は縦割り社会,なので,この3つが有機的に連携することなど滅多に無いといっても過言ではありません。しかし西濃地区では,西濃圏域連携協議会をベースに強固な連携が取れており,作業療法士も教育現場から信頼され,呼ばれすぎて逆に困っているという状況のようでした.確かに午前中は、保育士、保健師、役所の方が着てました。

また今度できる施設でADOC-Sを導入したいということもあり、少しその辺で意見交換もさせて頂きました。


また当日は,Y先生の綿密なコーディネートで,

1) ちびっ子OTさんが教員や保護者にADOC-Sで面接し,目標設定をする.
2) 直後にそのお子さんへ感覚統合のようなアスレチックを使った遊びの介入を,保育士さんや支援員さんがメインで行う
3) 介入時の振り返りと今後の生活についての検討


という,夢のようなコラボを何と午前午後と2回も堪能させていただきました.細かい内容は書けませんが,僕が感じたことを3つのポイントに絞ってみたいと思います.



1) 目標は子供の作業に設定し,それを何度も何度も確認する

午前は保育士さんと加配の先生をクライエントとして,午後は保護者をクライエントにして,クライエントがその子の将来のために届けたい保育や関わりとは何か?ということを,ADOC-Sで整理,言語化,共有しました.言葉が遅れている,という場合には,そのことで生活上どんなことが気になるのかと子供にどうなって欲しいのか?と作業に焦点を当てていきます.リフレーミングの手法を使って。そして,ちびっ子さんは,面接中に目標について何度も何度も確認してました.そもそも,子供の対応に日々忙しいため,何か将来の目標を立てて,それに向かって取り組むという経験がかなり少ないようです.なので,目標という概念が持ちにくいそうです.成人の中途障害とかだと,前に経験したことがある作業があって,何となくそこを目指すという感じですが,子供の場合には未経験,見えない将来を想像し,創造していくというプロセスです.よって目標は何度も何度も確認する必要があるとのことでした.



2) ニュートラルな観察

いつも思うのですが,デキる臨床家って観察力が半端ないですよね.それには先入観を抜くことが大切です.例えば,言葉が出てきにくいというお子さんでもハイタッチならできた,というと簡単に聞こえますが,だいたいは言葉が出にくいということに着目しているので,ハイタッチができることを見逃しています.友達と交われない,という視点で観ていると,でも教室からは出ていかなかったよねという事実や,友達を心配そうに見つめる目などを見逃していまいます.クライエントにポジティブな見方をして欲しいと思って、ただただポジティブな言葉を並べても、不安が強い保護者や先生には届きません。ましてや心理検査の結果など、正常か異常かの視点を強めるばかりです。そういう意味でも観察は大切だと思います。


3) 健康になるのはクライエント本人

僕らの仲間にホントに共通しているのは,セラピスト「治す」よりもクライエントが「治る」なんですよね.もちろん専門職を放棄しているわけではありません.頭を最大限に活用させ,様々なことをやります.でもあくまで黒子なんですね.本人が自分で健康になったと思わせるような関わりをするんですね.昨日で言えば,巡回相談では支援員さんがクライエントで,支援員さんができるようになることが目標です.ADOC-Sで目標設定後の遊びのセッションは,支援員さんたちが企画したものをやるのですが,最初子供がなかなか参加してくれませんでした.そこでY先生が入って,場が一気に変化し,子どもも楽しそうに様々な遊びにチャレンジしていました.で,最後の振り返りで,Y先生は支援員さんにお詫びしていました.「今日は一つお詫びしなければいけません.皆さんの企画したセッションを乗っ取ってしまい申し訳ございませんでした.最近は上手くいかないのも経験と思ってなるべく入らないようにしているのですが,今日はADOC-Sで目標を共有して,自分でやりたくなってしまったんです.あはは。すみせん」 みたいなコメントをされてました。支援員さんに過度な失敗体験はさせず、でも依存関係にはならず…なかなか出来ないコメントだなぁと思いました。支援員さんたちの目は真剣そのもので、もっと頑張らねば、という表情でした。



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まぁいつも喋ってるようなトップダウンの内容になってしまいました。しかし僕もそろそろ頭が固くなってきた証拠ですね(笑)何か新たな体験が必要なのかもしれません。




おまけですが、夕飯は念願の洋食OKADAに連れてって頂きました。ホムペかっこいいので、ぜひぜひ見てください。

フレンチを安く腹いっぱい食べさせる、という信念があるそうです(笑) 初日はメニューにないカツカレーめちゃくちゃ美味かったです。しかし残念なことに、その後まさかの体調不良で、もともと二日行く予定で、みんなは赤字メニューというA5ランクの飛騨牛のステーキ丼を笑顔で食ってる隣で、オムライスでした…いやオムライスも美味しかったですよ…はぁ。

最後まで読んでくださりありがとうございました。










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