2010年3月31日水曜日

サクラサク

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ソメイヨシノが好きなtomoriです.


今日は国家試験の発表で,OTは82%の合格率でした.

合格した82%の人たち,おめでとう!
ようやくスタートラインです.頑張ってください.

今回はダメだった18%の人たち,残念でした.
次がんばってください.

おととい,駅で偶然に卒業生を見かけました.
その卒業生は一度国試に失敗していました.でもあきらめずに翌年合格し,今はOTとして働いています.
疲れた顔をしていましたが,真面目に働いた人の顔だったので,とても嬉しく思いました.
あきらめなければきっと受かると思います.


ていうか,国家試験はコツです.僕なりの方程式を紹介します.
  1. まず自分の時間割を作ります.9時〜12時,13〜15時,16時〜18時は勉強の時間.11時には寝る.日曜は休み.くらいがいいでしょう.
  2. そして過去問10年分を覚えるまで徹底してやります.解説とかあまり読まず,一心不乱に解きまくれば1日3〜5年分(共通と専門で600〜1000問/1日)はできます.最初だけがキツいのです.僕は毎朝やった問題と点数をメールさせました.最初を誰かと一緒にやって乗り越えれば必ず慣れてきます.だいたい平均して3日で10年分くらいのペースでできます.これを5回繰り返せばさすがに覚えます.これだけでもたった15日.
  3. 過去問をやりつつ,どうしても覚えられない問題をピックアップしておきます.その問題をコピーして,A41枚に1問貼り,分野別にファイリングします.
  4. 残りの日数を数えます.国試の日から逆算して,1日何問解けばいいか計算します.そして1問に何分かけられるか逆算します.
  5. ストップウォッチ片手に1問ずつ解きます.ストップウォッチを持つと俄然集中力が出てきます.そして,その際大切なのが,教科書を深く読みすぎないこと.過去問を覚えるまでやったなら,自分が見た事無い単語は国試に出る確立は少ないということです.あくまで6割で合格ラインなので,この時点で見た事無い単語は覚えなくていいということです.出題形式がX2になっているので,幅広く覚えるというよりは,過去で見たことのある単語を確実に覚えるのが先決です.
  6. 1問ずつ解くのと同時に,分からないことは友達に聞き,分かることは教えます.人に教えると一番記憶に残りますので,分からない人は手っ取り早く覚え,教えた人は記憶に定着するという良循環が生まれます.

だいたいこの行程をやればうかるんじゃないかな〜と個人的には思いますし,
今年個人指導した学生もこの行程で,1ヶ月くらいで200点はとりました.


例年では明日が科研費の内定交付の日です.
僕にもサクラさいてほしいなぁ.

2010年3月30日火曜日

イチロー

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イチローに似ていると,おばさんからたまに言われるtomoriです.
氷川きよしは良く言われます.ちなみに似ていません.
彼女らには認知機能検査が必要かと思われます.


ボクはイチローのルーチン力が大好きです.
毎日カレーを食べてるって本当ですかね…

今日は児玉光雄:イチロー式集中力 を読みました.

集中力を高めるには,
1. 目標を明確にする
2. 目標を数値化する
3. 目標を小刻みに立てる
4. 目標を決めたら迷わない(行動を起こす)
5. 具体的な自己イメージを持つ
6. 達成確立が60%くらいを設定する
7. 目標を宣言する宣言効果を活用する
がポイントだそうです.

目標は人の行動を変化させる不思議な力があると思います.
作業療法でもそうだと思います.
その観点で,ADOCがCLの目標設定に少しでもお役に立てればと思っています.


これらの項目をADOCに当てはめてみると

ADOCはイラストを用いているので,
1の目標を明確にする という点と,
5のイメージを持つ という点では良いかと思います.

またADOCは最後にPDFにして署名をしてもらう予定です.
よって7の宣言効果も期待できます.

2の目標を数値化すると言う点では,
Ver.Aで作業の満足度,Ver.Bで社会参加,の測定ができるようにする予定です.
outcomeになればと思っています.

6はADOCでは特に設定してないですが,
たしかに通常は達成確立が60%ぐらいの目標が望ましいと思います.

3,4はOTでは目標設定後の支援プランの話ではないかと思います.
支援プランはOTの技術によって左右されます.
よって,インタビューの技術だけでなく,支援の技術の差もなるべく少なくなるように
支援プランに関してはwebで情報共有できるサイトを作成して,ADOCに組み込めないか検討中です.
そうすることで,ADOCで引き出せたやりたい事を実現するための支援の選択肢が増えると思われます.
いくらADOCでやりたいことを引き出せても,実現できる形にしなければいけない,
というのがボクのスタンスです.

しかしまあ,何事もまずは明確な目標→行動ですからね.

2010年3月29日月曜日

つっこまびりてぃ

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決してマゾではないが,よくつっこまれるtomoriです.

昔はつっこまれないように隠そう隠そうとしていましたが,
ある本を読んで以来,みんな失敗はあるからそんなに気にすることはない
と思えるようになって,つっこみもプラスに考えられるようになると
ありがたいことに学生までもつっこんでくれます.


今日,酒井穣:「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト.光文社新書439.740円
を友人に薦められて読みました.日本語が少し分かりにくいが,なかなか面白い本です.


人材のポテンシャルを見抜く項目のひとつに
つっこまびりてぃ(他人からツッコミを入れてもらえる能力)をあげています.
(岩瀬大輔さんのお言葉だそうですが)
完璧すぎると親しみを持ちにくいので,「他人が笑って許してくれる弱点」を持つことで,周囲の皆から愛されることこそ,成功にとってなくてはならない要因と言えるようです.


なるほど!

つっこまびりてぃ なら僕も持っているかも!

とカミさんに力説したら,

つっこまれすぎるのは,その能力とは別じゃない と真顔でつっこまれました・・・

2010年3月27日土曜日

ポジティブ心理学

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学生に「出た!  ポジティブ・バカ」と面と向かって言われてしまうtomoriです.


プレジデント 2009. 11.2号を何気に目を通していると,
「ポジティブ心理学」という学問が存在するようです.

その記事では,いくつかの研究を紹介しており,

ポジティブ度が低い卒業生に比べて,高い卒業生は,
19年後の平均年収に15000ドルほどの差があったそうです.

また尼さん研究というのもあるので引用します.
「修道院という閉鎖的な場所に暮らし,生活環境が同じであることから研究対象として好都合な尼僧たちを調査した結果,最もポジティブ度の高かった尼僧たちと最も低かった尼僧たちとでは生存率に大きな開きが見られることがわかった.」

これらは,イリノイ大のDr. Ed Dienerらの研究らしいです.
pubmedで調べたが,どうも引っかからなかった.
日本でも,ポジティブイノベーションセンターなるものがあるそうな.
最初,怪しいかな〜と思ってみてましたが(すみません)
国際学会も開催されており,かのフロー学者のチクセントミハイさんも参加されていたようです.
ちょっとホッとしました(笑)

やはりポジティブに考えることとOTは関係あるだろうと思います.
てかポジティブに考えることは何でも関係あるか.
いや,一応考えてみよう.

ポジティブだと長生きするということは他の研究でも証明されている.
メカニズムや根拠は無い.でも事象として多分そうなんだろう.

何らかの障害のある人は,ない人と比べてネガティブに考えることが多いと思われる.

ネガティブな人を励ましても結局ネガティブに受け取ってしまうだろうから,
ネガティブな人が本当にポジティブになるには,自分で実際に何かやって,
何らかの自信をつけるしかないのかなと思う.

何かやる,それは作業.
作業を扱う仕事 作業療法.
これからは作業療法の時代か!


というふうにポジティブに考えたほうが良い仕事ができるということかもしれません(笑)

ちなみにポジティブが極端に多いとダメなようで,
人が上手く機能するには 比率的にポジティブ:ネガティブ 3:1 ぐらいがいいそうです(笑)

早起き

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近頃,自分が早起きなのか不眠症なのか分からなくなってきたtomoriです.

普通は21〜22時の間に寝ます.でもどうも眠りが浅いようです.
今日は0時に目が覚め,2時に目が覚め,3時に起きて仕事しました.
昨日も同じです.

朝はいいんだけど,午後は決まって眠たくなるか集中力が足りなくなります.
理想的には21〜4時まで連続して7時間寝ると,すごくいい1日なんですが.
昔は夜中全く起きなかったんだけどな〜.

もし本当に仕事がフレックスでいいのなら,3〜7時,8〜12時で8時間労働にして,
午後から映画でも観にいくか,昼寝するか,ゆっくり夕飯の支度でもしたいところです(笑)
オンとオフも明確だし,絶対そのほうが仕事はかどると思うな〜.

前期の授業は全部午後だから,眠たくはならなくて済むと思うけど,
連続して睡眠を取る方策を練らねば・・・

2010年3月26日金曜日

昨日のNo, 明日のYes

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昨日のNo, 明日のYes  作詞:GAKU-MC

精一杯の努力とか一生懸命が茶化されるこの時代にあえて宣言
固定観念や偏見 コンプレックスさえも武器にして叫んで
いつの日かつかむはずの成功と栄光 迷走し続け いざ行こう
過去の全ての失敗と失態を「経験」と呼び直すためにある今日

昨日の Oh No 明日の Yes 変えるのは君なのです 君なのです
コケるのは何度だってかまわないのです
昨日の Oh No 明日の Yes 変えるのは君なのです 君なのです
最後に笑っていればそれでいいのです
明日の Yes その為のベスト その瞬間は今です たった今です 取り返しなんて多分つくはずなんです
明日の Yes その為のベスト その瞬間は今です たった今です やるかやらないかのちょっとした違いです
昨日の Oh No 明日の Yes 変えるのは君なのです 君なのです コケるのは何度だってかまわないのです
昨日の Oh No 明日の Yes 変えるのは君なのです 君なのです 最後に笑っていればそれでいいのです
明日をかえるのは君のたった今 未来をかえるのは君のたった今

別に元気がない訳ではないのですが,いい唄だな〜と思います.

今日の名言

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「明日の自分は赤の他人」
    見返しても理解できる研究ノート作りを

ADOCのインターフェイス

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今日はプログラマーさんから,ADOCのインターフェイスの下案をいただきました.
さすが専門だけあって,私が考えたのより使いやすそうな感じでした.
これがipadでできるとなると・・・,我ながらドキドキしますね(笑)

でもまぁ,まだ画餅の状態です.
油断せずに,臨床で使いやすいツールの開発を目指していきたいと思います.

皆様のご協力のほどお願いいたします.

2010年3月25日木曜日

研究

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今日はボスに年間の研究計画の相談をしました.
ボスは僕の曖昧なところはすぐ見抜いて指摘してくれますし,
ディスカッションでどんどん内容が深まっていきます.


フローとはまさにこの状態でしょう.今日も気づいたら2時間くらい過ぎてました.
ADOCが半年でここまで進んだのも多くはボスのおかげです.
いつも同じことを指摘されるような気がするのでまとめてみます.
  1. 表立って説明ができないことはごり押しするべからず
  2. 論文はイントロダクションが書けるかどうか
  3. 読んで為になる論文を書くこと

もっとあるはずだけど.今は思い出せないのでまた書きます.

おやすみなさい.

2010年3月23日火曜日

CLとTHの認識のズレ

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ADOCを開発した理由でも書いたが,CL中心実践(CCP)の,特に目標設定の認識においてCLとTHの間にズレがある.

つまりほとんどのTHは,自分は治療目標についてClと相談しながらやっているし,CLは目標設定過程に参加しているし,CLが目標設定に関与することが重要であると考えている.しかし,CLの約半数は目標設定をほとんど手伝っていないと答え,1/4のCLは目標設定に参加することは重要ではないと答えた.またCCPのプロセスには施設によって差があるとのこと.

まあ,ズレが有るのは仕方ないと思う.CL30名とTH11名という数がとても少ないし,その人たちを選んだ基準が不明確なので,この結果をそのまま受け入れるよりは,もう少しその辺を再検討してからズレについて判断する必要があるだろう.ただ臨床的な印象や,先行研究を概観する限りでは,このズレはもっとありそうな気がするが・・・.特に我が国ではその検証はされていないと思うので,やる価値は十分にある.

あなたの作業療法での目標は何ですか?
あなたは作業療法での目標設定に参加しましたか?
あなたにとって作業療法の目標設定に参加することは重要ですか?

などなど,CLとTHにインタビューをして確認してみる必要があると思われる.
ADOCによってCCPプロセスに関するCLの認識が変化するかどうか検証してみたい.
そのためのツールだから.


Kinsuk K. Maitra, Frances Erway
Perception of Client-Centered Practicein Occupational Therapists and Their Clients
AJOT. 2006(60) 298-310.

OBJECTIVE. The purpose of this study was to comparatively analyze the perceptions of clients and occupational therapists regarding their involvement in the process of client-centered practice. METHOD. Participants (11 occupational therapists, 30 clients) in adult/geriatric health care facilities were each engaged in a semistructured interview to determine their perceptions of client-centered practice, specifically in the goal-setting process. Descriptive statistics were used to analyze the item data. In addition, one-way analysis of variance was computed to identify the differences of opinions in clients and occupational therapists on the process of client-centered practice in four facilities: long-term-care or rehabilitation, hospital outpatient, hospital inpatient, and nursing homes. RESULTS. The occupational therapists in this study indicated use of the principles of client-centered practice in their delivery of occupational therapy services. Their clients, however, displayed mixed perceptions about their role as active participants in client-centered practice and all responded in the negative when asked if they were aware of the approach. Perceptual differences existed between the occupational therapists and their clients in relation to the use of client-centered practice, because their responses to similar questions varied. Last, type of facility significantly influenced clients’ knowledge of certain aspects of their treatment processes in the following four areas: (a) treatment goal selection, (b) encouragement provided in setting clients’ goals, (c) clients’ perception of the importance in the goal-setting process, and (d) education of clients about their participatory role in the goal-setting process. CONCLUSION. Results suggest that a perceptual gap exists between occupational therapists and their clients in relation to their stated use of and participation in client-centered practice. In light of the results, development of a systematic strategy by occupational therapists to elicit the roles that their clients desire to play in the therapeutic process may be an effective intervention to ensure that occupational therapists and their clients are able to fulfill their roles in client-centered practice.

2010年3月22日月曜日

オトーリ

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宮古島ではオトーリという酒の飲み方がある。
参加者が円になり、親が挨拶をして自分が飲んだあと、皆に一杯ずつ泡盛をついでまわし、
最後に親が飲んだら、右隣の人が親となり、それが延々と続く。
つまり10名で飲んだら、強制的に11杯は飲む。
酒が貴重な時代に、皆平等に飲めるというシステムの名残りらしい。
どう考えても酒の有り余っている現代には必要のないシステムだ。

酒の弱い僕はこれが苦手なのは言うまでもない。
しかし、僕はうちのお祝いの時に帰ることが多いので、
みんな集まってくれているし、一応長男である僕は参加せざるを得ない。
おじさんはみんな50代くらいだ。方言で話すからよくわからないし、
話す内容も在住していない僕にはよくわからない。
だから、今までは義務的に顔を出す という感じだった。

しかし、今年に入ってから、
ADOCのことで面識がない専門外の方と話す機会が多々あった。
そして自分の知らないことを教えてくれるのは楽しいと思えるようになってきた。

だから、今回の飲み会でも、
魚の種類でどれがおいしいとか、測量のやり方とか、ダムの掃除の話とか、
根菜はだめな畑ほどよく育つとか、昔の子育てとか、
今までは仕事や自分に関係が薄い内容はスルーすることが多かったが、
今度はこっちからたくさん質問して、たくさん教えてもらって、楽しかった。
沖縄の講習会の後の打ち上げも楽しかった。

どんな人との付き合いも、すべて自分の気持ちしだい。
普段学生には指導者と懐に入っていくようにとアドバイスしているけど、
本当は自分もわかっていなかったのかなと思った。

この年になっても勉強することはたくさんありすぎますね~。

山羊

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今宮古島の実家です。
沖縄の中でも宮古島の人はお祝いの時にはヤギを食べます。

実家では私とかみさんが、なぜかヤギ好きということになっていて、
帰省すると必ずヤギを準備してくれます。
まあお祝いがあるときに帰ることが多いのですが。

子供のころは、飼っていたヤギを一頭つぶすか、一頭買ってきてしていました。
一応、高級料理です。
最近は、ヤギ専門のお店があり、冷凍肉を買うかと思っていたら、
調理してヤギ汁で売ってくれるそうです。

これがうまい!

しかし県外の人はもちろん、宮古でも食べられない人が多いのです。
でも外国産の肉ですら嫌がるかみさんでも食べられるので、
ヤギ嫌いな方は、きっと食わず嫌いか、
おいしく調理したヤギ汁に出会ってないからだと思います。
これは声を大にしていいたい。

おいしく調理されたヤギ汁は格別だけどな~。
肉が赤くてちょっとびっくりしたのですが、
多分今までのは煮すぎだったのかもしれない。
とろとろでおいしい。

ちなみに夜も食べて、朝も2杯食べました。

2010年3月20日土曜日

物語とADOC

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講習会で、前半はクライエントを理解するにはワンシーンだけでは無理で、
その人の物語を理解することが必要だと説明しました。
そして後半はADOCの紹介でしたので、物語とADOCはどのように関連するのか? との質問がありました。

その人の物語を聞くということは、基本的にオープンな会話で生活暦を聞いていきます。
こちら側から誘導することは基本禁止されていますね。
ただ、オープンの会話は難しい! 時間もかかる。普段の業務では難しい。
などの理由から、ビギナーにとっては敷居が高いと思われます。

ビギナーにとっては、なんといっても手順が明確で、
一人でも面接のフィードバックが得られることが必要かなと思います。

そこでADOCを開発しています。

会話の手順は、理論が必要なくとも(協業の考え方は必要ですが)、
iphoneのインターフェイスの指示によって明確にする(必要に応じてヘルプ参照)。

イラストでCLの過去の作業の想起を容易にする。

たとえば
CL「あ~そうそう。元気なころは釣りなんてしてたね~」
TH「そうなんですか~。得意だったんですか?」
CL「まあ得意というわけでもないけど、10年はしたかな」
TH「へ~、10年もすればベテランじゃないですか。でっかい魚とか釣れました?」・・・
CL「そうだね~。50cmの真鯛くらいなら・・・」

物語とまではいかないにしても、
障害によって見失ってしまった自分らしい過去の作業を思い出して、
何かしらの会話が生まれてくれればと思います。

そんな感じでADOCと物語がつながるかもしれません。

しかし、オープンの会話のほうが場合によっては情報量が豊かになりますから、
物語を聞くことに慣れてきたらADOCを卒業してもいいのかもしれません。
自転車の補助輪のように。

どんな方法にも必ず長所と短所があります。

PDFに出力したい場合、OBPに目を向けたい場合、面接に慣れていない場合、時間がない場合など
ADOCの長所が活かせる場合にはADOCを、
ゆっくり腰をすえてその人と向き合いたい場合など、
オープンな会話の長所が活かせる場合にはオープンな会話を、
THが選んでいただければと思います。

2010年3月19日金曜日

沖縄 講習会

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先日は沖縄で講習会した.

実はOTの先生方にお話するのは初めてで,
デビュー戦だったのですが, 地元だったので,
落ち着いて楽しくお話させていただくことができました.
関係者の方々,ご参加くださった方々,どうもありがとうございました.

今回のテーマは,CL中心の作業療法についてでした.
感想などたくさん書いていただきました.
とても嬉しかったのが,明日から少しやってみようと思った,という内容が多かったことです.

今の臨床ではCL中心の実践には様々な制約があります.
一人に時間がかけられない,周りの目が気になる,訓練はOTが考えるもの,などなど

しかしどんな状況でもまずはやってみようと思う気持ちが大切です.
もちろん担当全てに実践するのは無理です.
1週間に1時間でも時間をつくって,CL一人だけでも実践することができ,
CLがいきいきと能動的になる場面に立ち会うことができれば,
きっとこれがOTなのかな~と感じることができると思います.
CL中心の長所に「専門職としての成長」がありますが,
まさに私もCLにたくさん学ばさせていただきました.
人の役に立てて,自分も成長できて,給料までもらえるとはとても良い仕事です(笑)

ここで本来なら「明日からADOCで実践してみよう!」
という状況が望ましかったんでしょうが….申し訳ございません.

しかし沖縄の方々は優しい.
臨床データの収集に,たくさんの方々がご協力いただけるということで,
本当にありがとうございます(泣)

ぜひ皆様方にとって使いやすいADOCを目指していきたいと思いますので,
いろいろとご意見などいただけると幸いです.

よろしくお願いいたします.



2010年3月17日水曜日

OTとADL

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皆さんの今やりたいことは何でしょうか?

それがADLになった方はいますか?
ましてや家庭復帰!という方もいらっしゃらないですよね.

でもクライエント(CL)の目標の多くがADLもしくは家庭復帰です.身障の場合.

患者さんだから,手足が不自由だから,
ADL獲得や家庭復帰は当たり前のことなんでしょうか.
またこいつは皮肉れて,と思うでしょうが,CLは患者さんである前に私たちと同じ人です.
身の回りのことができないと,それ以外のことはしちゃダメだということはないはずです.
IL運動で40年前から言われている通り.

私たちにとってADLがやりたいことにならないということは,
ADLを獲得する理由は,私たちがやりたいことの選択肢を拡げるためですよね.

中学生になぜ勉強が必要かと聞かれ,
頭が良い方が将来なりたい仕事に就ける可能性が広くなるから
と説明するのと一緒かなと思います.

ADLが出来たほうが,病院にいるより自宅のほうが,
やりたいことができる可能性が広くなることが多い.
だから,とりあえずADL訓練や家庭復帰を目指す.

だけどADL訓練や家庭復帰がゴールではない.
やりたいことができること,それがゴールだという認識がOTには必要かと思います.


だから,作業療法で実施する内容がもちろんADL訓練で全然いいんです.
ただADL訓練を行うプロセスにおいて,
やりたいことをするためにはADLが必要だから,ADL訓練をしているんだ,
という認識を,CLとOTに持って欲しいのです.
そうすれば,つまらないADL訓練でも,CLは一生懸命やることが私の経験として多いから.

最初更衣訓練が嫌いだった片麻痺の議員さん.
ネクタイを閉めることはOTは何も教えませんでしたが,自分で片手でできました.
スーツを着て奥さんと外出したときは満足げでした.

家族の面倒を見ないといけないと思ってる進行性の認知症をもつ主婦の方は,
ADLにやや介助が必要でしたが,簡単な調理の練習をOTと一緒に頑張って,
簡単なごはんを家族に出してあげることができました.

障害のせいで埋もれてしまったCL本来の姿,やりたいことを,
一緒に発掘する努力がOTには必要です.

ADLが本当の目標にならないこと,これは普通に考えて当然ではないでしょうか?

面白い話が,講義で普段不真面目な学生にこんな話をしたら,
そんなこと当たり前じゃないですかと答え,まじめな学生は,難しいと答えました.

学校で病気のことばかり教えすぎなのかもしれません(笑)

CLとOTが,ADL以外にも目を向けられるように,ADOCを開発中です.




2010年3月14日日曜日

卒業式

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昨日は卒業式でした.
本専攻では卒業生,教員,ご父兄で軽くパーティーを行いますが,
その中で卒業生一人ずつ挨拶があります.

彼らは教員や友人(戦友),親に感謝を述べるわけですが,
今年は参加された親や,参加していない親に対しても
「ありがとう」と述べた学生が多かったような気がします.
何か私自身にありがとうと言われるより嬉しく思えました.

灯台下暗しといいますか,親のサポートって近すぎて逆に気づきにくいものです.
私も父親が亡くなるまでは全く知りませんでした.
今は感謝を伝えることができない身からすれば,
恥ずかしいでしょうが,是非直接会って伝えてほしいものです.


また,卒業生には立派な作業療法士になることが人生の目標ではないと言いたいです.
人生の目標は,坂本龍馬っぽく言うならば,

自分らしい生き方を見つけることと,
社会に何かしら貢献することで,

作業療法士として働くことは,そのための一手段です.

作業療法士として働くことは,社会に貢献するという観点では,
患者さんにありがとうと言ってもらえることもあるので実感として分かりやすいと思います.
しかし自分らしい生き方が作業療法士として一生懸命働いても見つからないようなら,
他の手段を探してもいいのかもしれません.
作業療法学はビジネスの世界で言うPDCAサイクルを追求する学問なので,
そのロジックはどの分野でも役に立つと思います.

自分らしい生き方とは何か,何のために生まれてきたか,
それは患者さんに対してだけでなく自分自身に対しても常に考えてほしいなと思います.
それが作業療法をする上でもベースとなるでしょう.


2010年3月12日金曜日

卒業式

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明日は卒業式です.

学生の頃の謝恩会のカラオケでは,19のすべてへを酔っぱらって熱唱した.

風が吹かない そんな場所でも 僕たちが 走るなら 感じることができる
吹くだろう風 なんて待つなよ 無いものを なげくより つくればいい 風だって…

という歌詞が好きだった.なるほど! と思った.

ADOCやエビデンスもそうですね.無いから作る.
無いものを文句いうより,創ればいい評価だって〜♪
無いものを文句いうより,創ればいいエビデンスだって〜♪

明日卒業する学生の皆さんも,明日からやっとスタート.
無い無い嘆くより,どんどん創ってください.

2010年3月11日木曜日

隠れクライエント中心

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今日は臨床1年目の作業療法士の方と話す機会がありました.

いろいろ話しましたが,印象に残ったのが,
「クライエント中心とか言うと,周りに何言われるか分からないので黙ってる」ということでした.
それよく分かりますよね.隠れキリシタンではないですが,正直な気持ちだと思います(笑)

そういう方でも,iphone片手にかっこよくADOCを操作して
クライエントの意思決定への参加を促せる日がくるよう努力していきたいと思います.
ご協力をお願いします.

医療の枠だけじゃOTには狭いかもしれません.

2010年3月10日水曜日

ゼミ飲み

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今日はゼミの卒業生と最後の飲み会でした.
私も研究の方向性をどうするのか非常に悩んでいた時期に,
ゼミ生と一緒に興味をもったACSがあれよあれよと発展してADOCになりました.
この3人のゼミ生がいなかったらADOCは無かったといっても過言ではないでしょう.

心から感謝しています.
ありがとう.



2010年3月6日土曜日

ADOC 1歩後退?

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昨日プログラマーの方から口酸っぱく言われたのが,
ipadの発売が遅れるようなら,納期も遅れる可能性があります ということだった.

今朝のyahooのトップで
ipadの日本発売は4月後半ということらしい

なんでもかんでも上手く行かないのが人生の常

2010年3月5日金曜日

ADOC 2歩前進

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今日は午前はプログラマーの方,午後は統計学者の方と,ADOCについて打ち合わせをしてきました.
今日の東京は気温が高く,しかも一人緊張して多汗気味でしたが,勉強不足の私に皆さんとても丁寧に説明していただきました.


ADOCは
  1. 作業選択の意思決定を支援する
  2. 作業遂行の効果を検証する
          に大別されます.


1.作業選択の意思決定を支援すること

現在のADOCはmacでしか動きません.ボクはMacユーザーなので問題ないのですが,
多くのクライエントと作業療法の協業を考えると,macはな〜と悩んでいました.

そんな中,ipadが出ました!
しかも今度でるiphoneのOSではモニター出力が対応になるそうです.
これはipadやiphoneの小さい画面を単に大きい画面で引き延ばすという訳ではなく,
PCのように出力されるモニターの解像度にある程度合わすこともできるようです.

でも,本来の目的である 多くのクライエントのためにADOCを作る と考えると,
ipadやiphoneよりは皆持ってるwinのほうががいいのかな〜とも考えておりました.
また今後密かに計画しているADOCの拡張性をも考えるとスマートフォンよりはパソコンのほうが良いのかなとも.
でも,今日プログラマーの方と話していくなかで,
現時点ではマルチタッチの操作性はwinよりはiphoneのほうが断然いいし実績もある.
普及度を現時点で考えると,winのマルチタッチのパソコンはそもそもあまり出ていないので
iphoneのほうが皆持っている と.たしかにそうです.
今後の拡張も別にipadやiphoneでも実現可能らしい.

そこで,現時点での操作性+マルチタッチデバイスでは普及度の高いiphone, 
普及度は未知数だけど操作性は低いwinを天秤にかけて,ipad,iphoneで進めていくことになりました.
皆様ありがとうございました.

実際これでどういう臨床場面を想定しているかというと,
iphone片手に病院のPCモニターに映したり,訪問リハで患者さんの自宅のテレビに接続して,画面ののイラストをみて,作業療法士は指でシュッシュッと手元のiphoneを操作しながら,患者さんと一緒にADOCで目標設定することが可能になります.PDFに出力も可能ですので,プリントして患者さんにお渡しし,これでいいですとのサインもいただけるような形にするつもりです.面白くなりそうです.


もう一つは,
2.作業遂行の効果を検証すること です.

どうせipadなどの機器を使うので,CAT(computer-adaptive testing)で
時間的,内容的に日常生活全体を効率よく評価できないか と考えていました.
CATとはパソコンが自動的にその人のレベルにあわせた課題を提示して,
紙ベースの評価より少ない項目で,その人のレベルを評価できるというものです.

つまり今までの評価だと,例えば家事という項目に該当しない人該当する人といたかと思います.
該当すればいいのですが,しない場合には,合計点数に大きく影響します.
またADLの評価とかは特にそうですが,レベルの高い方には天井効果が認められます.
それをCATでは,多くの項目の中からその人に合った項目を,
コンピューターが判断しながら提示していきます.
リハ関連での先行研究もいくつかあるので可能だろうとは思っていました.

ただ,何事も簡単にできるわけではありません.
CATの前にIRT(項目反応理論)によって項目BANKを作る必要があります.
それは1項目最低500名のデータがいるようです.
ん〜かなり大変かな〜と思ってましたが,よくよく話を進めていくと,
作業療法士が評価するのでもいいということでした.
他者評価なら,全国各地の作業療法士に協力いただいて,
分担すれば500名ほどは頑張れば出来ないことはないと思いました.
でも先行研究ではもう少し少なかったような気もする・・・

まあ研究協力者募集中です〜.
ブログで発信していきます.

この評価ができると,比較的短い時間で,病院でも在宅でも施設でも同じ尺度かつ絶対値で測定できます.


皆様のご協力を,是非ともよろしくお願いいたします.

2010年3月4日木曜日

文献抄読会 100303

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今日は,参加に関する新しい評価の文献をセレクトしました.

この研究では,参加の認識に関する評価を開発するために,ICFの活動と参加の項目を参考に,大分類の構造は維持しつつ,22項目にまとめています.pilotテストを行い,85名の進行性疾患患者に対して,再テスト信頼性,内的整合性,内的妥当性,臨床有用性を調べています.評価法開発のオーソドックスなスタイルです.85名は少ないと思うが,再テストをしているので,許容範囲でしょう.あと面白いのが,各22項目について,その自分の参加状態は満足しているか,この項目に支援を必要と思うか などの項目も入っています.もし忙しいデイケアなどで,スクリーニング的に利用者さんにつけてもらうにはいいかもしれませんね.

ADOCも,何の作業をするのかという意思決定を面接で話し合うという評価はつめていますが,
ではクライエントがどのくらいできるようになったか,もしくは満足したかどうか
を評価するoutcomeの部分は今ひとつ決まっていません.

一応,パソコンを使うのでCATを使ってパソコンでの評価ができればと思いますが,
かなりの統計学的知識がいるので,明日統計の専門家に相談に伺う予定です.

うまくいくといいんですが,…

今日はひな祭りで,蛤と,長崎の「桃カステラ」を食べました.


Sandström M, Lundin-Olsson L; Development and evaluation of a new questionnaire for rating perceived participation 1. Clinical Rehabilitation 2007; 21: 833–845.

Objective: To develop a questionnaire for self-rated perceived participation in various life areas and to evaluate its reliability and validity. Design: Validation and test–retest study including multiple questionnaire-development steps. Setting: Neurological rehabilitation centre. Participants: One hundred and fifteen consecutive patients with progressive neurological diseases on the rehabilitation centre’s waiting list were eligible to take part in the study; 85 completed. Twenty-two professionals within neurological rehabilitation also took part. Main measures: Reproducibility, internal consistency, content validity and clinical utility of the Rating of Perceived Participation (ROPP) questionnaire. Results: The ROPP questionnaire focuses on (1) patient’s perceived participation (22 items selected from categories of the participation domains of the International Classification of Functioning, Disability, and Health), (2) patient’s satisfaction with the participation level and the desired support for changing it, and (3) patient’s selection of the three domains where improvement is most desired. The reproducibility of the perceived-participation items was moderate to good; (weighted kappa ≤0.70 for all but two items) and for satisfaction, desired support, and selected domains it was good or very good (kappa >0.70 for all but in total three items). Test–retest agreement (intraclass correlation (ICC)(1,1) = 0.97) and internal consistency (Cronbach’s alpha= 0.90) for the total score were high. The content validity and clinical utility were good. Conclusions: The ROPP questionnaire has sufficient psychometric reliability and validity and promises to be a useful questionnaire in neurological rehabilitation. Further research is needed to establish criterion validity and sensitivity to change.

自己評価された参加認識の新しい質問紙の開発と評価

目的:様々な生活範囲の自己評価された参加認識のための評価表を開発し,その信頼性と妥当性を検討すること.デザイン:質問表の開発段階を含む信頼性と妥当性の検証.セッティング:神経学的リハセンター.参加者:リハセンターのウェイティングリストにある進行性神経疾患115名が参加資格を有し,85名が完了.神経学的リハの専門家22名も参加.主な測定:The Rating of Perceived Participation (ROPP) 質問紙の再現性,内的整合性,内的妥当性,臨床有用性.結果:ROPP質問紙は以下に焦点を当てている ⑴患者の参加認識(ICFの参加のカテゴリーから22項目を選択),⑵参加レベルに対する患者の満足度,それを変化するために希望した支援への満足度,⑶患者が最も改善を希望する3領域の選択.参加認識項目の再現性はgood(2項目を除くweight kappa <0.70),満足度,希望する支援,領域の選択はgood,もしくはvery good (3項目を除くweight kappa <0.70).総合点の検査再検査一致度(ICC (1,1)=0.97)と内的整合性(Cronbach’s 0.9)は高かった.内的妥当性と臨床有用性はgoodだった.結論:ROPP質問紙は,十分な心理測定的信頼性と妥当性を有し,神経学的リハの有効な質問紙である.今後,基準関連妥当性や変化に対する感度を確立する必要がある.

2010年3月2日火曜日

エビデンス

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京極真さんの論文 「エビデンスの一般化可能生問題」とは何か 看護学雑誌 2008 を読みました.

究極のエビデンスは1症例RCTだという.

エビデンスを使うということは,
他人の症例で試された介入効果を目の前の症例に当てはめて考えることだが,
1症例RCTとは,目の前の症例で介入に効果があるか直接試してみよう! ということである.
確かに究極だ(笑) 効果があればエビデンスあり,なければエビデンスなし.

まあそれが出来ないから,
他人の症例で試された結果を,目の前の症例に当てはめて考えてみようということである.
そこでEBMでは,なるべくバイアスが少ない方法から優先していきましょうというものである.
恣意的に選ばれ,しかも一人の変化である事例報告よりは,
無作為に,しかも大人数が変化したRCTやシステマティックレビューが
EBMでは良いとされる.

そこで,研究結果がどのくらい一般化できるのかという問題に直面する.

結論から言えば,NOである.
RCTは母集団をランダムに割り付けたとは言え,
母集団に偏りがないとは絶対的に言い切れないので,
究極のところ,今回集まった集団では○○の変化が認められる,ということだけである.
特に社会文化的なところまで関係する介入(ADLやQOLなど)では,
外国のRCTを活用するには十分注意が必要であると思う.

これじゃRCTも事例報告と変わらないじゃん,と思いますが,使う立場からすればその通り.
いや基本的には違うでしょうが,時と場合によって使い分けましょうということになる.

ポイントは,目の前の症例と,研究結果の参加者や状況が「似てるかどうか」ということなので,
エビデンスのレベルが高けりゃいいってものでもない.
そこをわきまえてエビデンスを使いましょう.

ということが書いてある.
(違っていたらすみません・・・)

エビデンスが流行ってた数年前,正直それはOTの言い訳と思っていたが,
今はエビデンスは適切に使い分けることが必要だと思えるようになった.

エビデンスはあくまで目の前の問題を判断するための補助的手段である.

大切なのは,まずは目の前の患者さんが満足することですから.
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