2014年6月2日月曜日

支援の弊害

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2週連続での出張講義もようやく終わりましたが,昨晩も地元で旧友と飲んでました.tomoriです.講義や移動の疲れというより飲み疲れのような気がします(笑)



最近では,あちこちでいろんな方にお会いして,いろいろと意見交換をさせていただいています.

仙台では震災時の話を伺いました.Aさんとします.
Aさんは自動車で移動中に地震が起きて,津波が正面から向かってくるのをバック運転で逃げたそうです.どうしても逃げきれなくなり,車を途中で捨てて小高い丘にあがり,自分の自動車だけでなく,沢山の車が流されていくのを眺めたそうです.

間髪入れずにその辺の避難所へ.200名ほどの中で医療職がAさんお一人だったので,Aさんがリーダーとなっていろんな人に指示を出したそうです.まず食べ物や暖の確保.浸水した家の中に戻り,表層に浮いているお米をかき集めたりしたそうです.あまり報道されていないとは思うのですが,実際には,暴力,物取りなども少なくなったそうです.その避難所では,コンビニから物は少しいただいたが,レジとかは絶対に触らないように指示していたそうです.

震災日から3日間,Aさんの睡眠は1日15分.夜間は火の確保に務めたそうです.しかも避難所はいっぱいだったので,Aさんは外で寝る.雪だったそうです.しかし「おにぎり半分で人ってこんなに1日動けることが分かりました」とおっしゃっていました.それから3週間,Aさんは避難所で支援を続けたそうです.



僕から質問してみました.死ぬかもしれないという経験をした後と前で,人生に対する見方は何か変わりましたか?と.

Aさんは動くことの大切さを話してくださいました.

1週目は自分がリーダーとなっていろんな方に指示を出して物資の確保.2週目は避難所にいる方々が自分たちで考えて動けるように指示を少なめにして,3週目は見守りレベルで,物資も届いたところで,ご自宅へ戻られたそうです.もはや日本ではないような極限状態で,こんな長期的視野をもって支援ができるなんてすごいですよね.

特に興味深かったのは,震災からの立ち直りの話でした.他の避難所では,初日からあれこれ動いていたAさんの避難所とは異なり,支援が来るのをひたすら待つという受身的な人が多かったところもあったそうです.そこでは,震災から普段の生活に戻るまでに,1年かかっていた人もいるそうですが,Aさんの避難所では,比較的早期に仕事を再開したりしていたようです.

もちろん,これらは何かデータに基いているわけではないのですが,リーダーによって社会が変わること,支援の弊害なんかも再認識しました.これらは医療,福祉,教育など,僕が普段関わっている領域でもまさに当てはまることですよね.リーダーは皆が動くことをサポートしなければなければいけない安易な支援は害にすらなる.ごくごく当たり前のことでしょうが,改めてその重要性を実感しました.

ちなみに僕はワンピースでは,このシーンが一番好きです.昔,研究室の前に貼ってました.人を支援する上で大切なことだと思います.



最後まで読んでくださり,ありがとうございました.


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