2010年10月2日土曜日

認知症者とADOC

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仕事の逃げ道はブログ.tomoriです.
今日はいまいちはかどらないな〜.

さて,今日もADOCにまつわる面白い物語を紹介します.
今日は非常にユニークで素晴らしい支援と,それに対するOTの気持ちの変化もあります.

若松病院(沖縄県) 玉城希さん より.

私の担当の方は、ADOCで旅行がしたいと話していました。また、花も好きという事を教えてもらいました。終了後も、他にやりたい事はないかという質問に「ヒージャー(ヤギ)を食べながらビール飲みたい」と話してくれました。摂食Ns、Drに相談しノンアルコールではありますが、缶から飲む作業が実現できました。本気で飲みたい物は、とろみ剤は必要ないみたいです! 上手に飲んでほろ酔いになっていました。


今回、聴取させてもらった方で認知症を持つ方の共通する事は、ADLやIADLは家族や誰かに手伝ってもらうという認識を持っているように思いました。余暇的な作業については、「やりたい」と話す傾向にあるようでした。

障害を問わずどんなクライエントととも、ADOCを実施してからのOTとクライエントが話す内容は、「やりたい作業について」のテーマが多くなっています。また、担当以外の方に聴取させてもらった後に、担当OTへ「こんな事がしたいと言ってましたよ」と伝えると、担当のOTも「やりたい作業について」をテーマとする会話が増えたように感じました。
何より私自身が、いかにしてクライエントのやりたい事を実現できるか?を常に考えるようになっています。また、機能改善目的に機能訓練を行うのではなく、作業の効率性と正確性、安全性を高めるために機能訓練も行うというスタンスをクライエントとOTが協業出来ているように感じます。クライエントからPTは立つ練習、STは言葉の練習、摂食Nsは飲みこみの練習、OTは何でもする人と感想を頂きました

-------以上--------

このメールをいただいたときには,正直鳥肌が立ってしまいました.
まず,ノンアルコールビールを用意した,玉城さんの知恵と勇気と行動力.素晴らしい!
玉城さんのように,クライエントのやりたいことをいかにして実現できるか?と作業療法士が思えるようになると,解決策はきっと見つかると思います.ヤギも食べることになるのかな.楽しみです.

ADOCで聞き出した作業は,実現しないと意味がない.そのために我々作業療法士がいるんだと思います.実現できないなら目標にしてはいけない.聞いたからには実行するんだ,という責任感をもつべきですね.我々も政治家も...


ちなみにヤギを食べたいというのは認知症の症状ではありません.
宮古島ではお祝いのときのれっきとした高級料理で,ボクやかみさんも好きです.
とろっとろでおいしいです.緑の葉っぱは,よもぎです.




4 件のコメント:

  1. たしかに沖縄では子ヤギをみるとお年寄りは
    「かわいいいね」のあとに「おいしそうさぁ」と
    言いますね。私も水族館で泳ぐマグロをみると
    脂がのった刺身を連想してしまいます。。

    エピソードに出てくる嚥下Nrは、重度の意識障害で
    現在胃ろうしてる人に 泡盛を300CC流してましたよ。
    それがご家族の希望でその人のケアプランなんですって、、
    「300CCは多いんじゃない」って職員が話し合ってた、
    そんなところに焦点をあてたカンファレンスが
    面白かったです。

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  2. Yasuさんのとこすげー。胃ろうに泡盛か... 常識にとらわれなくていいですね。まさにクライエント中心だw
    水族館の魚が甘そうは無いなぁ。

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  3. すばらしい事例ですね!私も読んでいて鳥肌が立ちました。
    自分もこれを読んで、患者さんの「やりたい作業」にもっともっと注目してみようと思いました!
    勉強になりました。ありがとうございます。

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  4. すぎながさん

    ありがとうございます。玉城さんに伝えておきますね。
    この患者さんももともとは無為自閉っぽい感じだったそうです。
    作業って不思議な力があるっぽいですね。

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