さて,先週,作業療法士協会の定義が「33年ぶり」に改定されました.総会の議案書はこちらです.学術部内の定義改定委員として,5年前から本件に関わっていたので,総会での投票時には流石に少し手が震えましたが,200/205票の賛成をもって可決されました.ご意見,ご協力いただいた皆様へ感謝申し上げます.詳しい解説は協会の刊行物で行う予定なので,とりあえず定義のみ下記に記します.
個人的な意見ですが,定義って歌詞のようなもので,歌う歌手によって聞こえ方は変わります.今後いろんな場所で,いろんなアレンジが響くのかと思うと,とても楽しみです.今回の定義改定により,多くの作業療法士の可能性が広がることを切に願っています.
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作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。
(註釈)
- 作業療法は「人は作業を通して健康や幸福になる」という基本理念と学術的根拠に基づいて行われる。
- 作業療法の対象となる人々とは、身体、精神、発達、高齢期の障害や、環境への不適応により、日々の作業に困難が生じている、またはそれが予測される人や集団を指す。
- 作業には、日常生活活動、家事、仕事、趣味、遊び、対人交流、休養など、人が営む生活行為と、それを行うのに必要な心身の活動が含まれる。
- 作業には、人々ができるようになりたいこと、できる必要があること、できることが期待されていることなど、個別的な目的や価値が含まれる。
- 作業に焦点を当てた実践には、心身機能の回復、維持、あるいは低下を予防する手段としての作業の利用と、その作業自体を練習し、できるようにしていくという目的としての作業の利用、およびこれらを達成するための環境への働きかけが含まれる。
最後までお読みくださり,ありがとうございます.
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