まだまだイケます.tomoriです.
さて,今日は,僕のポスターを載せます.じゃじゃーん!
今年はシンプルに決めましたー(笑)
ADOC使用におけるMMSEのカットオフポイントの推定
―認知症者の大切な作業を引き出すために―
Estimation of cutoff point of MMSE to elicit the meaningful activity for person with dementia using ADOC
カットオフは8点
116名を作業療法実施中のクライエント対象に,「馴染みのある作業を一つ選ぶ」という使い方で,ADOCを使用し,その作業を家族に合っているかどうか確認しました.同時にMMSEもとりました.ROC曲線で処理した結果,ADOCを「馴染みのある作業を一つ選ぶ」という使い方において,カットオフはMMSE8点です(抄録では9点となっていましたが,申し訳ございません.こちらのミスでした).なおMMSEは0〜9点は重度ですので,重度例も少しですが適応範囲ということになります.
認知症者に対する作業療法ではランドマークとなっているこの研究でも,対象は軽度〜中等度です.
この研究ではCOPMを使っています.重度認知症者にたいしては確かに課題だと言っていました.
ADOCを使って中等度〜重度の認知症者に対する介入も視野に入ってきました.もちろん,8点以下でもPositiveだった人もいますし,8点以上でNegativeだった人もいますので,8点はあくまで「目安」としてお考えください.
57%のOTは作業を知らなかった
あと、今回は研究対象者の大切な作業を知らない作業療法士がADOCを使って面接しましたが、家族に確認して正しかった答えを担当の作業療法士に確認したところ、57%がその作業を知らなかった、と答えました。たしかに、いままで知らなかったストーリーをADOCで引き出すことができた、というのは確かによく耳にしますね。
馴染みのある作業はレジャーが多かった
これから認知症者の増加に伴い,作業療法士の役割も大きなものになるでしょう.
ちなみにADLに対する作業療法の効果について,今のところエビデンスが無いそうです.IADLや個別的レジャーに対しては少しエビデンスがあるとか.今回の発表には載せてないですが,ADOCで選んでもらった「馴染みのある作業」は約6割がレジャーでした.ADOCでレジャーに関する情報を引き出せると思います.
具体的に認知症者へどう使うんだ?
具体的にADOCを認知症者にどう使うんだ,という質問もありましたが,それは今回は分かりません.事例で雰囲気を掴んでいただければと思います.
認知症予防には人生の目的を
あと,人生の目的の有無が認知症の進行に強く影響することが分かっています.
何事も予防が大切です.認知症になってから作業療法で関わるよりも,認知症になる前から,地域住民に作業療法士が関わって,早期から人生の目的をもって,日々の作業をコントロールする方法を一緒に考えたりすることで,認知症の予防につながればいいんですが... まあ認知症どうこうより,自分の人生これでよかったなぁと思える人が増えるといいですね.
以上,私見も交えてお伝えしました.
最後まで読んでくださり,ありがとうございました.
また,研究に協力してくださった患者さん,ご家族,作業療法士の皆さま,ありがとうございました.
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