2013年12月31日火曜日

2013年,最後のブログ.

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ハングオーバーが終わってしまったことにカミさんが嘆いています。tomoriです。


さて2013年は皆さんにとってどういう年でしたか? 今年の漢字は「輪」だったようですが,んー.僕らADOC project の2013年を漢字一文字で表現すると... 「根」 のような気がします.今までは、「目立つことばかり考えてましたー」と四時五分的な思考回路でしたが(笑),今年はアンダーグラウンドで根をはることができた,って感じです.

ADOC for hand,日本臨床作業療法学術大会,事例本,WFOT,効果研究,授業など,これらの仕事が少しずつ芽を出してきます.来年はそれらを着実に育てていく1年にしたいと思います.

また,これらの仕事を通して仲間との絆も一層深めることができました.思い返せば幾多の困難がありました.しかしそういう時だからこそ,仲間のさらに素晴らしい一面に出会うことができました.来年,仕事の芽が出てくれば雨風にさらされることになりますが,きっとそれに耐えうるであろう根っこ(チームワーク)を育てることができたと思います.


今年も多くの方に支えられました.と月並みっぽくなりますが,みなさまには本当に本当に感謝申し上げます.

以下,今年書いたブログ記事です.密かに100本書くということを目標に掲げていたのですが,これも含め99本でした(笑) 読んでくださりありがとうございました。参考になった記事を教えて下さい。それを参考に来年はもう少し良質な情報をつぶやいていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

ではでは、皆さん良いお年をお迎えください。


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2013 (98)
12月 (11)
作業療法の未来は明るい!
ADOCの論文が載りました。
ICFについて物申す
2013年に観たオススメの映画
OBPで悩んでいる人は,1月11日の作業療法臨床実践研究会にご参加を!
ADOC-Sは教員にも好評でした〜 In ATAC 2013
ATAC in 京都に参戦しています 〜OAKの紹介〜
日本臨床作業療法学会 プログラム発表〜!
僕たちはADOCを自由に使って欲しいと思っています.
「もっともっとものさし」より「大好きものさし」
17回作業科学セミナーに参加してきました。

11月 (6)
もし自信を失くしたら…
COPM開発者のポラタイコ教授と意見交換してきました!
そろそろ機能訓練についてちゃんと考えないと…
MacのキーボードをUSにしようかどうか迷っている人へ (笑)
臨床でせめて歩合給を導入できないものか...
OT協会が定義改定に関する意見を募集中です.

10月 (6)
医療は産業となりうるか?
作業療法はふらふらしてますが、それがなにか?(笑)
なんか理想的な発達作業療法を見せてもらいました。
創りたいのは体験→事例本.
ADOC・ADOC-S アップデートしました
「ジグソーパズル型学力」と「レゴ型学力」(藤原和博 先生)

9月 (8)
信じるものが自分しかないというドキドキ感
ADOC iOS7でのバグについて
ADOC-Sついにリリース! ーADOCより進化した点ー
日本作業行動学会でシンポして来ました!
鳥取のデイサービス つむぎ を見学してきました!
ADOC for hand すすめます。
日本臨床作業療法学会 第1回学術大会が...
ADOC-Sのストーリームービーを公開

8月 (13)
僕たちは島で未来を見ることにした(巡の環さんのパクリ)
臨床作業療法学会 演題・参加募集開始
沖縄での打合せ
福岡でトップダウンについて語り合いました
ADOC-S.なかなか好評です.
授業で模擬患者さんに来ていただきました.
プリキュアとか言ってるけど実はすごいメガネさん
作業に焦点を当てたデイサービス つむぎ
アニョハセヨ〜.3日目(まとめ)
アニョハセヨ〜2日目。
アニョハセヨ〜。1日目
韓国に研究打合せに行ってきます
しあわせはいつもじぶんのこころがきめる(相田みつを)

7月 (12)
事例本:これがおいどんのOTじゃー!!
そうだ.朝活しよう!
琉球さんの「批判はちゃんと聴かない」に乗っかります
福岡県士会「トップダウンアプローチについて」
日本文化の特徴と作業療法について.「やおよろず」
僕の小さな夢が叶いました.birdの海の家ライブ参戦.
研究費捕ったどぉぉぉぉっ!
作業に焦点を当てた実践ができるまでに 僕たちがやってきたこと in 山形作業行動研究会
作業療法と機能訓練
第47回OT学会発表 その2
第47回OT学会発表 その1
かっこいいポスターの作り方(笑)

6月 (7)
大阪学会、二日目~(^^)
大阪学会、一日目の報告。
tomori lab 文献抄読会(4) 作業療法士はCLを意思決定に巻き込んだと思っていても,CLは...
ゲリラ講演会 in 福島→ with 竹林
ADOCを韓国語に対応させました.
大阪学会で会いましょう.
意味のある作業にADLは含まれないと思っていませんか?

5月 (10)
やるかやらないかのちょっとした違いなんです.
地域は作業療法の持ち場になるのか?
7月に,山形で,侍さんと二人で講演します!
ADOCメンバーが気を付けているプレゼンテーションのコツ
精神科でのADOCの活用 〜パート2〜
自分が得意な仕事にフォーカスする
tomori lab 文献抄読会(3) 作業療法の定義は約30年変わっていません.
「じぇじぇじぇ〜〜!!」
日本臨床作業療法学会 立ち上げます
tomori lab 文献抄読会(2)  作業療法のこれまでとこれから

4月 (5)
クリエイティブな仕事を続けるためには...
tomori lab 文献抄読会(1) 作業中心?作業に焦点?作業を基盤?
どうすれば先生のように肩の力が抜けますか?
自分は何ができるのか考えてみた... 
大学院での学び方。

3月 (7)
講演のご案内
作業に焦点を当てることと機能訓練の関係について
作業療法を学ぶ 2013版
英文抄録の書き方−WFOTへの道-
オススメの本 [人間関係をしなやかにするたったひとつのルール]
卒業式…
OTの教員になるために準備すること

2月 (11)
国家試験を控える君へ...
侍さんの事例本への覚悟…
機関誌に掲載された論文には書けなかったオススメポイント!
老健での作業療法とは!(共同研究募集)
脳卒中リハにおけるクライエント中心の目標設定のシステマティックレビュー
それぞれにそれぞれの志
目標を立てるときの僕なりの工夫
認知症者に対する作業療法の効果(文献)
クライエント中心の作業療法の効果はあるのか?
「俺がやっているんだから、お前らもやれよ!」
作業興奮とトップダウン

1月 (2)
ADOC for school いい感じに作っています.
ADOCはクライエントのNaturalさを阻害するか?

2013年12月30日月曜日

作業療法の未来は明るい!

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世の中「師走」ですが,師ではないし,そもそも走りたくもない教員のtomoriです.カミさんも年末の大掃除や正月料理の買い物を1ヶ月かけてコツコツと済ませており,もはや年末にすることがないので,ブログ書いて頭を整理したいと思います。

さて,僕は作業療法士です.親戚に勧められたからという安直な動機で始めたこの仕事なんですが(笑),今後に大きな可能性を感じています.まぁ所詮ポジティブバカの意見と思って,気楽に聞き流してください.



1) 医療でも独自性がある
そもそも数ある医療職の中で作業療法っぽいことやっている専門職がありますか? 何が作業療法っぽいかと言えば,定義から持ってくると「作業活動を用いて行う治療・指導・援助を行うこと」です.この作業を使って支援するというのが医療っぽくないので,科学性つまりエビデンスを大切にしている人から非難されたり,ついつい自虐っぽくなったりします.

しかし「作業を使うこと」を課題指向型訓練もしくは課題特異型訓練に言い換えると,沢山のエビデンスが創出され,脳卒中ガイドラインでは強く「推奨」されています.これから「作業を使うこと」に関するエビデンスはもっと増えていくことでしょう.これまでの歴史の中で批判された「作業を使うこと」は,負い目に感じることも,ダサく感じることもありません.むしろ科学的でかっこいい,という方向になっていきそうです.そう.いま作業療法はかっこいいんです!(笑)


2) 生活密着
天皇陛下のオペを担当した天野篤医師は,冠動脈のパイパス手術後の会見でマスコミにオペは成功かと聞かれて,「日常のご公務を取り戻すのが手術成功といってもよい時期」と何ともかっこいいコメントをしていますよね.医療だけでなく,保健・福祉・教育,そして災害時も,最終的に生活へ適応できるかを考えていかなければいけません.その生活とは,いわば作業の集合体です.

オペだけで完治して生活に適応できれば,作業療法は必要ないかもしれません.でも人間は機械でもプラモデルでもありません.つまり,パーツが揃ったからといってすぐ社会に適応できるとは限りません.出来ると思えないと人は動かないものです.しかも日本は「おもてなし」や「空気を読むこと」を要求されます.マクドナルドのバイトさんにも文句言うし,電車にベビーカーで乗り込めないくらい厳しい社会じゃないですか.そんな優しいのか厳しいのか得体のしれない社会に患者さんが再び適応するために,患者さんの近くで問題解決の相談に乗り,影で応援する仕事が必要です.それが作業療法です.作業療法は,医療の総仕上げといっても過言ではないでしょう.


3) ニーズがあり,競合相手が少ない
上記の通り,医療・保健・福祉・教育,その他さまざまな領域において,作業療法のニーズってあると思います.作業を使うということは,基本だれでも出来ることですが,それを社会的に認められているのは作業療法士のみです.例えば,理学療法は作業療法に比べて認知度は断然高いし,ニーズも明確ですが,それ故類似した仕事も多いですよね.柔道整復師,スポーツトレーナー,あん摩マッサージ指圧師などさまざまです.そう考えると,作業療法の競合相手って案外少ない気がします.いま作業療法が何となく焦っているのは,競合相手多いところでの領域拡大を狙っているかではないでしょうか.個人的には,これらの職種の方々とは競合ではなく協働することで,作業療法の「医療の総仕上げ」という強みをさらに活かすことができるのではないかと考えます.そのほうが患者さんにとってもメリットが大きいと思います.

あと,作業療法内でも競合相手が少ないように思います.というのも,やっぱ理学療法の平均値はホントに能力高いです.それからすると作業療法はやや劣っていると言わざるを得ませんが,それはチャンスと思えばいいのです.鶏口牛後です.また作業療法士の男女比は,男性 33.9%,女性 66.1%です(2010).理学療法士は男性57.5%,女性42.5%(2013)です.ジェンダーとか怒られそうですが,女性はどうしても結婚や出産などを転機に作業療法を離職してしまう人も出てきます.うちのカミさんのように.そうなるとますます競合相手が少なくなることを意味します.これは男女関係なくキャリアを積みたいと思っている人にとっては有利だと思います.作業療法は今まさに下克上です(笑)



このように作業療法には多くのチャンスやアドバンテージが転がっています.悲観的になる暇などありません.ただ注意が必要だなと思うのが,「作業」,「生活」という言葉の共通点→自由度の高さです.自由度が高いということは,患者さん個人にテーラーメイドの支援ができる反面,作業療法士の技量が求められるということです.つまり作業療法士個人によって差が出てしまうことを意味します.長所であり短所です.なので僕が述べてきた作業療法のアドバンテージは全ての作業療法士に等しくあるとは思っていません.たとえ厳しい養成校教育をクリアして作業療法士になったとしても,です.学生さんには気が遠いかもですが、作業療法士免許取得はあくまでスタートラインです.

繰り返しますが,チャンスは目の前にあるんです.後はみんなで頑張るだけです.

作業療法の強みを共有する場として日本臨床作業療法学会があります。この学会では、作業療法士のアドバンテージを十二分に感じることができると思います。澤田会長をはじめ、藤本さん、齋藤さん、竹林さんの講演は,作業療法の強みを実感させてくれるでしょう.何より,北海道から沖縄まで,全国に点在する約110の演題発表者のイキイキとした姿が,作業療法の将来を物語ってくれると信じています.

僕ら ADOC projectも作業療法大好き人間の集まりです.もちろん僕らも最初から作業療法が好きだったわけではないです.悩みながら前を向いていたら好きになっていたって感じです.この感情を多くの人と共有するために,そして自由度が高いという強みを活かし,弱みを軽減するために,僕らはADOCやADOC for schoolを創ったし,ADOC for handも創ってます.一緒に楽しい作業療法を創りましょう.



作業療法の未来は明るいです.僕の学生にもそう教えています,いや洗脳しています(笑)以下,2年前期で僕が担当している科目,「評価学概論」を終えた後の,学生の感想です.学生が自由な発想を持ち,自分なりの道を進んでいけるようになってほしいと切に願っています.自分の進路すら自分で決めたことがない僕の期待ですが(笑) 

  • 作業療法のことを前期に学び、作業療法についての考えがまとまってきたように思います。作業療法とは、作業を扱うことに絞られると思っていましたが、それだけではなく作業を使って医療の確実性をあげることではないかと思いました。作業遂行は個人に沿ったものであるためその人にとってはよくても、同じ動作であっても他の人には効果をしめすかどうかわからないものです。どこまで効果があるのかわからないことが作業療法の短所だと思うのですが、対象者の話を聞いて作業遂行をその人にとって必要なものにしていく。それが作業療法士の役割ではないかと思いました。不確実な部分が短所と言いましたが、それを跳ね除け、個人個人にあった作業遂行をしようすることが作業療法の長所です。対象者に沿った効果的な治療ができるように、習ったことは全て力にしていきたいと思います。前期の約半年間、講義ありがとうございました。

  • この授業を通し、実際に面接を行ってみたり、観察をしてみて、評価をすることはとてもむずかしいけれど、介入を行う上でとても大切なことなのだと知ることができました。私の中での評価の最初のイメージは、様々な評価法を用い、身体のどこの部分に障害があるのかを確かめることだと思っていましたが、身体の障害だけでなく、その人自身の心の持ちよう、作業を行う手順、家族の協力の有無など、1つの作業遂行に対してたくさんの方向から見ることも評価なのだと知ることができました。これからの授業や実習では、身体の機能面だけにとらわれず、クライエントができるようになりたい作業を、クライエントと一緒に考え、目標達成していけるようにしたいと思いました。

  • 作業療法は奥が深いということが身にしみた講義だった。元々作業療法の世界を知らなかった私にとって、OTの世界は考え方、やり方は無限大でいくらでも掘り下げることができる世界とわかり、とてもわくわくするものだった。また、実践では少数派のトップダウンやOTIPMをまなぶことが出来る環境に出会えたことも恵まれたと思う。トップダウンはボトムアップを否定してる訳ではない。という先生のお言葉を聞いて、三つの方法(true top-down, top-to-bottom up, bottom up)を自分の目で見、実践してから自分の思う道を決めようと思った。また、他の専門職や患者の理解を得にくい作業療法をしていくには、自分のなかで作業療法の定義をしっかり持ち、自分の目指す作業療法を持つことが重要とかんじた。ありがとうございました。


冗談抜きに長くなってしまいましたが,最後まで読んでくださりありがとうございました.


2013年12月27日金曜日

ADOCの論文が載りました。

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11ヶ月の可愛い盛りの三女が、家族皆から多大なる愛情を注がれてますが、本人まさかの食べ物にしか興味が無いというtomori家です。どんなに食べてもテーブルに食べ物が乗ってる限り泣いて懇願されます。しかも現在ロタウイルスに感染しているので、オムツ替えの頻度も多く大変苦痛にございます。可愛いばかりじゃないんですよ。子育ては。




さて,クリスマスにアクセプトされた論文のPDFが届きました.僕にとっては最高のプレゼントです.Pubmedでもさっそくアップされています.

内容は,ADOCで大切な作業を一つ選ぶという使い方において,使用できるカットオフはMMSEで8点ですよ、というものです.認知症の方に使っていただきたいですね。

データ収集に協力いただいた作業療法士のみなさま,クライエントのみなさまへ,心から感謝申し上げます.また,ご指導いただいた先生方にも感謝申し上げます.


論文って、しかも英語とかだと、科学的で客観的→すなわちカッコいい、というイメージありますが、これが泥臭いもんですよ。

Clinical rehabiltationの24時間以内の一発リジェクトにもめげずに、色々門を叩き、やっと査読に回ったら返事が遅く、何度も催促してたら、山のような査読コメントかつ英語意味わがんねーしという胸を突き刺すような内容もあり、根拠もなく3週間でやっからよ!とeditorへ返信し、一つ一つ丁寧に回答して、英文校正に出したら何度も修正できるはずだったのにまさかの一回目よりお金取られ、事務処理などを済ませ、再投稿した結果、ようやくアクセプトなんです。まぁ粘り勝ちです。


ADOC project 関連の業績も少しずつ増えてきました.本当にプロジェクトメンバーのみなさんのおかげです.ここ数年、確かに皆さんと一緒に僕も成長できたと思います。

しかし、変に成長とかしてしまうと今まで見えなかった景色が見えて来るもんで、ほんとにすごい人たちって山ほどいるんですよね。僕も努力が全然足りないなぁと焦燥感に苛まれることは多々あります。底辺の僕はもう何年もこのループでここまでやってきましたが、流石にONE PIECEのようにはいかないので、僕は自分のことより皆のために、欲張らず一つ一つを確実に、努力よりもリラックス、そして楽しんで!をモットーに切り替えて、これから進んで行こうと思っています。


最後まで読んでくださり、ありがとうございます。




ICFについて物申す

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先日次女が僕をみて口ずさんだ歌にウケました。tomoriです。
正: ハイホー、ハイホー、しごーとが好きー
娘: Phone iPhone しごーとが好きー♩


さて、今日はICFについてみんなが口に出せなかったであろうことを一言物申します。ICFってそんなにすごいですか? ICIDHとそこまで変わらなくないすか? あと日本の作業療法ってICFを信じすぎてるとこないですかぁぁぁ?


いやICFもいいとこありますよ。ただ今回は、特に作業療法が介入する領域(domain)の部分におけるICFの使い方について述べますね。

OT協会のガイドラインなど、至るところでICFが出てきます。活動と参加。確かに活動と参加はリハビリテーションにおいて重要です。

でも作業療法の対象はあくまで作業なんですよ。作業と活動の違いは諸説ありますが、個人的な文脈や意味を含むのが作業、いままさにやってることが作業であって、誰にでも当てはまるようなのが活動、その文化の中で共通のイメージが活動です。

例えばクライエントが調理を希望したからと言って、ただ調理訓練をやればいいもんじゃないんすよ。個人的な文脈によって調理もいろいろあるんですよ。僕の場合には、娘たちが喜んでくれるパリパリの餃子を作ることなので、餃子でしかもパリパリでないといけないし、パリパリでなくとも娘たちに食べてもらえんことには、訓練室でスタッフに食べてもらう調理は、僕にとっては『活動より』なんです。そこはちゃんと評価・共有したいとこなんだけども、ICFベースだとなかなか深まらない気がします。


それはなぜか。それは結局ICFはICIDHをポジティブに表現しただけで、基本的な構造はICIDHと変わらないからだと思ってます。つまり、ICFの機能・活動・参加の構造ってICIDHの機能障害・能力障害・社会的不利を言い換えただけですよね。構造は,あくまで障害ベースであることは変わりない。その証拠に、ICFといえど、思いっきり障害に焦点が当たってること多くないですか? 双方向性になったとかいいますが、機能・活動・参加つながりはバラバラだし偏り多くないですか?


作業に焦点を当てるならば、ICFなんぞ持ち出さなくても、作業療法独自の理論や学問でまとめたほうがいいです。それで評価・介入して、もしも他職種に伝える必要があった時にICFを使うというならまだ良い。しかし作業療法士同士で話し合うなら、わざわざICFを持ち出す必要はないと思います。事例報告とかね。あ、ちなみに事例本のレジメでは、ICFなんて出てきません。みんな作業のことを書きたくて書きたくて、スペースが無いんです(笑)


とかくICFに沿ってれば大丈夫だ、というロジックは、OTの専門職としての進化や深化を妨げます気がします。

例えば、京極先生や寺岡先生などが開発している作業機能障害を整理するための評価(CAOD)などは、作業の捉え方が面白いのですし、籔脇先生のCEQなんかもそうです。このような作業療法独自の視点が、ICF概念で考えてると出てきにくいと思います。こんな感じで、作業療法という複雑な構造を、もっともっと深く考えていかないと…



とはいえ、もちろん日本の作業療法は医療の上に成り立っていることは事実なので、ICIDHやICFとは上手にお付き合いしつつ、適度な距離を保ちたいと思ってますよ。はい。




最後まで読んでくださりありがとうございます。



2013年12月21日土曜日

2013年に観たオススメの映画

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出張多めのインドア派tomoriです(笑)

我が家にテレビは無いと言いがち、僕が今年観た映画は全部で約70本でした。週に1.3本くらい観てることになりますかね。ほぼiTunesでレンタルです。iPadやiPhoneで移動中でも簡単に見れるようになったのが、インドア派にとって非常に嬉しいです(笑) ちなみに今も映画を見ながら書いています(笑)

ぼちぼち年の瀬。テレビがつまらなくなる時期でもあるので、今年観たオススメ映画を紹介したいと思います。映画の概説はiTunesのリンク先で見てください。



明るくホンワカした気分で正月を迎えたいという方へ

オーケストラ!(字幕版)
今年初めて観たわけではないのですが(笑)、よく観てるので。ぜひ予告とか見ずに、前情報ゼロで見て欲しい映画。

アラフォー女子のベイビー・プラン(字幕版)
ダサいタイトルからは予測できないくらい、クスクス笑える映画でした。

星の旅人たち(字幕版)
旅好きな人にオススメ。ラストシーンが好きだなぁ。



迫力あるアクションが見たいという方

ホワイトハウス・ダウン(字幕版)
映画館で観ましたが、最後までドキドキで面白かったー。

アイアンマン 3 (字幕版)
国際線という最悪な環境でも迫力感じました。アイアンマンシリーズでは1番です。僕はメカものヒーローものが好きなんです(笑)

007 / スカイフォール (字幕版)
バイクで屋根を走るシーンにはドキドキしました。あれホントにやってんのかな。



やっぱ映画はサスペンスっしょの方

ブラック・スワン (字幕版)
今年観た映画で一番オススメです。ナタリー ポートマンがハマりすぎです。背中の筋肉がカッコ良かった(笑)

シャッター アイランド (字幕版)
精神科の病院で繰り広げられる物語。勘ぐらずに素直に楽しみましょう。色々と考えさせられる映画です。

ゼロ・ダーク・サーティ(字幕版)
ビンラディンを追っかける映画なんだけども、恐怖、怨念などもアメリカ側と同調していき、最後に見えるのは…  いい映画です。



難しいけど見応えのある映画

裏切りのサーカス(字幕版)
今年2番目にオススメなんですが、一度見ただけでは分かりません(笑)。解説のサイトを見て、2回目見ると伏線のスゴさがよくわかる映画でした。

桐島、部活やめるってよ
これも上と同じです。

クラウド アトラス(字幕版)
上と同じです(笑)



番外編

アイ・アム ~世界を変える力~ I Am (日本語字幕版)
科学者なら見ておきたい映画です。種の保存の真意とは何か…

ホリデイ (字幕版)
もうすぐクリスマス。リア充でない方へ…


以上です。まぁ映画も好みが分かれるところですが、暇つぶしのお役に立てれば幸いです。今年は密かに僕の中で映画を週に1本観る!という目標を立ててたので、達成できて嬉しいです(笑)


最後まで読んでくださり、ありがとうございます。





2013年12月17日火曜日

OBPで悩んでいる人は,1月11日の作業療法臨床実践研究会にご参加を!

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11ヶ月の3女が4歩あるきました! tomoriです.今日は幸せな一日ですね.

さて,年明け1月11日ですが、静岡の作業療法臨床実践研究会で、ADOCの主開発メンバーである侍OTさんと、ADOC for schoolの主開発者であるちびっこOTさんが講演するらしいです。ADOC project の仕事は、この2人の臨床をなるべく多くの方が出来ることを目指しているといっても過言ではないんですよね。そのためにアプリ開発しました(笑) ちなみにADOC for handは竹林さんね(笑)



この二人だけでも面白そうなのに,そこに第三の刺客の建木先生を持ってくるあたりが,企画通な僕からみてもナイスです.建木先生は,NPOを立ち上げ,素晴らしい実践をされています。この3名で作業療法(いわばOBP)実践のための環境づくりという観点でまとめたのはすばらしい.


というのも,職場で一人で勝手にOBP実践はできますが,OBP実践の環境作りって本当に難しいじゃないですか.100%に近い確率で信念対立起きるし,ある意味正念場です.それが職場だけならまだしも,地域や新しい場所っていえばなおさらです.僕は3名がいかに苦労して今の環境を作り上げたか知っています.少し泥臭い感じの話って,論文にも教科書に載らないので(書けない),実際に聞くしかないんですよね.で,具体的にどうやったんですか?って.

こういう実学的な勉強会が,悩んでいる作業療法士の勇気につながり,いざ実践してみて,紆余曲折しながら実践できた自信が,自前で勉強会を開いてペイフォワード的に拡がっていく... そんな世の中をホント期待しています.

そんな世の中のためのファーストステップとして,このお三方は非常にオススメです.僕のイメージとしては,侍ホップ・ちびっ子ステップ・建木ジャンプです(笑) つまり,初心者,中級者,上級者向けの講習ですね(笑) 

まあ正直クリストファーは遠いけども(笑),ぜひご参加のほど.


最後まで読んで下さりありがとうございました.








2013年12月15日日曜日

ADOC-Sは教員にも好評でした〜 In ATAC 2013

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京都滞在の四日間、毎日ラーメン食べました。tomoriです。駅ビルの10階、拉麺小路です。



今日はATACの初日です.テーブルデモという初めての発表形式です.しかも,2日間,10-17時の間で発表して良いというもので,一応なるべくテーブルにいるようにしました.しかし何とも地味なセッティングで,何のためのアプリかもわかりにくい...反省です.



しかーーーし,ここでもかなり多くの方が質問にきてくださいました(笑) 
昨日、用意していたパンフレットは午前中の1時間で完売.古いバージョンもお昼には完売.「え?資料ってないん?」と関西弁で何回か突っ込まれました... 今日は朝からネットプリントで,セブンでチラシをコピーしてきました(笑)

「これなら面談で迷わなさそう」
「何か困っていることありますかと聞いても,なかなか出てこないからね」
「デザインが良い!」
「うちのシステムと一緒に何かできるかも,連絡とり合いましょう」
「ADOC-S持ってます!,使い方とか教えてください」

などなど,教員の皆さまに興味を持っていただけました.なんとなくですが、初めてOT学会でADOCを発表したときのような、えー!今はこんなのあんの?みたいな、少しびっくりされたような表情の方が多かったような気がします。

しかし僕も教育現場のことをちゃんと理解しないとなと反省しました。IEPとかの議論をされて、それがなんだかよく分かりませんでした。これですね。

http://en.m.wikipedia.org/wiki/Individualized_Education_Program


やはり,ATAC参加の皆さまは子どものために何かしたい!という意識が高いんでしょうね.ホントそういう方に使っていただきたいです。

あ,あと告知が遅れましたが,ADOC-SはiOS(iPhoneとiPad)のみですが,体験版(無料)をリリースしています.お試しください.


講演も聞きました.中でも非常に面白かったのが,中邑賢龍先生(東京大学先端科学技術研究センター教授)の「ユニバーサルデザインの次は? 凹デザインという考え方」でした.すごい個性的な先生でした。

講演内容を少し.

いろいろ社会は便利になってきました.朝スマホのアラームで起きて,スマホでニュースを見ながら出勤し,改札はICカードで通りぬける... 一昔前は,目覚ましをセットし,新聞でニュースを取り込み,切符を買って改札を通り抜けることが当たり前だったのに。このようにテクノロジーの発展によって,障害者や高齢者にも優しい社会になってきました.で、それは本当に良いことなのか,このATACで考えなおさないといけない!という問いからスタートです.

効率を目指す社会においては,便利なものが欲しい,仕事ができる人と働きたい,ということなんですが,その反面,便利でないもの,仕事ができない人は排除するということを示唆します.うつ病なども増加しています.障害者や高齢者を支援する医療・福祉の人間が,その自己矛盾に気づいていない,気づかなきゃ! 精神障害者をジョブトレーニングして会社に入れても2年以内に調子を崩してやめてしまうことが多い.つまり変えなければいけないのは障害者ではなく社会,多様性を認め,共存する社会をデザインすることが必要.それが凹デザイン.凹があるから気づく,考える,立ち止まり待てる,心地よい,楽しい,コミュニケーションが生まれる.


またユニバーサルデザインの弊害も指摘しています.ユニバーサルデザインとは安心安全.しかし注意を払わなくても,努力をしなくても良い社会を作ってしまう.ポテチの袋にたとえて言うと,外国製のお菓子の袋を開けにくい.そんな経験をすると,やっぱ外国の仕事は雑,日本は良いよねーみたいな話題になる.例えば大人が子どもに口で噛んで開ければいいじゃんというと,えー汚いという.ハサミを取ってこいというと,えーめんどくさいという.挙句の果てには,そんなにお腹空いてないからいいと言う.これがアメリカの子どもならどうか?→普通のこととして対応するだろう 途上国の子どもならどうか?→お腹が空いていたらどんなことをしてでも開けるかも.こんな環境で育った大人が,たとえ英語が話せるようになったとしてもグローバルに働けるのか?と.

他にも興味深い話がたくさんありましたが,このくらいで...


僕もAB型なんで,わりと効率を求める人間です.もっと社会が便利になったらいいなと.でも時々自分が怖くなる感覚があります.他者や自分にキツくなるときがあります.そんなんでいいんでしょうか… 

また便利で簡単な世の中に,少し違和感を感じることもあります.これじゃ人は何も考えないなと.また,便利になることで,人々が得たものは暇です.


不便かー。たまに恋しくなりますね(笑)

特にオチはないのですが、最後まで読んでくださりありがとうございます。








2013年12月14日土曜日

ATAC in 京都に参戦しています 〜OAKの紹介〜

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tomori@京都です.11月から週末に出張か仕事が入っていて,ちょっとバタバタしております.

さて,今回はATACカンファランスに初参戦です.今回はADOC-Sの発表もさせていただくことになってます.

昨日は,「支援技術開発の過ちから学ぶ新たな開発の方向性」という1日のプレセミナーに参加しました.ATを,支援技術機器開発(モノの開発)と,支援技術サービス開発(フィッティングとか社会システムとか)という2つの側面から説明がなされました.両者は車輪のような関係ではあるのですが,開発をメインに考えると,どうしてもサービスがないがしろになって,結局使えない「モノ」になってしまうわけです.

ADOCの場合は役割分担をしています.つまり,全体のデザインは僕,支援技術サービスは臨床の作業療法士,プログラミングは㈱レキサスさん,ということでチームで開発しています.

モノの開発にあたって,思いは一緒だなぁと感じました.それは,利用者も気づかない新しいニーズを創ること! そして社会を変えるためのAT開発ということです.僕たちADOC projectも,コンセプトはmeaningful occupationです.しかしこの動画何度観てもいいよなぁ(笑)



さて,今日はセミナーで紹介されていた「新しい」モノを紹介しますね.

まずセグウェイの車いす版 Freeee
ただかっこいいだけでなく,オフロードに強い,スピードが出るなどの特徴があるようです.確かにいいかもです.動画はこちら


あとは車いすの電動アシスト SmartDrive 車いすの後ろに設置する感じです.見た目しょぼいですが,スピードは出るわ,坂はラクラク登るわ,片手駆動でOKだったりで,とても便利そうでした.ぜひ動画を見てください.






前から紹介しようと思っていたんですが,OAK -Observation and Access with Kinect-です.夢の扉でも紹介されていましたね.


しかしこれは素晴らしいです.動画をぜひ見てください.既存のカメラKinectを使って,空間にスイッチを作ることができます.エアースイッチと言われています.それだけでなく,体幹の軸や顔をキャプチャーしつつ,エアスイッチを移動させることもできます.



また,モーションヒストリーといって動いた部位を色によって定量化する機能もついています.写真で言えば,よく動かした箇所が赤くなっています.


これによって,例えば見た目ではほぼ動いていないような神経筋疾患の方の全身をずーっと撮って,少しだけでも動く部位とかを同定することができます.

僕は運動失調症の定量化に使えるんじゃないかと思いました.また片麻痺患者さんの異常パターンの定量化なんかも,もしかすると使えるかもしれません.あくまで想像ですが.




話それますが,開発関連の話で巖淵守先生が強調されていたのが「アルテク」です.身の回りにある常識的なテクノロジーやテクニックの組み合わせること,だそうです.OAKもKinectというゲーム機として開発されたカメラを活用しています.既存のものを利用すれば普及も早いし,変更も早い.変化のスピードに対応できるということでしょうか.

iPhoneやiPadの登場によってアルテクがたしかに促進されました.アルテクによって,それまで不可能だったことが可能になりました.しかもめまぐるしいスピードで.アルテクは多くの人を幸せにしました.

一方で,同時に起こったのがアプリの価格崩壊.多くのアプリが無料で配信され,300円でも高いなぁ,なんて考えますよね.100円のアプリを売って儲けを出せる人はほんの一握りです.社会を変えたい!利用者のために良いものを創りたい!と燃えているエンジニアさんも,その信念だけで開発を続けることはできません.もちろん僕もその一人です.正直,建前だけじゃ開発なんてできんとです(笑) まあそのジレンマを抱えつつ,これからも社会に貢献できるように頑張って行く所存であります.もちろんアルテクで.

最後まで読んで下さり,ありがとうございました.







2013年12月12日木曜日

日本臨床作業療法学会 プログラム発表〜!

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え?あんた准教授なの?そっか。そうだったね。と、かみさんに言われました。tomoriです。

さて日本臨床作業療法学会の第一回学術大会のプログラムが決まりました。



発表が遅くなって申し訳ございませんでした。集まるかなぁと心配してた演題も、蓋を開けてみれば110という予想外の数となってしまい、会場など予定変更してました。しかし素直に嬉しいです。なぜ研修会ではなく、わざわざ学会を設立したかというと、参加者の発表の機会を作るためです。参加型の学会にしたい... ただ講義を聞く、講習を受ける、それでは学習効果が低い→臨床は変わらないです。一方、発表をする→学習効果が高い→臨床が変わる。そのために会長はじめ理事で、学会を立ち上げました。この思いがたくさんの方に届いた気がします。ホント感謝です。

しかしながら、2日間で腹いっぱい勉強してもらうためにプログラムもキツキツですので、気配りが不十分になることもあるかもです。いや「かも」ではなく、そうなると思います。その際には、どうか参加者も実行委員の一員となって、運営にご協力のほどよろしくお願いします。共創で.


本大会のテーマは「今一度、作業療法の核を問う」です。1980年代に熱く議論が交わされた伝説のテーマを拝借しました。今回のテーマには、先人たちの熱い思いを受け継ぎつつ、古くて新しい日本型作業療法の道すじを示していきたいという、澤田会長をはじめ立ち上げメンバーの思いが込められています。

講演のメンバーも,次世代の作業療法を担っていくであろう方々に来ていただくことになりました。やや身内感高めなので、自分らで次世代とか言うかっ!と突っ込みたくなりますが(笑)、そこは若気の至りということでご容赦下さい。何事も思い切りが必要です(笑)

ただ四名とも現役臨床家というのは良くないですか? 臨床のことって臨床家に聞いたほうが良いと思っています.僕は.そして,作業療法のことは「作業療法士」に聞いたほうが良いと思っています.

演題発表のテーマも非常に多彩です。こんな学会待ってましたと言わんばかりに、全身全霊で作業作業アピールしたものが目立ちますね(笑) 障害ではなく作業に焦点を当てているので、タイトルを見ただけでは、身体/精神/発達/老年が分からず、割り振りどうしようと実行委員的には困った状況にもなっています(笑) その一方で、理学療法士やエンジニアさんによる発表もあり、早くも学際的な一面も見せていますよ。まぁ全国OT学会などとは明らかに一線を画する演題の面々です。純粋に楽しめそうです。


この豪華なプログラムにあと一つ仕上げのスパイスを加えるとすれば、みんなが気楽に声を掛け合うような会になればと切に思ってます。学術大会というとお堅い感じではありますが、それは他の学会が担えばいいのではないでしょうか。本会は「臨床」を変えたい、という思いがあります。とかく私が関わる第一回は、臨床のやりがい、楽しさ、悩み、戸惑い… そんな感情面も大切に、初対面だろうが目上目下、他職種…どんな方でも共有できるような感じにしたいと思ってます。まず情動面をドライブしないと、臨床なんて変わらないと思ってますし。ぜひ気楽に、ラフな格好で,そしてこんなテンションで来てください!(笑)


ワンピース 空島

そして閉会式後には,「作業療法っていいなぁ!」という幸せな気分でお帰りくださいませ.

参加申し込みはこちら

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。








2013年12月7日土曜日

僕たちはADOCを自由に使って欲しいと思っています.

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肋間神経痛?のtomoriです。副鼻腔炎が止んだと思えば…困ったもんだ。

さて、今日はADOCについて受けた質問について、僕個人の意見を書いてみます。ただし、基本的にADOCの使い方はユーザーの自由です。そして,ユーザーは作業療法士に限定していません.理学療法士でも看護師でもケアマネージャーでも,興味のある方ならだれでも,現場の状況に合わせ柔軟にご活用ください。もし面白い活用法を思いついたら教えてください.

では質問の回答です。

Q1 精神科でADOC実施に90分ほどかかった。どのくらい時間がかかるものなのか?


全領域の100名のクライエントに実施した研究で,平均約30分でした.おおよそ30〜60分くらいかかると思います。ただし,イラストを一つひとつを聞いていくと時間がかかるので、ザーッと画面を見せていく中で、大切な作業を選択してもらうほうが良いかと思います。面接が長くなる場合は、画面左上の途中保存機能がありますので、お使いください(意外に知られてないですが)。

90分かかったとしても、もしそれで方向性が明確になるのであれば、目標なく続いている支援の場合や、クライエントの希望が反映されていなかった場合などと比べると、大幅な時間短縮になるでしょうね。たられば的で申し訳ないのですが。

Q2 ADOCではなぜ最初に目標を決めるのか?OTIPMやCPPFだと目標という内容を話すのは、最後なのに。

まず、OTIPMやCPPFはプロセスモデルなので、ADOCと同じレベルで比較出来ないと思います。もし比較するなら、COPMやOSAなどの面接ツールだと思います。そして、ADOCはなぜ目標を最初に聞くの?ということですが、目標を聞くというより、なぜこの作業を選んだのか、whyの部分を聞いて欲しいと思ってます。詳しくはこの動画で。

あと確かにADOCは目標設定のためのツールですが、それは目標を決めること以上に、目標設定にクライエントを巻き込むことが重要だと思っています。「リハの目標はあなた自身の意見が必要なんです」、とセラピストが最初に表明し、クライエントが作業に関する相談をしやすい関係性を築くことが大切です。


Q3 ADOCで聞いてるのは作業ではなく活動ではないか?


ユーザーの知識や思考性に左右されると思います。つまり作業系の学問や理論の知識があるユーザーだと作業に関する話題が多くなり、それが無いユーザーだと活動よりの話題になるかと思います。これは,そもそもADOCだけの問題ではなく、COPM、OSAでも同様のことだと思います.上のインタビュー動画を見ていただければ,クライエントは単なる活動ではなく,作業について語っていることがわかると思います.



Q4 イラストに 手と腕の使用 があるのは,作業や活動を選択するADOCの目的からすると異質な感じがする。

確かに、この項目はメンバーで項目を選んだ時にも議論になりました。含めた理由としては、ICFの活動と参加の項目に入っていること。そして、これは手の機能を高めるとは書いていません。あくまで手を生活で使用すること、です。じゃあどの場面で使いにくいのか、使えるのか、そんな話し合いにつながればと思ってます。

また基本的にこの項目は僕が個人的に推したんですが、それはクライエントの色んな希望や気持ちを受け止めることが大事だと思っているからです。つまり手を使うこと、歩くこと、起き上がること、そういう希望もOTは受け止めることが大切だと思います。




最初でも言いましたが,僕たちはADOCを自由に使って欲しいと思っています.どうやって使うものですか?という質問には,Youtubeで公開されている動画をご覧ください.あと,こんな使い方でいいんですか?という質問も受けますが,その現場に合っているなら良いと思います.

では,最後まで読んで下さりありがとうございました.





2013年12月5日木曜日

「もっともっとものさし」より「大好きものさし」

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今日学生にキレてしまったちっちゃな男.tomoriです.イライラしちゃダメですね.


さて,今日は我が家のやりとりを紹介します(FBに書いたことを編集しました)


僕→やっぱ偉い人たちはすごい努力してる。まだまだ俺は努力が足りないなぁ

カミさん→(笑)はっ? あんた(のレベルなら)もうこのくらいで十分でしょ? 人生7割。いまも十分幸せでしょ? 難しい人だなぁ。あははー(笑)




上を見れば自分が情けなく感じ、下をみればもっとちゃんと働けよと思い、周りを見ればこんな環境では何もできないでしょ言い訳し…

もっと偉くならなければ、もっと賢くならなければ、もっと住みよい社会にしなければ、といった「もっともっとものさし」では、人はいつまでたっても幸せになれません。それは周りと自分を比べることはもちろん、過去の自分と今の自分を比べることもです。

「もっともっとものさし」は,成功のために不可欠なパラメーターだと思われがちですが、そうではないと僕は思ってます。

じゃなにか。好きで好きでたまらないことを無心でやってるうちに、なんとなく成功が後からついてきた、という感じではないでしょうか。本当の成功って。ていうか好きなことをやっているかどうか,でしょうね.

なので、「もっともっとものさし」ではなく、「大好きものさし」を使ったほうが良いでしょうね。自分が好きと思えるかどうか。好き嫌いものさしではないですよ(笑)ゼロは嫌いではなく、普通です。

昨今,SNSなどにより他人と自分を簡単に比較できるようになりました.そんな中,「もっともっとものさし」のネガティブな側面をちゃんと意識しておかないといけませんね。僕もそんな事を,このふとした会話で思い出しました。




老子の言葉で,まさに天下を取らんと欲してこれを為すは,吾,その得ざるを見るのみ,というのがあるそうです.つまり,「天下を取ろうとして策を弄する者に,天下を取れたためしはない」


以下この本の引用です.p165

”さらなる上を目指して努力することを悪いとはいいません.しかし,いまいる場所からはい上がらなければ幸せはないと考えるのは,欲望に振り回されているだけです.だからイライラしてしまうのです.どんな場所,どんな環境であっても幸せでいられる.そんな人のもとにこそ,世界は身を寄せるのです.”

この本オススメです.



この老子の本を読んで,ホントしっくりくるのが侍OTさんです.さすがに侍と名乗るだけあって,本当に禅の人です.彼を知っている人ならすぐ分かると思いますが,いつでも謙虚,朗らか.悪口は言わない,イライラしない,感情的にならない,ブレない,欲張らない,いつも幸せそう,余裕がある,でも好きなことは明確.みんな侍さんのことが大好きです(笑)

先日,その侍OTさんの夢がひとつ叶いました→レンズを通して世界を覗く

しかも,参加人数は245名と過去最多で,多くが作業科学学会の非会員だったそうです.その日は全国各地から参加者が集まりました.準備している彼は,はたから見ていて大変そうなんですよ.でも努力してますって感じでもないんですよ,全く.まさに侍さんは自分の信念や好きなことに没頭し,そんな侍さんの人柄に”世界が身を寄せた”という2日間でした.

夢って,「もっともっとものさし」ではなく,「大好きものさし」で,こうやって叶えていくもの,いや,なんとなく叶っていくものなんだなぁと思いました.




まだまだ自分はできるはずだとか,まだまだ努力が足りないとか,未来は自分次第とか... 僕もそんなロジックで自分を鼓舞しながら頑張ってきました.今後もその気持ちは大切にしたいと思います.

でも,僕は生来ナマケモノ.良く表現すれば脱力系.好きなアーティストは奥田民生です(笑).今こうやって様々な仕事をいただけるのは,僕の能力では身の丈以上.背伸びどころか,厚底ブーツを履いた状態で,自分でもなんでこんなことになっているのか良くわかっていない(笑).だからもう少し周りの曇りなき眼で,周りの景色を楽しみながら,人生ゆっくり生きていこうと思います.

奥田民生 レーザービーム(Perfumeのカバー)



しかしこの動画最高だよな〜(笑)


最後まで読んでいただきありがとうございました.



2013年12月1日日曜日

17回作業科学セミナーに参加してきました。

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tomori@福島です。初めての作業科学セミナー参加です。

僕と作業科学の出会いは、助手になった10年前だったと思います。回復期リハ病棟にいたころ、手探りモヤモヤで作業を用いた実践を行ってきて、事例報告をまとめようとしたときでした。こう表現すれば良いのか! 支援の構造はこんなことやったんか! と霧が晴れた感じでワクワクしながら本を読んだ気がします。

時は過ぎ、いま作業科学はいろんな教科書の序論に当たり前に登場するようになりました。よく耳にするようになりました。セラピストが解剖、運動、生理学を学ぶように、基礎科学として作業科学を学ぶことの重要性を感じています。※作業科学は理論ではなく、学問だそうです。


さて、セミナーです。まず実行委員長である侍OTさんの、ちょっと感動して本気で泣きそうなんですけどどうしたらいいですか…という挨拶で始まりました(笑)。彼のブログを読むと、どんな気持ちでここに立っているかよく分かります。



続いて、楢葉ときわ苑 副施設長 作業療法士の木田佳和さんによる、[震災から現在、そして未来へ]という講演でした。僕がこれまでの人生で聞いたなかで最高の講演でした。


第一章では、震災時が作業を奪ってしまったお話でした。命がけで利用者さんを非難させ、避難所で原発事故によって外にも出れず、利用者さんも自分も作業はく奪された環境の中でどんどん弱っていったそうです。作業によって人はすぐ不健康になります。全てがリアルすぎて思わず涙が出てしまいました。二章では、その中でも利用者さんにとって大切な作業をすることによって、本当にイキイキとした笑顔を引き出して行く、作業の持つパワーについてのお話でした。この環境下で、利用者のためにうちは利用者中心で行くんだ!という信念。そして、他職種でも使いやすいということでADOCも使っていただきました。クライエント中心とか、OBPが出来ないというのは、環境ではなく自分がやるかやらないかだ!と改めて思いました。三章では、作業によって作業をしている時間は楽しいが、原発事故によって未来がどうなるか分からないという不安が常にあり、前に進めない利用者がいる。そんな中、自分たちにできることは、共に歩むことだと…作業療法の本質がシンプルに詰め込まれた、本当に素晴らしい講演でした。





お昼からはポスター発表で、7演題中4演題がADOCを使った実践(笑)。またADOCメンバーがジャックしたと思う方もいるかもですが(笑)、僕は1人も関わってませんよ(笑)。でも皆さんをもちろん知っていて、その堂々とした姿を遠目で見て、1人感動してました。

そしてワークショップで作業の捉え方を約10名を1グループ単位で検討しました。参加者の一人をクライエントとして、大切な作業を単語レベルで言ってもらい、周りが質問。ポストイットに一つづつ書いて、でかい模造紙でカテゴライズするというものでした。授業で使えそうだなと思います。うちのクライエントは外出でした。どこに行くのか、どうやって行くのか、何のために行くのか…など。それを聞くうちに、外出は意味と形態に分かれ、意味では新しい経験をするための外出、だれかと共有したいこと、そして家族の役割としての外出もあることが分かりました。メガネOTさんの職場の後輩が同じグループでしたが、その辺の聞き方が飛び抜けて上手でした。後で話を聞くと、やはり秘蔵っ子だったそうです(笑)

最後はポラタイコ教授の講演で、作業療法に不可欠なこと、でした。自分はバリバリの量的研究者という自己紹介のあと、作業療法の普遍性[universal]をメインテーマに、普遍性を探求するなら一般化しやすい量的研究が当たり前で質的研究は不向き→科学というのは量的研究のイメージ。作業学なら分かるけど→でも量的研究のような実証実験では特異的な"私"が切り離されてしまう→作業は経験だから、重要な情報を見落としてしまう→だから質的研究になってしまう、という、まぁ少し作業科学を批判的に分析した内容でした。僕も、まずは量で捉える方法を探すことが大切だと思います。そして質的研究は、その限界を認識した上で、拡大解釈をしないように注意すべきです。

あと、作業科学では、なんでもかんでも作業療法に結びつけてはいけないです。作業科学は作業の分析、作業療法は効果の検証、その辺の目的を分けて考える必要性を感じました。

そのあとは、作業療法の原理みたいなものを7つ半、写真を使いながら説明してくださいました。最後の半分は、効果はあるけど、何がどの様に効いてるかは未だ分からないから、ということでした。あれ、前半の批判的内容のオチは?みたいな感じでしたが…



レセプションでは、福島の郷土料理や芸能を堪能さてもらいました。踊りは参加型みたいで、種まきOTさんと琉球OTさんが、まさかのプロより目立つ踊りを披露してました(笑)



ポラタイコ教授とも、少しお話出来て、あまりにyou are basic scientist と言うから(笑)、いやいや研究の方向は変えて、今はRCTとかやってますよとアピールしたら、これまた質問の嵐で墓穴を掘るみたいな(笑)。基礎研究しかやってない変なやつという誤解だけは晴らすことができましたが(笑)、ホント英語ができるももっと学術的な話ができたのになぁ…


さてさて、我らが侍さんや実行委員の皆様がここ一年半くらい準備に頑張ってきたOSも終わりです。最後の挨拶で、みんな前に出てきてもらい、本人やや男泣きという、ホント侍さんらしい閉会式でした。本当にお疲れ様でした。



長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださりありがとうございます。


2013年11月27日水曜日

もし自信を失くしたら…

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最近元気ないtomoriです。倦怠感かなぁ。これ。でも元気ないときって、ネガティブループにはまりますよね。

偶然なんですが、最近次女が、アンパンマンたいそうの出だしだけ、ループでずーっと歌ってくれます。

もし自信をなくして くじけそうになったら いいことだけ いいことだけ 思い出せ

ここのループ(笑)。でもこんな短く心に響く詩がかけるって、やっぱやなせさんはすごいですよね。


同じく元気ない友だちにも贈りたいと思います。

最後で読んでくださり、ありがとうございます。



アンパンマンたいそう

作詞:やなせたかし、魚住勉/作曲:馬飼野康二/編曲:近藤浩章/歌:ドリーミング

もし自信をなくして くじけそうになったら いいことだけ いいことだけ 思い出せ

そうさ空と海をこえて 風のようにはしれ  夢と愛をつれて 地球をひとっとび

アンパンマンは君さ 元気を出して  アンパンマンは君さ ちからのかぎり
ほらきらめくよ 君はやさしいヒーローさ


大事なものわすれて べそかきになったら 好きな人と 好きな人と 手をつなげ

そうさ僕と君をつなぐ 虹の橋をわたれ  影と雲がにげて 太陽ひとまわり

アンパンマンは君さ 勇気を出して  アンパンマンは君さ 信じることさ
ほらかがやくよ 君はやさしいヒーローさ

2013年11月22日金曜日

COPM開発者のポラタイコ教授と意見交換してきました!

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今日はCOPMの主開発者であり、Enabling occupation Ⅱの編者である、ポラタイコ教授を成田空港にお迎えにあがりました。



先生はフライトでほぼ寝れなかったらしく、天ぷら屋での食事会はなくなりましたが(笑)、東京まで電車で1時間、ホント有意義な時間を過ごすことができました。まぁ僕は英語ほとんどできないので、一緒に行った留学してた先生と意気投合してましたが(笑)


色々と日本の制度やOTの現状について聞かれましたし、聞きました。びっくりしたのが、カナダの保険制度は日本と同じ国民皆保険で、基本無料だけどエビデンスがない事には保険が利かないらしい…で、そこでポラタイコ先生が例に挙げたのが感覚統合。SIはカナダでは保険外診療になるとのこと。でも逆にエビデンスがあれば無制限で受けられるとのこと。

あとカナダの大学は全て国立で、OT養成校の数は13だとか。日本の学校数と年間卒業OT数を伝えると、じぇじぇじえ!みたいな顔でした(笑)カナダのOTの総数は10000人くらいだそうです。日本の1/6ですね。


そして、僕の名刺でPhDだと分かると、何やってるの?と聞かれ、んー、今は違うけどと言ったけども、いやいや前は何してたんだ?としつこく聞かれ、基礎研究です。しかも動物実験というと、PTなの?と聞かれ(笑)、いやいやOTだという話しから、ちょっと無理やりに、ADOCも紹介しました。コピーライトの件は、あー、なんとなく覚えているよ、でも自分はあまり知らないけど、気にしなくていいと思うとのこと。一通り流れを説明した後、なぜ満足度にしたのかと、すごい突っ込まれました。いや難しいよ、でも満足度は重要度と似てるから、むしろ残すなら私は遂行度。あなたの考えでいいので、なぜ、なぜ、なぜに満足度なんだ!と切り込まれてタジタジでした…そこまで深く考えてなかったというのが正直なところなんですが、でも実はこの辺はデータを取るうちに僕も悩んでたのもあって、もう少しちゃんと調べてみようと思いました。

まぁ、基本的にADOCもADOC-Sもvery interestingと何度も言っていただきました。どのくらいデータはとってるのかとか、ちゃんとResearchするように、とのことでした。一応論文をお渡ししました。ちょっとCOPMでは難しいとこあるよね、と書いた論文を開発者にヽ(´o`;


もひとつ興味深かったのが、僕は最後まで筋生理学者とだ思われてたけど、それは一部分ではあるが大事なことだ、機能面も大事と即座に答えていたことです。しかも僕が、COPM changes my life と言った後だったのに(笑)。

これは個人的な予想なんですが、ポラタイコ先生は、単に多様性を認めているというより、それ以上に科学や学問を大切にしてそうな感じでした。作業にからめてね。それはなんとなく嬉しかったです。しかし筋生理学者が作ったならADOCも大したことないなとおもわれたよなぁ(笑)ショック(笑)いやいや、先生はちゃんと学問的視点で判断してくれるだろう(笑)

ちゃんとサインはもらいましたよ(笑)




先日飲み過ぎでメガネをなくしたことに珍しく反省というものをして、東京でのお酒はほどほどに帰宅中なんですが(笑)、僕はこれからどう進むべきか、夜風に吹かれながら考えました。もちろん答えなんかでるはずもなく、英語もできない自分に無力感を覚えつつも、夏に韓国に行ったし、もっと世界のOTさんと意見交換してみたいなぁという思いは強くなりました。だって一時間でこんなに勉強できるのに、日本語しか話せないってかなり損してるよねぇ(笑)

半年後はWFOTです。滅多にないチャンスですよね!


2013年11月17日日曜日

そろそろ機能訓練についてちゃんと考えないと…

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とうとう飲み会でメガネなくしてしまいました。tomoriです。

なんで飲み過ぎたかというと、昨日はかの竹林さんに、本学の大学院の講義に来ていただき、盛り上がってました(笑)



彼の講義はかれこれ5回目くらいですが(自分企画が4回w)、毎回新たな話が盛り込まれます。つまりいつも最先端の話をしているんです。膨大な基礎知識を持ちつつ、それに引っ張られず、うまく使って臨床で結果を出す。いやー、本当に尊敬している仲間です。


彼は徒手的な機能訓練と、道具を使う課題指向型訓練と、うまく組み合わせて下さいと言います。僕もそう思うのですが、今日はあえてそこを少し突っ込んで書いてみます。

組み合わせと言いますが、かなり重度な方以外は課題指向型訓練を適用できますし、徒手的な機能訓練のエビデンスは、無いに等しいくらい弱いです。

また、道具を使った課題は、徒手的な介入では見落としているであろう課題遂行に必要な要素への介入を補ってくれるそうです。人が体を動かすには様々な要素が必要になります。その一つ一つを評価するのは決して簡単なことではありません。てか無理(笑)課題に必要な要素を、課題から教えてもらうって感じですね。

そして何より、徒手的な介入は、セラピストへの依存を高めます。

これらを総合的に考えると、徒手的な機能訓練は本当に必要な人や必要な時だけに、限定的に使う方が良いのではないか、というのが僕のイメージする組み合わせです。

決してするな、ということではないんです。でもはたしてどのくらいの作業療法士が色んなことを理解し、両者をうまく組み合わせているのだろうかと思います。知らない方が多いと思いますし、知ってたとしても、厳しい言い方ですが、自分は組み合わせている人間だ、と都合の良い解釈をしてはいないでしょうか。


徒手的な介入は、患者さんから求められるし、喜ばれるし、感謝されます。彼の話では、介入後の患者さんはめっちゃ良くなってるのですが、お菓子の一つもらったことが無いと(笑) なぜか? 患者さんは自分で練習して良くなった、自分でやらないと良くならない、と認識しているからだそうです。彼の治療は、「治す」ではなく、「治る」です。

そう考えると、徒手的訓練や課題指向型訓練がどうこうというちっちゃい話ではなくなりますよね。患者さんが自分自身で「治る」という認識を持って、自律的に生活を再構築して行けるようになるにはどうすれば良いか、常日頃意識しながら訓練を選択していきたいですね。

最後まで読んで下さりありがとうございました。

2013年11月7日木曜日

MacのキーボードをUSにしようかどうか迷っている人へ (笑)

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好きなものは自由とMac.tomoriです.やっとMac買い換えました.毎日ハードに使いこなしているので,耐用年数は2年ないくらいです.キーボード壊れてるし,裏のネジはないし,画面のヒンジがガタガタいうし.まあ,まだ使えることは確かなんですが,教員にとってパソコンは常に使うツールなので,できるだけ早く,安全なものが良い,ということに尽きると思います.


そこで,今日はMacのキーボード.どうせMac買うならをキーボードをUSにしたいけども,かな変換とかめんどくさそうだなぁと思っている方や,どうせMacを買うのであればカッコ良くありたいという思いでUSキーボードにしたのは良いが,不便さを感じて使っている方へ.



使うappは KeyRemap4MacBook といいます.もちろんフリーです.

インストールするときには右クリックで 「開く」 を選択してください.


僕がキー変換で設定しているのは,この2つだけです.USキーボードは forward delete と かな変換ボタン がないんですよね.スペースキーのcommandボタンの左を英数,右をかな入力にするだけで,USキーボードが劇的に使いやすくなります.英語を入力しようと思って「あどc」と入力した場合,JISキーボードでは英数ボタンを2回押すと「adoc」と変換されていました.これがUSでもできるようになっています.これで素人が使う分にはUSとJISの差はなくなったといっても過言ではないでしょう.



また.このアプリでは,ボタンの長押し→連続入力の速度を短くできます.
例えばdeleteを長押したとき,文字を消す速度がグンっと早くなります.


key repertが10ms違うだけで,ホント違いますよ(笑)




あと,文字入力はGoogleの日本語入力をダウンロードして使っています.これは橈骨とか体幹とか大腿筋膜張筋とか,医療単語をサクっと変換してくれますし,芸能人とか,現代的名詞もサクッと変換してくれます.これも外せません.



あとは単語登録.僕は「わ」と打てば「(笑)」になるし,「お」と打てば,「お世話になります.神奈川県立保健福祉大学 友利です.」に変換するようになっています.iCloudで共有できるようですが,僕はgoogleを使っているので,二度手間になっています.





これらはほんの小さなことですが,こういう工夫を積み重ねて仕事を早く終るようにしています,というとカッコ良いですが,あまり関係ないかもしれません(笑) でも入力のストレスは明らかに減ります.

参考までに...

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※すみません,昨日下書きを誤ってアップしてしまいました.朝から書き換えています.

最後まで読んで下さりありがとうございました.




2013年11月6日水曜日

臨床でせめて歩合給を導入できないものか...

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長崎から戻りました.tomoriです.

さて,帰路の飛行機でふと思ったことがあります.

なぜ臨床では,病室によって別料金を取るのに,セラピストによって別料金は取らないのか.
なぜ臨床では,1ヶ月400単位の人と350単位の人の給料が同じなのか.
なぜ臨床では,寝る間を惜しんで勉強している人と,何も勉強しない人の給料が同じなのか.

世間一般的にこれって常識ですか? おかしいと思いません? 新卒が診療しても一流(ベテランとは書かないw)がしても同じ点数.なので給料を上げにくい.上げる必要がない.それならまだしも請求単位の多い少ないにかかわらず同じ給料という,歩合給にすらならない現状.能力給なんて夢のまた夢.そして病院はその仕組みを利用し,若い人の回転率を求めます.世間で言うブラック企業です(笑).

とかく,頑張っても頑張らなくても報酬(お金だけじゃなく)は変わらない.そんな環境でどうやって一生懸命働けと言うのですか.これでは「楽をしたほうが勝ち」になってしまいます.

僕はやる気を出さない人の味方をしたいわけではありません.もちろん僕が上司ならそんな奴は雇いたくないです.それを前提として,僕はリハの管理者にしっかりしてほしいと思っています.この就労環境を当たり前と思わないでほしい.もっと経営者と交渉してほしい.そう思って書いています.

じゃどう交渉するか.本来ならば能力給.でもそのためには客観的な能力評価が必要です.それはリハではなかなか難しい問題なんですよね.協会の認定制度は今のところマニアックなものしかないですし... PTは着々と準備しているようですが.

なので現実的なAB型の僕は,歩合給にしてみてはどうかと思っています.基本給+歩合給.つまり,より多く単位を請求した人が給料を多くもらえます.休みに出勤した場合には1割増とか.パートや時短で仕事がしたいという人にとっても,負い目がなくて良いですよね.もしくは,自宅復帰率やFIM点数増加率などで評価するのもありかもしれません.その際には,いろいろと慎重にならないといけ無いというか人物評価の労力コストがかかるので,まずは機械的に歩合制が無難なところかなと思っています.

あと大事なことは,リハ科全体として成果をあげた場合も歩合給にすることですね.その仕組みだと,皆がどうすれば効率よくリハ科を運営できるか考えるようになります.年上だろうが年下だろうが,よい意見は良い.もっと運営に関わってもらわないといけない.そんな時代です.

いま多くの病院は赤字です.消費税が上がることで,その赤字はもっと増えるでしょう.だって診療報酬が上がるわけではない,つまり患者さんが増加した3%を負担してくれるわけではないので,病院の持ち出しの額が増えるだけです.そうなると,どこを削るのかといえば人件費なんです... 

歩合制にすることで,各人が自分のアタマで考えるようになると思います.そこがポイントなんですよね.とかく今は多くが思考停止しやすい環境にあるということです.そこの認識から始めましょう.

魔の2歳まっさかりの次女に真っ向からケンカする長女をあやしながらの帰り道.アタマではどうすれば効率よく皆がWin-Winになれるのか考えてました.もちろん資本主義なので,皆といっても全部の病院がWinになれるわけではなく,一部の病院でということになりますが.

なんともオチの無い話しなんですが,ぼちぼち仕事しないといけないので,ここらへんで...

最後までお付き合いいただきありがとうございました.


2013年11月3日日曜日

OT協会が定義改定に関する意見を募集中です.

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tomori @nagasakiです.昨日は家族親戚全員でテレビを囲んで巨人を応援するという、カミさん曰く昭和的な夕食で、ホント楽しかったです。今日は負けたけどね。


さて,日本作業療法士協会が,作業療法の定義を改定することが正式に決定したようです.これです。

作業療法とは身体または精神に障害がある者、またはそれが予測される者に対して、その主体的な活動の獲得を図るため、諸機能の回復、維持または開発を促す作業活動を用いて行なう治療、訓練、指導および援助を行なうことである。

そして会員から意見を募集しています。協会HPの会員向け情報の
WEB版会員用掲示板のページです。

http://www.jaot.or.jp/administration/keijiban.html

**意見するには会員個々に割り当てられたパスワードが必要です。

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「定義なんて改定しても臨床は何も変わらないよ」とか、「どうせ上の人たちが勝手に決めるんでしょ」とか思ってませんか?

そして、決まったら決まったで、「それって違うよねぇ」とか、「協会がこうだから日本のOTはこうなってしまった…」などと酒の肴になる。

正直に言うと、ごめんなさい。僕もかつてはそう思ってました。文句グダグダの人間でした。

でもね、何でもかんでも人のせいにして、文句ばかり言うのはもうやめようと思っています。将来働きやすい環境になるように、ほんの少しでも動いてみようと思っています。仕事も、ブログもその一環として始めました。

ぜひこのブログを読んで下さっている作業療法士の方も、今は会員外になる作業療法学生も、自分たちの行動指針になりうる定義について真剣に考えてみませんか?

若者だから、学生だから、自分の意見なんて…と思うかもしれません。でも逆に経験を積むほど純粋な視点が薄れていくので、え?それって作業療法なの?とか、これが作業療法じゃないの?いう意見は、本当に貴重です。特に若者や学生と話していると、忘れがちな初心を思い出すことができます。

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先生、作業療法ってなんですか?

最近多くの作業療法士と話す機会がありますが、ホントよく耳にします。

でもね.沢山の作業療法士と話してみて、やってることは一見違えど,僕は作業療法士の根っこの部分は同じ思いや考えがあると思っています。奥深い根っこの部分の共通認識を整理するとなると,定義に行き着きますよね。

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理想を言えば,作業療法の定義は世界共通が良いと思います.ただ,作業療法は社会のあり方によって変わります.医療がまともに受けられない国もあれば,タダの国もあります.現にWFOTの定義を日本でそのまま使うとなると,違和感を感じるOTも少なくないと思います.

また,前にブログでも書いた通り,これから作業療法は国家資格として、社会にどんどん貢献していく必要があります→作業療法はふらふらしてますが、それがなにか?(笑)


自分一人の小さな意見なんて...と思うかもしれません。でも、一人の意見がちゃんと反映されるように,パブリックコメントを募集されています。

結果的に定義がどうなろうとも、いいじゃないですか。一人ひとりが自分たちの将来について、真剣に考えていくプロセスのほうが大事な事だと考えます。

皆でどんどん意見してみましょうがないですか。

最後まで読んでくださりありがとうございます。






2013年10月25日金曜日

医療は産業となりうるか?

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今日もマックで朝ノマドしてました。tomoriです.最近は急に寒くなってきましたね.これからジーパンの下にスパッツ履いて,冷たいMacのキーボードにストレスを感じながら,また根性試しみたいな日々が続くかと思うとイヤですね〜.やるけど(笑)

さて,先日Smart city week 2013というイベントに参戦してきました.大学業務で色々と予定があったのですが...ごめんなさい.

総務省の方ちよるICTを活用した街づくり,CYBERDYNEさんのHAL,そして数年前から一度聞きたかった,医療法人社団KNI 理事長 北原茂実 先生のお話を聞くことができました.

北原先生は,病院がトヨタを超える日 という本を書かれています.僕も大好きな本なので,ぜひ興味ある方は読んでください.




医療で儲けちゃいけないのか?
北原先生は様々な取り組みをされている外科医兼実業家って感じです.まず医療崩壊は医療費が足りないことに起因するということで,成人する人数と看護・介護の入学定員数から概算すると,1/12は看護や介護職に就いている.だから本当の意味で人手不足ではない.じゃなぜか.給料が安いから仕事が続けられない!(笑)という話や,医療費をしぼるから高齢者がお金を使わなくなり,貯めこんでしまって,総資産はあるのにGDPの減少が止まらない,などの話しから,医療はもっと自由化,産業化することが必要だという話しをされていました.つまり,医療は「総合生活産業」として、これからの産業の中心になりうるということを力説されていました.命を相手の仕事は尊いものだけも、飛行機だって,農業だって,建築だって,何か事故があれば沢山の人の声明に関わる.つまり多くの仕事が人の命を扱っているので,医療だけ特別視するのもどうか,という主張でした.


カンボジアへの医療の輸出
医療は「地産地消」であるべき!と.東南アジアでは,優秀な医師や看護師や国外へ逃げていくばかりか,国内の病院は海外の資本というかデカイ病院が高い金でスタッフを囲い込む事態.それで何が起こっているかというと,普通の方が医療を受けることができないということでした.それではイカンぜよと.カンボジア国内に立派な病院,大学を設立し,地元の人による地元のための医療を育てていくことを支援するという感じでした.また面白いのが,北原脳神経外科病院がある八王子の中小企業を募って海外進出を支援したり,政府や大手企業も募って,そのカンボジアへの輸出をやっていること。すごいマネジメントですね。あと僕の好きなリバースイノベーション.つまり日本では制約が多すぎてできないような診療システムをカンボジアなどで試験的に実施し,将来的に日本の戻せるようにと,そんな狙いもあるようです.


医療と農業の融合
リハビリテーションに関することでは,医療と農業との融合?を考えているそうです.面白かったのが,カンボジアの人が脳外?などのオペを受けるときに,当人の農地を病院が買い取って手術費に当て,病院が持っている農場で職業訓練として働かせて,その賃金で再び自分が売った農地を買い戻させる,というシステムをやっているそうです.ちょっと聞き違えたとこもあるかもですが、発想がすごくないですか(笑)竹林さんからも少し聞いたんですが,やはり東南アジアなどでは働けるかどうかがリハの大きなポイントだそうです.北原先生は地元のニーズに真摯に向き合っているんだろうなと思いました.我が国のリハビリテーションは,作業療法は,クライエントである国民のニーズに本当に真剣に向き合っているのでしょうか…


今の社会について作業療法はもっと真剣に考える必要があるのでは?
ここからは講演を聞いて僕が感じたことをまとめます.もともとリハビリテーションていうか作業療法は職業的復帰に強い意味合いを持ってました。国が豊かになり、リハが医療、福祉シフトしてから、人間的復権みたいな説明になりました。でも僕は,これからは人がやる「仕事」を創りだすことが最も重要な社会の課題だと思っていますし,作業療法でもそこをちゃんと考えてかないとと思っています.もはや,少子高齢化によって生産人口が減ることは分かりきっています.今私たちの仕事は,患者さんを支援し,国全体の公助費から賃金をもらう,というシステムですが,そのサイクルでは今後破綻するんですよね.それだけならまだしも,これからもっともっとコンピューターが仕事を奪っていきます.世の中どんどん便利になっていき、便利になるほどヒマな人が増え(笑)どんどん人の仕事が減るという矛盾.農業も時代はこうなっていくでしょう→ハイテク農業が予想以上に凄いことになってた…

新井※は「健康感の維持もまた作業療法によって達せられる一つの効果であって,有益なる仕事をなす事が出来るという意識を持つほど人間に希望と健康感を与えるものは何物もないだろう」と述べています.僕,この言葉好きなんですよね〜.まぁ、仕事だけじゃないけど、作業療法も,人の筋骨だけでなく,認知機能だけでなく,ADLだけでなく,対象者や家族だけでなく,もう少し社会全体を見渡しながら,自分たちの立ち位置や今後の方向性を考える時期に来ています.視野を広く持ち,国民が困っていることは何なのか,それに応えるにはどうすれば良いのか,人任せにせず,OT一人ひとりが考える必要があると思います.

 ※秋元波留夫,編:新 作業療法の源流.東京:三輪書店,1991.

最後まで読んでくださり,ありがとうございました.








2013年10月20日日曜日

作業療法はふらふらしてますが、それがなにか?(笑)

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五年ぶりにマーローズのプリン食べました。tomoriです。初めて食べた時は、なんだこの極上プリンは!と思ったもんですが、今日は一口パク。あれ。んー、もういっちょパク。そ、素朴な味わいやね。いや普通?いやいやこれってパルシステムのプリンの味じゃね?という結論に至りました。味覚は日々変わるものです。

さて、今日は東京都作業療法学会に参戦してきました。なんたって我らがリーダー。メガネさんが学会長です。雨だろうと関係ありません。いや嘘です。朝ちょっとやめようかなと思いました(笑)

メガネさんの学会長講演は面白かったです。


テーマは

東京から発信する新しい作業療法の創造

まず、人口減少、OTの急増、診療報酬の減額、年収減少、医療費パンク、という現実から、将来の見通しはそう明るくないですよ、と。ただ、作業機能障害は色んなところに転がっている。citizenもそのことは潜在的に分かっている。なので、これからはマーケティングを広げないといけない、という提言。例えば、健康高齢者、ニート、生活保護、介護疲れ、失恋、打ち込める事がない人などなど。作業機能障害という観点から、まだ作業療法の知識が役立てるだろうと。そのためには、大学、NPO、士会が協業しなければいけないし、教育で経営学を教えた方が良いとのことでした。


しまいには、コーヒー飲めないけど悩み相談の喫茶店なんかどうだろう、という話になりました。イマイチウケて無かったけど(笑)

でもね、僕はメガネさんらしい先見の明というか、嗅覚の良さなんだろうと思います。これって職域拡大じゃないんです。作業療法は社会に求められることをやっていこうということなんです。それが作業療法の本質であり、強さであり、作業療法が今後無くならないであろう1番の理由なんです。しなやかさが命。逆に言えば、それができなければ淘汰されるでしょう。

機能訓練が求められる時は機能訓練をして、OBPが求められる時はOBPをして、次は何でしょうね。

こういうと、節操がないと自責の念にかられるOTも少なくないと思いますが、ふらふらしてていいじゃん(笑)むしろ僕は芯なんていらないと思う。台風が来たときに最初に折れてしまいますよ。これから大切なのはしなやかさ。これだ!って全てを決めてしまうことは、これだ!と一つのものにすがるのは、今のご時世危ないすね。

そんなことを再確認できた、良い学会でした。


最後まで読んでくださりありがとうございました。




2013年10月16日水曜日

なんか理想的な発達作業療法を見せてもらいました。

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大きい子供 tomori です.

さて,昨日はちびっ子OTさんと元ゼミ生を引き連れて,岐阜の熱血OT,Y先生の臨床を見学させていただきました.Y先生は激アツの勉強会もされています.まぁ大きな子ども四人が岐阜に集結した、みたいな感じですかね(笑)

Y先生のいらっしゃる岐阜の西濃地区では,行政,教育,専門家が一丸となって子供を支援するシステムを作ってます。通常,行政はお役所仕事,教育は超保守的,専門家は縦割り社会,なので,この3つが有機的に連携することなど滅多に無いといっても過言ではありません。しかし西濃地区では,西濃圏域連携協議会をベースに強固な連携が取れており,作業療法士も教育現場から信頼され,呼ばれすぎて逆に困っているという状況のようでした.確かに午前中は、保育士、保健師、役所の方が着てました。

また今度できる施設でADOC-Sを導入したいということもあり、少しその辺で意見交換もさせて頂きました。


また当日は,Y先生の綿密なコーディネートで,

1) ちびっ子OTさんが教員や保護者にADOC-Sで面接し,目標設定をする.
2) 直後にそのお子さんへ感覚統合のようなアスレチックを使った遊びの介入を,保育士さんや支援員さんがメインで行う
3) 介入時の振り返りと今後の生活についての検討


という,夢のようなコラボを何と午前午後と2回も堪能させていただきました.細かい内容は書けませんが,僕が感じたことを3つのポイントに絞ってみたいと思います.



1) 目標は子供の作業に設定し,それを何度も何度も確認する

午前は保育士さんと加配の先生をクライエントとして,午後は保護者をクライエントにして,クライエントがその子の将来のために届けたい保育や関わりとは何か?ということを,ADOC-Sで整理,言語化,共有しました.言葉が遅れている,という場合には,そのことで生活上どんなことが気になるのかと子供にどうなって欲しいのか?と作業に焦点を当てていきます.リフレーミングの手法を使って。そして,ちびっ子さんは,面接中に目標について何度も何度も確認してました.そもそも,子供の対応に日々忙しいため,何か将来の目標を立てて,それに向かって取り組むという経験がかなり少ないようです.なので,目標という概念が持ちにくいそうです.成人の中途障害とかだと,前に経験したことがある作業があって,何となくそこを目指すという感じですが,子供の場合には未経験,見えない将来を想像し,創造していくというプロセスです.よって目標は何度も何度も確認する必要があるとのことでした.



2) ニュートラルな観察

いつも思うのですが,デキる臨床家って観察力が半端ないですよね.それには先入観を抜くことが大切です.例えば,言葉が出てきにくいというお子さんでもハイタッチならできた,というと簡単に聞こえますが,だいたいは言葉が出にくいということに着目しているので,ハイタッチができることを見逃しています.友達と交われない,という視点で観ていると,でも教室からは出ていかなかったよねという事実や,友達を心配そうに見つめる目などを見逃していまいます.クライエントにポジティブな見方をして欲しいと思って、ただただポジティブな言葉を並べても、不安が強い保護者や先生には届きません。ましてや心理検査の結果など、正常か異常かの視点を強めるばかりです。そういう意味でも観察は大切だと思います。


3) 健康になるのはクライエント本人

僕らの仲間にホントに共通しているのは,セラピスト「治す」よりもクライエントが「治る」なんですよね.もちろん専門職を放棄しているわけではありません.頭を最大限に活用させ,様々なことをやります.でもあくまで黒子なんですね.本人が自分で健康になったと思わせるような関わりをするんですね.昨日で言えば,巡回相談では支援員さんがクライエントで,支援員さんができるようになることが目標です.ADOC-Sで目標設定後の遊びのセッションは,支援員さんたちが企画したものをやるのですが,最初子供がなかなか参加してくれませんでした.そこでY先生が入って,場が一気に変化し,子どもも楽しそうに様々な遊びにチャレンジしていました.で,最後の振り返りで,Y先生は支援員さんにお詫びしていました.「今日は一つお詫びしなければいけません.皆さんの企画したセッションを乗っ取ってしまい申し訳ございませんでした.最近は上手くいかないのも経験と思ってなるべく入らないようにしているのですが,今日はADOC-Sで目標を共有して,自分でやりたくなってしまったんです.あはは。すみせん」 みたいなコメントをされてました。支援員さんに過度な失敗体験はさせず、でも依存関係にはならず…なかなか出来ないコメントだなぁと思いました。支援員さんたちの目は真剣そのもので、もっと頑張らねば、という表情でした。



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まぁいつも喋ってるようなトップダウンの内容になってしまいました。しかし僕もそろそろ頭が固くなってきた証拠ですね(笑)何か新たな体験が必要なのかもしれません。




おまけですが、夕飯は念願の洋食OKADAに連れてって頂きました。ホムペかっこいいので、ぜひぜひ見てください。

フレンチを安く腹いっぱい食べさせる、という信念があるそうです(笑) 初日はメニューにないカツカレーめちゃくちゃ美味かったです。しかし残念なことに、その後まさかの体調不良で、もともと二日行く予定で、みんなは赤字メニューというA5ランクの飛騨牛のステーキ丼を笑顔で食ってる隣で、オムライスでした…いやオムライスも美味しかったですよ…はぁ。

最後まで読んでくださりありがとうございました。










2013年10月12日土曜日

創りたいのは体験→事例本.

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今日夕飯に作ったチャーハンが中華料理店を凌駕するほどのパラパラさ,そこそこの味だったので,もしやこれで飯食えるんじゃないかと勘違いするほどでした.tomoriです.


さて,今日は東京ドームのふもと,医学書院さんにお邪魔してきました.事例本のデザインについて,デザイナーさんと打合せでした.



まだ全ての原稿も脱稿していないのにデザイン?と思うかもですが,ここは外せないんです(笑) 緊張して一人で汗ダクダクになり,また最悪なことにハンカチを忘れたので,まさかのおしぼりで額の汗をぬぐいながら,デザイナーさんに言いました.

「僕ら編集の4人は,事例本を通して作業療法の楽しさ,面白さを伝えたいんです.そのために,文字だけでなく,楽しそうな作業療法場面の写真を沢山使いたいんです.事例本は,教科書,学術誌,雑誌の三つを融合した新たなジャンルの本にしたいんです.今までにないという意味では,こういう感じで創りたいという見本はないのですが,こういう本にはしたくないという見本なら沢山あります」と,いうことで,部分的に参考になりそうなイメージの本はまさかの全て普通の本や雑誌で(笑),作りたくない本は全てOTの教科書.これらを並べて,思いの丈を伝えました.しかし今日はカバンが海外旅行の時以上に重たかった.

「教科書って聞いてたから固めのイメージかなと思ってましたが,少し柔らかめでいいんですね」ということで,話しは進みました.そして,本文,章扉,コラム,表紙のデザイン... しまいには印刷の方法や紙質について話し合いました(笑).皆さん嫌がらずに真剣に話しを聞いてくださって本当に感謝です.直接お会いできたのも嬉しかったですね.穏やかで優しそうな方でした.

その後,今後の予定について担当者の方と話し合いましたが,3月の日本臨床作業療法学に間に合わせるには,かなりギリギリのスケジュールですよと,「ですよね〜」とまた汗が出てきそうな感じでいっきに現実に引き戻されました(笑).とかく10月中に原稿とか写真とかを揃えないとかなりヤバいということで,やんわりお尻を叩かれました... あいすみません...


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自宅に戻り,カミさんと話していて,AB型って何かを創ることが得意で,エンジニアとか研究者とか向いてるみたいねと.確かにエンジニアとか技術職には憧れるなぁと,先日学生と話してました.

でも,最初に言った通り,僕らが事例本で創りたいのは,本という有形のモノじゃなくって,形のない「体験」なんですよね.表紙が与える「驚き」,手に取ったときの「感触」,読み進めていくときの「そうそう感」,事例を真似して生まれるであろう作業療法の「やりがい」,そして事例報告をまとめる「楽しさ」.そんな感じで,僕らの焦点はあきらかに「体験」です.

まぁそんなこんなで,今日も早起きしているのですが,こうやって原稿でなくブログを書いています(笑) まあコレは目覚めのコーヒーみたいなもんです.助走です(笑)


最後まで読んで下さりありがとうございました.





2013年10月11日金曜日

ADOC・ADOC-S アップデートしました

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最近ブログ書いてないねとカミさんに言われました.tomoriです.
すみません,下書きは幾つかあるのですが,なかなか気持ちがのらなくて...


さて,今回はご報告ということで.

ADOCとADOC-Sをバージョンアップしました.

特にADOCに関しては,iOS7にアップデートすると日本語入力が出来なかったということで,ユーザーの皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした.
そんなこんなで,バージョンが7になりました.これが物ベースのツールでは難しいことですよね.ユーザーの皆さんの意見を取りいれながら共創する,って感じが僕は好きです.どうぞご意見などございましたら,ご連絡ください.

ホムペ→ http://adoc.lexues.co.jp/


ADOC-Sも,少しずつ使われてきているようで,イラストによって生活のイメージがわき,お母さんが何を大切にして園に通ってほしいか明確になったとか,耳にしました.また先日,宮古島でも試験的導入が始まりそうな感じです.一方で,会議で使うメリットはないと思う,という意見もあります.ネガティブな意見もありがたいですね.万人うけするものは無いとは思いますが,真摯に受け止め対応を考えていきたいと思います.

サイト→http://adoc-s.lexues.co.jp/

そんなこんなで,ADOC,ADOC-S,どうぞ今後ともよろしくお願いいたします.
いま3番目のADOC for handの開発に向けて,頑張っています〜.

最後まで読んでいただきありがとうございました.




以下,アップデートの内容です.

ADOC
バージョン 1.7 の新機能
iOS7端末でのキーボードの漢字変換ができない事象を修正
iOS7端末でのメーラーが起動できない事象を修正

ADOC-S
バージョン 1.0.1 の新機能
通信時のタイムアウト設定を追加しました。

2013年10月2日水曜日

「ジグソーパズル型学力」と「レゴ型学力」(藤原和博 先生)

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小さいころから勉強が嫌いでした.tomoriです.OTを目指すくらいから因数分解を勉強する意味が分かるようになりました(笑)学校に入学するためです.

でも僕は,昔からずーっとずーっと疑問に思っていました.今でも思っています.

なぜ勉強しないといけないのか?

ごにょごにょ難しいことを言う人はいるけど,きっと答えは単純明快なんだろうなと思ってて,ずーっと探し求めています.だから,本屋さんに行ったとき,スッと手にとり,気づいたらレジに並んでいた,というのがこの本.



だって著者すごくないですか? 荒俣宏、内田樹、瀬戸内寂聴、坂東眞理子、福岡伸一、藤原和博、茂木健一郎、養老孟司, ですよ! 本当に僕の好きな人ばかりです.

で,読んでみて,一番納得できたのが,藤原先生.つぎに養老先生.

藤原先生はいつもの通り,勉強の構造を分かりやすいメタファで示してくれました.成長社会(皆一丸となって頑張ろう)から成熟社会(個々を尊重しよう)に移行しつつある.成熟社会では,「正解」ではなく,個々人の「納得解」が重要.そのためには,従来の情報処理力を高める教育から,情報編集力を高める教育に切り替えるように,と.情報処理力は「ジグソーパズル型学力」で,情報編集力は「レゴ型学力」だって(笑) なぜ勉強をしないといけないのか?という子どもは,情報処理力を高めるための従来の学校の勉強は役に立たないと,直感的に感じているのではないか?とのことです.あはは(笑) そうそう,僕もそう思ってました.

もちろん,だからといって,情報編集力だけ高めればよいかというとそうではなくて,情報処理力も必要で,レゴ型能力が高くでも,肝心のブロック(情報処理力?知識?)がなければ組み立てることはできない,みたいに表現していました.納得.

ちなみに,おまけとして,日本が行き詰まっているのは,日本の官僚たちは,究極まで情報処理力を高められた精鋭であって,目指すべき世界観を描くためのレゴ型能力が足りないからだって(笑) おもわず声を出して笑ってしまいました(笑) 

養老先生は,「それは勉強しながら自分で考えることだろ?」てことらしいです.納得したわ〜(笑)勉強とはなんぞやという本質的な話しはどうでもよくて,勉強したくないという子どもの心の根底にあるメッセージを汲み取れと.そもそも学校というシステムに違和感がないほうがおかしいらしい.やっぱりかー(笑) あと,人生に正解や目的があって最短距離を進むのならば,生まれたらすぐ死ねばいいと(笑) グローバルな人材育成とかケチなことを考えるな.悩むことにこそ意味がある.みたいな.養老ぶしで,哲学的ですが,なんか本質に近づいてきた感じがします.


まあ,結局のところ,僕自身の人生につじつまがあう部分だけを選んで納得している(笑).僕の能力は情報編集力に偏っていて,知識は非常に欠けています.でも,知識はWebやパソコンがどんどん補ってくれるとも思っています.Google先生はホント欠かせないツールになりました.僕の頭は空っぽ,スキルは何もないんですが,まわりにすごい知識やスキルを持つ友達がいます.

情報をうまく組み合わせる情報編集力.人と人,アイデアとアイデアをつなげる能力.多くの納得を得るための共感力.そんな勉強はこれから必要だと思います.もちろん不勉強な僕を正当化するつもりは毛頭なくて,はいがんばります(笑)


最後まで読んでくださりありがとうございました.


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