「パパのチャーハンはパラパラすぎて食べにくい.ママのベチャベチャチャーハンが食べたい」と娘に言われました.tomoriです.チャーハン道を志してかれこれ数年余.いよいよ極みに近づいてきました(笑)
さて,今週〜来週にかけて,週末連泊で各地を回る予定です.ちょっとバタバタしていますが,なんとか頑張りたいと思います.
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講演活動で,最近悩みというかジレンマがあります.依頼があるときには「うちの地域ではトップダウンやOBPとかは全然なんです.トップダウンやOBPを自分の地域でも広めてください」と大抵要望されます.その背景には,いわゆる機能訓練中心の作業療法が行われていると推察されます.
ただ僕というか僕らは,トップダウン原理主義でも舶来崇拝でもありません.意味や目的のある機能訓練は肯定しています.以下,事例本の引用.
作業療法の専門領域の範囲を問う上で問題にすべき機能訓練とは,明確な目的がなく,回復可能性の根拠を持たない身体への介入や,単にクライエントの機能回復に対する想いばかりを強めながら,作業遂行に肯定的な変化をもたらさない介入のことであり,機能訓練自体が問題なのではない.
僕はいつもこのスタンスなんですが,逆にトップダウンやOBPのメッセージが中途半端になることもあると思っています.
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ここからは私見です.おそらく機能訓練をしている作業療法士さんの多くは,「自分はちゃんと目的を持って機能訓練をやっている」と思っています.そしてこれもおそらくですが,その「目的」自体が本来の「目的」と異なっていることが多いし,セラピストが一方的に立てた目的になっていることが多いとも感じています.
例えば,回復期リハ病棟にて.PTさんもがっつり入っているのに,OTさんが特に生活場面を評価することもなく,どの作業につながっているかも不明確なままPTさんと同じような徒手的訓練をしている場合.もしくは,OTは高次脳!といって,クライエントの生活にどんな影響が生じているか把握せず,単にパズルなどの認知機能訓練をしたりする場合など.枚挙にいとまがないですね.
でもこれだけは理解して欲しいのですが,僕はこれらの実践を否定しているわけではありません.僕や僕らもそんな時期があり,それはそれは苦しい経験でした.OTってこれでいいのか…という,いわゆる自責の念との戦いです.それをやっと少し抜け出せたかなと思うからこそ,ヒントになるようなことをお伝えしたいと思うのです.それは僕らの活動に共感してくださっている方ならお分かりかと思います.あと,天気の良い週末であればBBQしたり,天気が悪ければ映画みたり読書したり... 昼間からビールでも飲みたいナマケモノであることもよくご存知かと(笑)
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話がそれましたが,苦しいと思っているセラピストはいいのですが,苦しくないセラピスト,つまり自分は正しい機能訓練をやっていると思っている方や,間違いっているのでは?と疑っていない方の場合はどうするのか... おそらくそういう方は自分の機能訓練の正しさを証明する情報のみを集めたり,情報を自分の実践の文脈を肯定するように解釈をします.これは僕自身もそうですし,ヒト自体がそういうもんだということですよね.
なので「目的のある機能訓練は良い」と僕が言うと,やっぱ自分の機能訓練は正しいんだよね,やってもいいんだよねと,肯定的にとらえてしまうリスクが生じます.それはすなわち,僕を呼んでくださった主催者の期待には応えていないことになります.僕の悩みはそこです.
いっそのこと,機能訓練はやらないほうがいいという強いメッセージを放ったほうが,そういう方には入るかもしれません.でも結局人と過去は変わらないし,あと特に思うのが,明確なエビデンスがないのにやらないほうがよいなんて言うもんじゃないです.なので機能訓練はダメなんて言えません.介入は何が良いかなんてやる前に分かんないし,それを予測するためにエビデンスとうものがあるのですが,それが無いから困るんですよね(笑) いや笑えないか...
で,結論として,僕は介入方法よりも評価を重視した講演内容にしています.何をするかよりも,なぜするのかを強調しています.評価が明確であれば,おのずと介入方法も決まってきます.これが僕らがADOCを開発した理由でもあります.大事なことは評価です.介入は,適切な評価であがった課題にもとづき,皆さんの置かれた環境でベストなものを選べばいいでしょう.
あとはアウトカムですね.アウトカムさえ統一していれば,介入成果を比較できるし,エビデンスも蓄積されていくんですけどね.僕はOTの諸問題はアウトカムに帰結すると思っています.でもアウトカムの開発が,これまたうまくいかないんですよね〜.
さてさて,以下,講演の日程と内容です.全国の皆様とお会いできるのを心から楽しみにしています.ゆるい人間ですので,気軽にお声掛けください.また講演の依頼なども,どうぞお気軽にお声掛けください.
最後まで読んで下さりありがとうございました.
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5月25日 岐阜県作業療法学会
14:30~16:00
技術講座「参加を促すトップダウンアプローチ」
まず,参加とはなにか?と定義した上で,それを実現するためのトップダウンアプローチのポイントを概説します.トップダウンは演繹的推論であり,最初の前提が異なってれば以降のプロセスが全て異なるリスクを持っています.その最初の前提をなるべく誤差がでないような面接,観察という流れを概説します.
5月26日 城北病院(院内研修)
17:00〜19:00
作業に焦点を当てた実践を深める研修会
城北病院さんは面白そうな本をだしています↓
笑って死ねる病院 (ワニブックスPLUS新書)
病院内での開催ですので,上記の本を読んで下調べして,少しカスタマイズしたOBPについて概説します.トヨタの育て方 (中経出版)の中にある提案の方法を使ったワークショップなんかもやってみようと思っています.
5月30日 福島作業科学研究会
19:00〜21:00
明日からできる,クライエント中心の作業療法
侍さんたっての希望でこのテーマです.僕と侍さんが初めて会った2010年.福島でお話したのと,同じスライドを使おうと思っています.スライドを見返していると,これからこんなプロジェクトをやっていきたいんだと書いてありましたが,ほぼ実現していることに驚いています(笑)
5月31日 みんなでリハビリ勉強会
13:30~15:30
場所:仙台市シルバーセンター 2階 第二研修室
「その人らしさを活かす作業療法」
少しベタなタイトルですが(苦),でも作業療法は,何か作業を「する doing」は,その人らしく「いる being」ということにつながります.「いる」って哲学的でふわっとした概念ですが,それを可視化できる「する」が支えているでしょうね.作業療法士以外の職種も参加可能らしいので,興味のある方は問い合わせてみてください.
2014年5月23日金曜日
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