2012年2月29日水曜日

作業療法の専門性とは

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ニューバランス買いました.tomoriです.
靴は実際にはいて買ったほうがいいですね.



さて,作業療法実践で大事なことって沢山あります.
横文字で言えば

クライエント中心(CCP),
作業に焦点を当てた実践(OBP),
意思決定の共有(SDM),
トップダウン,

この中で作業療法実践で一番大事なことは何だと思いますか?







僕は作業に焦点を当てた実践だと思っています.
全部不可欠なんですが,OBP以外はPTでも医者でもできると思います.
でも作業に焦点を当てた実践は,OTにしかできないんですよね


今日,Occupation by Designを少し読んでて,
CCPとOBPは似ているし,切り離せないと書いてあって,
でも個人的には,OBPをするためにCCP,SDM,トップダウンが
不可欠だという認識を持っています.


その辺具体的にどう考えるんだ?ってところを,
分かりやすく,今書いている本の原稿で表現できればと思っています.

2012年2月28日火曜日

ADOC < 事例報告

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国試の朝7:30.池袋のやよい軒.周りは皆朝定食を頼む中,
全員合格を願って一人カツ丼を食べ,夕方まで胃もたれした tomori です.
何でそんなアホなことをしたのか自分でもよく分かりません.

国試受けた方,お疲れ様でした.







さて,ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが,
我らが侍OTさんの論文が機関誌に掲載されました!



この論文の受理日は2011.3.23.

そう大震災直後です.
侍さんは福島在住なんです.

侍さんはライフラインが途切れ,余震が続く中,
僕は次女が生まれ,関東で買い占めが起こる中,
お互いに連絡を取り合いながらこの論文を書き上げました.
僕たちにとってはすごく思い入れのある論文です.
と,書きながら涙が込み上げてきます...

実は侍さんは僕と同い年ですが,
こんなOTいるのかというくらい尊敬できる臨床家です.
なので,この論文はただADOCを使った「事例報告」です.

 ADOC < 事例報告 です

僕は侍さんからこの事例の話を聞いたとき,
ぜひ多くの人にこの臨床実践を知って欲しいと思ったので,
論文にしよう!といいました.

僕たちはADOCを広めたいんじゃなくって,
この侍さんのような実践,
つまりは「作業に焦点を当てた実践 Occupation-based practice」を
広めたいと思っています.

そのための手段は,COPMでもOSAでもKAWAでも別に何でもいいんだけど,
それらでは不足する部分があったからADOCを開発したまで.

「作業に焦点を当てた実践」を... 
そんな僕らの思いが伝わればいいなと思います.





2012年2月17日金曜日

多施設間共同研究(RCT)への協力のお礼と再案内

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インフルエンザは早めの治療.tomoriです.
すぐ病院に行かなかったので,かれこれ4日寝こんでいます.


「同様に」感謝申し上げます
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さて,昨年12月に募集させていただいた回復期リハ病棟でのRCTへの協力ですが,
全国各地から問い合わせいただき,研究参加をご検討いただきました.
療法士.comさんでも取り上げていただきました→こちら

サイトをのぞいてくださった方,
ご参加いただいた施設の方々,
今回はご参加を断念した施設の方々も
「同様に」心から感謝申し上げます.

ありがとうございました!!



「未来のため...」
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RCTはかなりの労力を伴います.
また現在の患者さん,OTには多少なりの不都合が生じてしまう「可能性」があります.
希望していない群に割り当てられた場合どうするのか,
介入方法が患者さんに少しそぐわない場合どうするか... 様々です.

もちろん不都合が最小限になるように最大限の努力や配慮をしていますが,
可能性まで完全に取り除くことはできません.

そこまでして,何のために行い,何の役に立つのかと言われれば.
「未来のため」としか言いようがありません.

リスクや労力はあるけども,
「未来のため」に今RCTを実施する必要があるのです.



詳しくないから良い
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専門的スキルをトレーニングされた集団で介入をしたほうが,
介入効果の有意差が出やすくなります.
でも「そのトレーニングされた集団でしか使えないエビデンス」
になってしまうのも事実ですよね

私たちは,一般的なOTが判断するのに使えるエビデンスを作るために
一般的な施設で実施したいと思っています.
したがって,今回もあえてこのように研究協力を呼びかけています.

研究協力したいけども私たちにできるかなぁ というコメントを良くもらいますが,
そう.詳しくないからいいのです.



作業療法の曖昧さ

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作業療法には曖昧な部分が沢山ありますよね.
曖昧さが不安を呼んでいます.
でも,解決できる部分と解決できない部分があると思います.
今取り組まなければ,ずーっとその不安を抱えたままです.


今取り組まなければ,
僕のインフルエンザのように長引き,悪化してしまいます.



ご興味がある方は資料をご確認ください.

※なお患者さんの参加が8名といういう記載は修正します.
2名からでも参加可能です.


2012年2月15日水曜日

何も無かったら,自分で動けばいい

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インフルエンザでダウン中のtomoriです.

今日はあるOTと電話で少し話をしました.
その方は,わりと機能訓練で頑張っている施設で仕事されていて,
それが当たり前としてしばらく仕事されていたようです.
なんかOTとして少し違和感らしいものを感じたけども
周りにそんなことを相談できる人も,講習会も何も無かったそうです.

県外に行って,吉川ひろみさんの話しを聞いて何かを少し気づき,
学会でADOCを知ってこれは良いとiPadを買って
県外でAMPSを取り,葉山さんと話しつつ
県外の講習会に積極的に参加することで,
自分なりのOT観を育てているそうです.

そんな話しを聞いて,僕が好きな
19 の すべてへ を思い出しました.
前にも紹介しましたが,

風が吹かないそんな場所でも
僕たちが走るなら感じることができる
吹くだろう風 なんて待つなよ
無いものを 嘆くより つくればいい 風だって

今ではその方も職場でOBPなんかの話しができる仲間ができたようです.
つまり自分で動いて風を作ったわけですね.

そんな風が日本のあちこちで起こっていることが嬉しく思います.
今は局所的かもしれませんが,今後台風のように大きくなるかもしれません.

僕も風邪なんか引いてる場合じゃないなと思いました
へんなオチですみません...

2012年2月10日金曜日

ADOC バージョンアップ

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2月20日〜23日にかけて兵庫,奈良,名古屋を行脚する予定のtomoriです.
RCTの共同研究に賛同してくださった方との打合せです.
メールや電話でやりとりをしているため,いわゆるオフ会なるものです(笑)
いっときますが僕はヲタクではありません(笑)

さて,ご連絡が遅くなって申し訳ございません.
先日ADOCのバーションアップをしました.

主な変更点は以下の通りです.


満足度再評価時のPDFを別名保存
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これまで満足度を再評価すると,1回目の評価のPDFに上書きされていました.
一応,PDFが増えてメモリが不足するのを予防するためにそうしていましたが,
皆様のフィードバックによって再評価時には別名保存することにしました.




イラストの並び順を変更
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趣味などのカテゴリで,あまり選択されない賭け事などのイラストが先頭にきていました.
先行研究やユーザーからの意見に従って,よく選択されるイラストが先にくるように並び順を変更しました.





イラスト拡大時に文字も一緒に拡大
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これまでイラストは大中小と拡大可能でしたが,文字の大きさはそのままでした.
イラストの拡大率に合わせて文字も拡大するようにしました.




いくつかのバグを修正
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以前お知らせした通り,iOS5にアップデートするといくつかのバグがありましたので修正しました.


以上になります.
アプリって修正できる点がいいですよね.
これが本やカードなど「物」になっていると,新たに買わないといけません.
それもADOCの特徴の一つかもしれませんね.

皆さんと一緒にコツコツと進化し続けます.


2012年2月5日日曜日

ADOCとCOPMの違い

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やっとパラパラのチャーハンを作れるようになったので,
次はオムライスを極めることになりました.tomoriです.


ADOCとCOPMの違い
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今日はADOCとCOPMの違いについて考えてみようと思います.
ADOCはCOPMの遷移をベースに,
ACSの写真カードを使うアイデアをかけ合わせて作ったものです.

ただ個人的な意見としては,理論の有無,コストの高低の軸から,
両者には図のような違いがあると思っています.




ベースとなる理論
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ADOCに理論はありません.
そのかわり,CMOPのような分厚い理論の本は不要です.
COPMも分かりやすいマニュアル本がありますが,
ADOCはYoutubeで動画を見て,操作方法は理解できます.
またOTとは何ぞや!というCL中心やOBPに対する信念もあまり要りません.
よくPT,CM,ワーカーの方から使用していますよーとの連絡があります.
ADOCはリハに関わる全ての従事者がつかえることを目的にしています.
従って,OT専用の理論が無いことは強みであると思っています.



コスト
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コスト面について,ADOCはiPad+アプリが必要です.
念を押して言いますが,iPadはWiFiモデルを買えばランニングコストはかかりません.
ただし5万程度は必要です.
COPMは基本的に無料です.マニュアル本が1900円くらいします.
ADOCはCLに併せて半構成的+構成的に面接を進めることが可能です.
自分から作業についてよく話してくれるCLでは,
イラストをザーッと流していきながら話を進めていけるし,
あまり自分の作業に関心が無いCLでは,
イラストを一つ一つ見ながらゆっくり進めることも出来ます.
一方,COPMではCLが自分の作業に関心がない場合,面接がかなり難しくなります.
またADOCではインフォメーションボタンを押すと説明文が出てきます.
面接の進め方も画面に出てくる指示に従ってできます.
イラストを選んでいくことも含め,面接の個人差が比較的出にくいと思います.
COPMは言葉だけで面接を進めていくため,個人差が比較的出やすいと思います.



面接の自由度
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これはCOPMのほうがわりと構成的なADOCよりも高いとお考えの方が多いと思います.
僕もADOCを作って実際にCLに使ってみるまではそう思っていました.
つまりADOCの95項目はCLの自由な語りを阻害するだろうと.
しかし実際に使ってみると,意外にそうでもないのです.
またADOCは「その他」の項目を追加できるので,95項目にないものでも追加することができます.

侍さんも言っている通り,ADOCのイラストは扉 なんですよね.
イラストは会話のきっかけになって,CLが何かを思い出して,しゃべるしゃべる...
僕はわりとCOPMをやっていたほうですが,
その経験と比べても遜色ないくらいCLも自分の物語を語ってくれます.
これは比較したデータがあるわけではないのであくまで経験則です.

ただ僕たちの先行研究では,
OT実施中の100名のCLにADOCを実施し,最終的に480コの目標が設定されました.
その中で,95項目に無い「その他」の項目の割合は 1% (n=5)です.
つまり99%はADOCの95項目でカバーできたわけです.
もちろんCLの自由な選択は阻害されたかもしれませんが,
「その他」の項目が1%って少ないですよね.



ADOCの欠点
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COPMはモノがなくても試用できますが,ADOCはiPadがなければ試用ができません.
なので,会話のきっかけとなって話拡がるよーとか,簡単だよーとか言っても
ユーザーはiPadがなければ試すこともできません.
これはどうにか対策を考えたいなと思っています.
あと,盲目のCLにはADOCは使えません.



さいごに
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最近COPMとの違いは?という質問を受けるので,書いてみました.
長くなってすみません.

ADOCとCOPMを実際に両方使った経験がある方がいれば,
コメントお願いします.


追記 2/6
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一つ大事なことを忘れていました.
ADOCはShared decision making(意思決定の共有)を重視しています.
つまりCLとOTが一緒に目標を決めるということです.詳細はこちらから
COPMはCL中心です.CL中心といってもパートナーシップを結ぶことだ,と定義されているので,意図することはADOCもCOPMも同じだろうと思うのですが,
COPMはOTがCLに必要だと思った作業を提示するプロセスがありません.
これは実際された方は分かると思うのですが,誘導にならないかなーと結構悩むことが多いです.
でも専門家として必要に応じて誘導することも必要だと思っています.

14muraさんご指摘ありがとうございました,



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