2014年6月27日金曜日

過度に寄り添わない支援

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今日から沖縄へ.tomoriです.今回は出張ではないのですが,基本仕事です.

さて,今日は下記の記事を読み,なるほどなぁと思ったので,書いてみます.

日経メディカル ※全部読むには会員登録が必要です
コラム: 尾藤誠司の「ヒポクラテスによろしく」
患者に寄り添わない医療に努めています



難しい問題ですが,基本的に賛成です.

医療職として患者さんに共感する姿勢は必要です.しかし寄り添い過ぎて,患者さんを医療に依存させてしまうのは良くないです.

僕たちの仕事のインセンティブとして,患者さんの「ありがとう」の言葉があります.その言葉が明日のやる気につながります.しかし,感謝と依存は「明らか」に違います.特に,後療法・社会参加としての性格が強いリハビリテーションでは,そこを履き違えてはいけないと思っています.「先生がいてくれないと,私の健康は維持できません」という依存関係を本来作ってはいけないのです.それよりは,「これからは一人で生活していけそうです」というのが理想でしょうね(時と場合によりますが).



もちろんこれにはジレンマもあります.基本,医療や福祉は,依存させるのが上手な人ほど儲かるシステムなんです.前にメガネOTさんが本校に講義に来てくれたときも,「ヤブ医者ほど儲かる」と言ってました.

介護保険なんかもそうですよね.利用者の自己選択→自立支援を目的に始まったにも関わらず,現状は,利用者の取り合いや囲い込み→「機能維持」を大義名分とした目標・卒業なしの支援... ちょっとたちが悪いのが,寄り添う医療・介護というだけで,人道的に良いことやっていると認知されていることなんですよね.

その結果,月額の保険料は2900円から4900円へ.総費用は3.6兆円から8.9兆円にふくれあがっています(厚労省).でも,何億,何兆とか言われても誰も実感もてないし,利用者も支援者もまるで他人ごとです.

前に茅ヶ崎の神保先生から伺った話では,財政破綻した夕張市では,市運営の病院が激減しましたが,癌,脳卒中,心疾患などによる死亡率は軒並み低下しているそうです.市民の意識改革,予防医療の充実などがあったようです.参考サイト

一方で,日本ではベッド数と医療費の相関係数がきわめて1に近いそうです.ベッド数が増えるだけ,本来必要もない入院,それに伴う検査,薬の処方が増えていくわけです.病院に働いている人ならよく分かりますよね.

財政破綻する前より,した後のほうが,死亡率のアウトカムが良い.これが世界1と言われている,日本の医療の現状を表しているのかもしれません.過剰かつ費用効果無視...



僕も何か案があるわけではないです.とかく政治家は,選挙に真面目に行ってくれる高齢者に不利なマニフェストは立てないので,今後大改革とか期待できないでしょう.ぼちぼち要支援の方々も地域に投げられそうですし.でも,それをチャンスに,小さく変えていくことはできるかもしれないですね..

そして僕たちであれば,今日から出来ることもあると思います.それが,過度に寄り添わない支援,ということになるのかもしれません.僕も昔病院に務めていたころは(日数制限がなかったころ),「外来リハでお金払うくらいなら,街でランチしたほうがいいですよ」.と言って退院させてました.市民が医療や介護保険に過度に依存せず,自ら健康を管理できるように支援する.僕もそのための環境づくりをして,社会に貢献していきたいですね.


最後に,この患者に寄り添わない医療に努めています の記事を書いた尾藤誠司先生が企画している「多様性時代の医療コミュニケーション―新しい信頼関係をつくる―」という国際フォーラムに,吉備国際大学の京極真先生が登壇されるようです.とっても素晴らしいことですね.


最後まで読んで下さりありがとうございました.


2 件のコメント:

  1. 夕張の事例ですが、担当された森田先生のプレゼンが

    https://www.youtube.com/watch?v=lL8aJE9Xp3Y

    にアップされています。その題が「医療崩壊のすすめ」という挑戦的なものです。

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  2. ありがとうございました。拝見しました。やはり面白いですね。医療崩壊するしかないのかなとも思いましたが。

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