2013年2月23日土曜日

国家試験を控える君へ...

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国試1週間前は毎日ビール飲んでました.tomoriです.やることはやって,あとは体調を整えるだけだと思ったので... それでビールです(笑)


「人事を尽くして天命を待つ」

これは,できる限りのことをしたら,あとは焦らずにその結果は天の意思に任せるということです.

明日は国家試験ですね.
僕は受かれ!とは言いません.だって受かるかどうかは君たちが決めることではないからです(笑)どんなに受かりたいと思っても,それは皆さんでコントロールできることではないのです.

じゃ皆さんに出来ることはなにか.

ベストを尽くすということ「のみ」です.

これまでみなさんは出来る範囲でベストを尽くしてきました.それを明日もやればいいだけです.慣性の法則があるので大丈夫です..

ベストを尽くして落ちたら来年またやればいいじゃないですか.僕たちが面倒をみます.
あきらめなければいいんです.ベストを尽くせば,後悔もありません.

明日朝から神社に行きますので,ぜひ皆さんもベストを尽くしてください.

じゃ,受験生が良い夢が見れますように...




最後まで読んで下さりありがとうございました.

2013年2月21日木曜日

侍さんの事例本への覚悟…

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事務仕事全くできません。tomoriです。事務方から苦笑されるくらい、毎回何かしらミスります。一度で書類通ったことが無いような気がする。

さて、今日は侍さんから執筆依頼が届きました。直筆で!どうせなら、お願いします候。切り捨て御免!くらい書いてくれると面白かったなぁ(笑)

いやいや驚くなかれ。今回著者は全部で40名ほど。全員分手書きです…

侍さんは、臨床やって、管理業務やって、子供迎えて、夕飯作ってます。ほぼ毎日。休みは休みで子どもを外に遊びに連れて行ってます。午後9時から寝るまでの時間に仕事をこなしています。論文書いたり、講演の準備、OSセミナー大会長などなど。僕みたいな暇人とは大違いなんですね。事務仕事もきちっとこなしますし。

それはさておき、なぜ彼はそこまでするのか。彼をドライブしてるものは何か。それは手紙にも書いてある通り、(昔僕たちもそうであったように)悩めるOT、学生たちが、作業療法を大好きになれるように、という思いです。いや、使命というほうが正しいのかもしれない。彼が昔からずっと変わらない信念でもあります。

もちろん僕らは、今回協力してくださる有名な著者の先生方からすれば、相当な未熟者です。それは重々承知しているのです。ただ、いつか実力がつくかもしれないその日まで、自信などかけらも無い一年目の頃のように、作業療法士である自分を演じようと思います。また作業療法に憧れ続けようと思います。

作業に焦点を当てた事例報告の書き方。

年末発刊予定です。実は事例だけではありません。OBP周辺でよく聞くOS、カナダモデル、人間作業モデルとかの理論や、そのツールの解説も付いてますし、ボバース、活動分析、SI、課題指向型訓練など、などのテクニック系の解説もあります。しかもその道のエキスパートに。そして、それらを使った事例報告…という流れです。

作業に焦点を当てつつ、手段は近道で確実ならば何でもあり。いろんなものをいいとこ取りしたい。それが日本型のOBPだと思うから。

皆さんがこの本をキッカケに、事例報告をまとめる過程を通して自分のOBPを深めていくとともに、他者にもOBPの楽しさが伝搬するようになればこの上ない幸せです。

しかしいざこうやって豪華著者メンバーみてると、僕が一番楽しみだなぁ…

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。




2013年2月19日火曜日

機関誌に掲載された論文には書けなかったオススメポイント!

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お弁当もって家を出たのに,出勤前にコンビニでお昼ごはんを買うくらい,記憶力に自信があります tomori です.カバンの中から財布を取ろうとして,おにぎり見つけてビックリしました(笑)

ま,大して気にしてないのですが,昨日,機関誌に侍OTさんのADOCを使った認知症の方への論文と,ちびっこOTさんの学校作業療法の論文が同時に掲載されましたーーーー!








あ,写真間違えた.







僕は二人を良く知っていますが,あの人たちはそのうち作業療法と再婚するんじゃないかくらいに作業療法好きです(笑) そして,僕はそんな二人の作業療法のファンです.なので,彼らの臨床実践が論文掲載された時って,自分のが掲載される以上に嬉しいです.

今日はフォーマルな論文には書けないおすすめポイント.そうKOUNOSUKE’S POINT! をお教えしますね.BGMは男子ごはんで... テリリテリリリッ リー♪

まず侍さん

作業選択意思決定支援ソフト(ADOC)を用いた認知症クライエントと作業療法士の意思決定の共有と協働.

KOUNOSUKE'S POINT その1 
クライエントのmeaningful occupationは家族から聞いて知ってるのに,”あえて”ADOCを実施し,クライエントへ作業療法は何をするものなのか確認したこと.これは面接は意味ある作業を聞き出すと思っている人には分からないと思います.面接は,クライエント自身がその作業をすることが自分にとって本当に大事なんだと自分の口で語り,大事な作業に気づき,実際にやってみようと思ってもらうためにやります.詳しくは論文で...

KOUNOSUKE'S POINT その2
レース刺繍,太極拳もしていたけども,取り扱う作業をコーラス一つに絞ったこと.侍さんは認知症の方が混乱しないように,作業は一つに絞り,マトリクスや満足度測定などは省略しています.ADOCって使い方を特に指定していません.ご自由にどうぞ.詳しくは論文で...

KOUNOSUKE'S POINT その3
経過などをPDFに印刷して家族に渡し,実生活でコーラスに関する作業を定着させようとしたことです.ここはあまり論文中には書いていませんが,やはり意味のある作業は日常の中で定着させないとね.なんといっても家族の影響は大きいです.これをちゃんとすることで,言い方悪いですが「厄介者」から「お母さん」,「お父さん」になります.この影響はかなり大きいですよね.詳しくは論文で...


つぎちびっこさん


特別支援教育における教員との協働的作業療法の実践 −教員が子どもの課題を主体的に解決していくことが出来た事例−

KOUNOSUKE'S POINT その1 

クライエントが子どもではなく先生であること.これは僕も最初びっくりしました.ちびっこさんは子どもにCOPMを取りません.教員に取ります.支援プランも提案しません.教員が支援プランを立案できるようにサポートをします.作業療法士は黒子と思って,いないほうがいいからね〜といってること.コンサルテーションモデルです.それで教室でずっと泣いてた子が,わずか1ヶ月で授業中に手を挙げるくらいに変わるんだからスゴイ臨床力です(笑) 詳しくは論文で...

KOUNOSUKE'S POINT その2 
彼女は学校から招かれていません.呼ばれてもいないだけでなく,もともと回復期の経験しかないのに(笑),先生たちから無視され迷惑がられたのに(笑),学校に作業療法が大事だという自分を信じて,学校に1年間通い続けました.そこからクチコミで作業療法が拡がり
,いまや地域の先生たちから絶大なる信頼を得ています.生粋のOTバカです(笑)詳しくは論文で...

KOUNOSUKE'S POINT その3 
子どもが変化した経過をムービーにして教員,親,作業療法士で鑑賞し,それからすること.これは毎度毎度,みんなで涙しながら見るそうです.というのも,学校ではいつも子どもの障害ばかり見ます.これはとても辛いことです.ムービでは子どもが一生懸命生きている姿,つまり作業にengageしている姿が映しだされます.これはホント感動しますし,関わっている人みんなが主体的になるそうです.詳しくは論文で...

長々とすみません.
侍さんも,ちびっこさんも,ご自分で論文に対する思いを綴っていますので,
詳しくはお二人のブログをどうぞ.

侍OTさん→ 心をこめて書きました
ちびっこOTさん→ 機関誌に掲載されました


ケンタロウどうしてるかなぁ...

最後まで読んでくださり,ありがとうございました.


2013年2月17日日曜日

老健での作業療法とは!(共同研究募集)

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乳飲み子抱えながら,夕飯のカレーを朝の9:30から仕込んでいます.tomoriです.仕事では極力効率性を求めますが,僕の料理は趣味なので全て非効率です.フライパンは全て鉄だし,カレーの肉なんてかれこれ90分下茹でしています.解凍以外でチンなんてしません(笑) その時間が楽しいわけで.でも男性が料理を趣味にするといいですよ〜.一応家事にもなるので家族から感謝されます.自分が好きなことをやって社会に感謝される,そんな作業をOTも提供していきたいですよね.

さて,今日は老健のOTについて,一緒に研究している方の事例を紹介したいと思います.老健で勤務しているOTって本当に忙しそうです.個別リハが導入される一昔前までは,「病院でしっかり勉強したあとは老健で少しゆっくり患者さんみよう」,なんて話も正直ありましたが,むしろ今は病院のほうがゆっくりみれるんじゃないかという矛盾.法律上はPTもOTもひとくくりで,マンパワーが少ない,1回20分,週2回,しか関われない,となると,なかなか作業療法の専門性を活かした関わりが難しい現状にあるのではないかと思います.

でもだからこそ作業療法の専門性を考えていきたい,そんなOTも沢山いらっしゃると思います.僕たちADOC project としても,ADOCをキッカケになにか変化を起こすことはできないものか,どことなく,くすぶっているOTの方に貢献できることはないか,と朝起きてから夢の中でも24時間考えています.いやホントに... 

実際,RCTに向けて準備を進めています.

2012.9.25にブログで一緒に研究してくれる方を募集したところ,
老健での共同研究者を募集中です!

それにすぐ連絡くださった方が,初めてADOCを使った作業療法の展開が面白かったので,本人に許可を得て,少し紹介します.

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H24. 9 
琉球OTさんのプレゼンを聞いて「臨床でやろう!」と決意.上記ブログより研究へ参加.研究用のiPadをレンタルする.

H24. 10
場所は老健のデイケア.70台の男性の利用者.奥さんと二人暮らし.軽度の右半身麻痺と言語障害があり.ADLは自立しているが,日中はほとんど自宅で一人で過ごし,ベッドに寝たままテレビを見ていることが多い.時々近所を散歩する.趣味や生活歴等の情報はなく,デイケアを利用し,入浴と身機能維持を目的に…と担当者会議より連絡あり,当初身体機能面ばかり介入していた.そこでADOC実施.①階段昇降,②釣り,③屋外の移動,④動物をみる・飼う,⑤スポーツ観戦,同月,集団レクリエーションのデモとして,他利用者,OT,Nsで実際に漁港へ釣りへ.一番大きい魚を釣る.午前中1時間半程度.老健創設以来初めての釣り活動! 本人も5年ぶりと照れながら語った.

H24. 11
ADOCの数十名のデータが全員分消える(笑)←いや笑い事ではない.僕の指示がまずくて消えた.す,すみません...

H25. 1
めげずにADOC再度実施.①炊事,②麻雀,③日曜大工,④階段昇,⑤釣り.

H25.2
デイケアの倉庫から麻雀台と牌を発見.利用者さん→何十年と麻雀をしてきており,病気する前まで続けていた.今でもテレビで麻雀は欠かさずみている.そして何が何でも麻雀がしたい.と言葉に熱がこもってくる.料理は毎日することだから,料理が1番.でも麻雀はその次に大事だ!と.

実際に麻雀を観察してみると,牌が積めない→そういえば,みんなのリハプランで そんな自助具があったことを思い出す→利用者さんにみんなのリハプランを見せる→以前大工(ADOCでも3番目の作業)だったので,自分で久々にのこぎりを持って作るということに→30分で完成→牌もつめるようになる→超喜ぶ.その後,治療道具とかも一緒に作るようになる...続く 



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まさに「ADOC」+「みんなのリハプラン」という僕の理想を実現してくれました.超感動です(涙) その作業療法士の方は麻雀は全く分からないそうです.でも分からないから支援ができない,と作業療法士に言ってほしくない.みんなのリハプランに沢山の作業の実現方法が乗っかってくればそんなことも減るのかなと... 



ADOCだけでは作業ができるようになりません.皆さんが当たり前と思うこと,こんなの役に立つのかなぁと思うことでもいいですので,リハビリテーション版のクックパッド 「みんなのリハプラン」への投稿をどうぞよろしくお願いいたします.


あと,やはりクライエントにとって本当に大切な作業に気づいたときに作業療法士は動き出す,という僕たちの仮説を立証してくれたような気がします.こういう経験をシェアしつつ,老健でも作業療法らしい関わりがもっとできるように,僕たちはがんばっていきます!



ということで,研究参加に興味を持ってくださった老健勤務の方がいらっしゃれば,どなたでもお気軽にお問い合わせください.募集します

研究っていうと難しいイメージをもたれる方が多いと思いますが,そんなことありません.なるべく臨床実践に少しアウトカム評価を足すだけのプロトコルを考えています.これを機に,自分たちの老健での作業療法を変えたい!という熱意のある方,お待ちしています.皆で一緒に勉強しましょう.

adoc.projectあっとまーくgmail.com  あっとまーくを@へ変換してください.



最後にこの事例を担当したOTの方のコメント.

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この方は,自分の思いをしっかりもち,「ここにはリハビリをしにきている、レクリエーションやなんかは興味ない、あんなんするより自主練習している方がましだ」という考え方で,デイも1日利用から短時間利用へとなりました。


ですので,この方にADOCをしたとき,私自身も,ご本人さん自身も,希望をもって一緒に目標にむかって歩んでいけると気持ちが通じ合ったとき,本当にうれしかったです.「マッサージだけしてくれればいい」という考え方だった方が,家から電動ドリルまでもってきてくれるようになるとは…(><)

ADOCに出会わなかったら,私は今でも老健の流れにそって,機能訓練メインで作業はしたいけど,できない…という思いのOTのままだったと思います.本当に,感謝です.



私のようになかなか一歩が踏み出せないOTさんがけっこうおられると思うので,まだ全員にADOCをとって関われてないですが,少しでも私の話を聞いて一歩を踏み出してくださる方がでてこられたら,本当にうれしいなと思います.

今回の募集で,また私のように救われるOTさんが増えてくるんだろうなーと思うと,わくわくします.

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最後まで読んでくださりありがとうございました.







2013年2月14日木曜日

脳卒中リハにおけるクライエント中心の目標設定のシステマティックレビュー

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断捨離決行中のtomoriです.たまに大事なものも捨ててしまっていますが(笑),自宅も研究室もだいぶすっきりしました.大好きなものだけと暮らすというのはとても良いものです.


さて,今日は脳卒中リハにおけるクライエント中心の目標設定のシステマティックレビューを読みました.

概要としては,1980-2010で,クライエント中心の目標設定に関する論文を集めたところ,急性期から地域まで,質的研究が18本,量的研究が8本,mixが1本.その後質的?にテーマをまとめています.クライエント中心に関するクライエントとセラピストの認識,コンセプトの名ばかりの採用,認識と実践の矛盾,倫理的対立,適応への挑戦,適応するための戦略... とかく,クライエント中心の目標設定に関する研究のほとんどは方法論がweakで,psychological outcomesでやや効果があった.クライエント中心の目標設定は様々な障壁によってあまり実践されていない.この概念を取り入れた効果が適切に検証されていないので,今後研究が必要である.という感じの内容です.


全体的に読みましたが,材料がないからか,数字でまとめるより,叙述的にまとめてある感じで,孫引きしないと引用されている研究の方法までは分からない感じでした.方法別に整理して一覧表にすれば良かったのに.low-levelでのクライエント中心の目標設定のポジティブな効果としては,self-efficacy, sense of autonomy, selfe-assurance, motivation, reduced anxiety, empowerment leading to grater competent participation in rehabilitation efforts ということでした.方法論までは分からないので,取り寄せですね.でもまあ,weakならば取り寄せなくてもいいか(笑)


そして,唯一ここだけ面白かったんですが,「有害である」という論文は無かったとのこと.まあこんなことをテーマとして取り上げる研究者自体のバイアスもあるとは思いますが,これ面白いですよね.

有害という結果は一つもないのに,なぜセラピストはクライエント中心に躊躇するんでしょうか(セラピストの躊躇が障壁の一つと書いてあった).躊躇というのは行動に移していないということですよね.認知面に不安がある,無理難題を言う,クライエントが望まない,機能訓練を希望する... クライエント中心をできない理由を挙げろと言われれば沢山あります.でも,それらはあくまでも「may be」なわけで,実際にやってないのに,有害性を示す研究もないのに,躊躇してしまうのは何故でしょう... それに関する研究も今後必要ですね.

そういえば琉球OTさんのブログも面白かった
あきらめない心は育つ

侍さんのも
誰がために鐘がなっているのかを見に行かせてはいけない

彼らはいつも,いつまでも背中を推してくれます.


あと,やっぱOTの研究が多かったと書いてありました.COPMも度々出てきました.比較的OTではクライエント中心は浸透しており,OTのモデルを参考に,他の専門職もクライエント中心を発展させるといいのかもね,とのこと.数年後,こういう論文にADOCも引用されるといいなぁと思いながら,地道に研究をしていきたいと思います.

最後まで読んでくださり ありがとうございました.






Clin Rehabil. 2011 Jun;25(6):501-14. doi: 10.1177/0269215510394467. Epub 2011 Mar 25.

A systematic review and synthesis of the quantitative and qualitative evidence behind patient-centred goal setting in stroke rehabilitation.

Rosewilliam S, Roskell CA, Pandyan AD.

Abstract
OBJECTIVE: To map out from the literature the nature, extent and effects of application of patient-centred goal setting in stroke rehabilitation practice.
DESIGN: Systematic review.
DATA SOURCES: A search was conducted in the Cochrane (Wiley), AMED, Medline (EBSCO), Embase, Sports discuss, Medline (Ovid) and CINAHL databases. Secondary search based on references from the preliminary search was undertaken.
REVIEW METHODS: Quantitative and qualitative studies that included aspects of patient-centredness and goal setting in stroke patients from 1980 to June 2010 were collected. Studies were scrutinized for relevance and quality based on published methodology. The findings were synthesized by aggregating the themes from the qualitative studies and relating them to relevant findings from the quantitative studies.
RESULTS: Eighteen qualitative and eight quantitative and one mixed method study conducted in stroke rehabilitation services ranging from acute to community rehabilitation were included. Themes that emerged were related to perceptions of patients and professionals regarding patient-centredness, nominal adoption of this concept, consequences of discrepancies in the perceptions and practice, related ethical conflicts, challenges to application and strategies to improve its application. The effects of following patient-centred goal-setting practice have been studied mostly with weak methodologies and studies show some benefit with psychological outcomes.
CONCLUSION: Patient-centred goal setting is minimally adopted in goal-setting practice due to various barriers. Since the effects of incorporating this concept have not been evaluated rigorously it is suggested that further research is essential to investigate its effect on patient outcomes.

PMID: 21441308 [PubMed - indexed for MEDLINE]

2013年2月12日火曜日

それぞれにそれぞれの志

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昨日次女に パパいやー と2〜4時まで蹴られました。tomoriです。朝から少しだけ無視してやりました。


さて、土曜日から今日まで、三人の仲間とそれぞれ将来についてマジに語り合いました。みんなそれぞれに夢があって、それぞれに大きな現実の壁がありました。共通していたことは、誰しもやりたいことばかりできるわけではない。様々なしがらみの中でみんな耐え忍んでいる。

でもその他共通していたことは、どうすれば作業療法やクライエントのためになるのかということを、それぞれの立場から真剣に考えていました。高い志を持って。それがあるからこそ、どんなことでも頑張っている感じでもありました。

僕は、そんな仲間と一緒に仕事ができる事に嬉しく思いましたし、彼らを誇りに思いました。僕も、もっともっと頑張らねばなぁ。よっしゃー



2013年2月10日日曜日

目標を立てるときの僕なりの工夫

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嫁さんが買い物に行き,娘たちが昼寝している間に記事を書いています.tomoriです.
ヒマなときにはブログとか書かないのに,時間がないときほど生産性が高まるものですかね.


今日は,Lifehackerさんの記事,
ダサくても「人生の目標」を書いてみるべき理由
を読んだのをキッカケに,自分なりの目標についての考え方を書こうと思った次第です.

1)ADOCも絵に描いた餅からのスタートだった

僕も,ひと昔まえ,知識もお金も実績も何も無かったころにADOCの構想を思いつき,絵に書きました.小っ恥ずかしかったのを覚えています.何もできない若造が大それたことを...と思いました.しかし,それからあれよあれよと言う間に,いろんなことが実現していきました.実現できたとは言えません.気がつけば実現していた(笑)カミカゼのような運の後押しもありましたし.その経験からも,目標を紙に書くということの重要性は感じています.



2) 目標はみんなと自分にとってプラスになるものにする

正月神社でお願いごとをするとき,僕はいつも「皆が健康で幸せであるように」とお願いします.どうすれば役に立てるのかな〜と考えます.よく分からないクセのようなものですが... それを十分に考えた上で,自分の目標を立てます.目標って突き詰めていくと,自分とみんなにとってプラスになるものになると思います.またそのほうが,皆の協力も得られやすいので,より大きな目標になるばかりか,実現可能性が高まります.僕も本当に沢山の素晴らしい仲間に恵まれ,どうにかADOCをリリースすることができました.


3) 「自分の行動で表現」すること

アプリを開発する,という目標を立てても,その時は何をどうすればいいかも「全く」分かりませんでした.見えない,難しすぎる,目標では,モチベーションは持続できません.じゃどうするか.僕は自分の行動で表現しています.自分の行動なら自分でコントロールできるからです.朝から早起きしてマクドナルドへ行く,申請できる研究費全てに応募する,文献を検索する,論文を3行書く... など目標を自分の行動に落とし込みました.僕はGTD(Getting Things Done)というタスク管理のシステムが好きなんですが,昔ブログで少し紹介しています→気になることを全部あげてみてから整理する目標設定 自分の行動ならコントロールできます.なので目標は細かく区切った行動で表現することが重要です.



4) 公言すること


 最後,目標は公言して,自分にプレッシャーをかける方法をよくとります.特に,ボスに言います.来週までやってきますと.ボスから「やれ」とは全く言われません.自分から言うのです.そうすることによって,やらされているというより,自分で能動的に決めたという意識も働きます.去年の年末も僕の仲間には勝手にメールで今年の目標を送りつけました(笑) 僕は基本的にめちゃくちゃナマケモノなので,絵に描いた餅にならないように,こうやって行動を実行しています.

ということで,皆が帰ってきたので,今日はこれまで.


まあビジネス本に書いていることのまとめのようなものですが
最後まで読んで下さりありがとうございました.







2013年2月9日土曜日

認知症者に対する作業療法の効果(文献)

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先日禁酒6日ほどしました。tomoriです。その時に長女にカミさんがコンビニでスーパーカップ買ってきてー!と頼んでたのに対して、僕はてっきり僕に気を遣って言ってくれたと思い、コンビニでは未成年には酒売らないんだよーというと、え、アイスだけど。てか未成年にはどこでも酒は売らないよねと(笑)。嗜好品を過度に抑制すると判断能力が落ちますので、適度に楽しみたいと思います(笑)



さて、認知症者に対する作業療法の文献を読みあさってます。一昨年AJOTで特集が組まれ、作業を使った介入に関してわりと新しめのシステマティックレビューがありました。


概要
認知症者に対してADL、IADL、レジャー、社会参加活動、の作業を使った介入が認知症者や介護者のQOLや満足度に及ぼす影響について文献検索したところ、26本ひっかかった。ADLは高いエビデンスレベルの報告はなかった。IADLは地域在住の認知症者についてはある。個別的で活動に基盤としたレジャー介入(Tailored and activity-based leisure intervention)は、共通して効果があった。社会活動参加は言語的コミュニケーションができる人であれば短期的な効果がある。

という感じ。てか認知症者へのADL介入に効果があるのか今のところ分からないという状況をどのくらいの作業療法士が認識しているのだろうか… もちろん効果があるか分からないからする必要はない、とは全く思ってない。文献の分類の仕方も良くないのかなと思うが、意外に盲点だった気はする。誰か研究してみたらいいのにな。

一方、これまた逆に意外だったのが個別的なレジャー活動は効果があるとのこと。あとIADLも。この「個別的な」がミソで、誰でもする最大公約数のADLと異なり、レジャーは十人十色なので個別性の尊重が大事。ここに引っかかってるのが、オランダのGraffさん、アメリカのGitlinさんの研究。調べてみると、どっちも地域でデータとってて、どっちも介入をパッケージにしてる。Graffさんは community occupational therapy in dementia (COTiD) 、GitlinさんはThe Tailored Activity Program (TAP) 。

日本でも翻訳して使おう、じゃなくってさ、もちろんそれでもいいんだけど、せっかくOTが認知症初期集中支援チームの一員として明記されたんだから、他職種と連携して何かそういうの作れば良いのにね。OTだけで、しかも協会主導の生活行為マネジメントで全てをひとくくりにしようとすると、色々とおかしなことになる。それはまた別で書くとして…

認知症は個人によって症状や時期によって症状が多彩やし、色んな疾患が重複してたりするので、特に他職種と連携して関わる必要があるように思う。他職種と連携するとき、やっぱ専門が異なるからそれぞれがそれぞれの視点で好き勝手意見して、結局クライエントや家族の希望からかけ離れてしまう事が多々ある。そんな時に、ADOCとか使って欲しいなぁと思う。

日本では他職種連携といえばICFやけど、あれって使い方が統一されてないし、マニュアル通りに数字とか並べだすことは無いだろう。その点ADOCだとイラストだし、その項目もICFの活動と参加をベースに構成したので、イラストを選ぶだけで活動と参加に焦点が当たるようになっている。また計画書をメール、プリントできるので他職種で共有もできる。

話がそれてきたけど、つまりのまとめ。

今のところ認知症者に対する作業療法では、個別性を尊重したものが効果があるとのこと。それを海外ではシステマティックに地域のOTみんなができるような動きがある。日本では初期集中支援チームとか動き始めてるから、それで何かパッケージにすればいいのでは? んで個別的なニーズに対応しつつ他職種と連携するにはADOCが使えるのではないか、という提案でした。結局ADOCか(笑)


あ、あと僕が認知症になった時には、アルコールを要求すると思いますが、その時はビールか日本酒か赤ワインを下さい(笑)個別的なレジャーは料理にあった酒選びです。


最後まで読んで下さり、ありがとうございました。


以下文献


Using occupations to improve quality of life, health and wellness, and client and caregiver satisfaction for people with Alzheimer's disease and related dementias.

AuthorsLetts L, et al. Show all Journal
Am J Occup Ther. 2011 Sep-Oct;65(5):497-504.


Abstract
An evidence-based review was undertaken to answer the question, "What is the evidence for the effect of interventions designed to establish, modify, and maintain activities of daily living (ADLs), instrumental activities of daily living (IADLs), leisure, and social participation on quality of life (QOL), health and wellness, and client and caregiver satisfaction for people with Alzheimer's disease and related dementias?" A systematic search of electronic databases and application of inclusion and exclusion criteria guided the selection of 26 articles. Limited high-level evidence on ADL interventions was identified. IADL interventions for people living in the community showed promise. Tailored and activity-based leisure interventions were common and seemed to have positive impacts on caregiver satisfaction, and some interventions had positive results for client well-being and QOL. Social participation interventions focused on people with dementia still able to engage in verbal social interactions; these interventions had at least short-term positive effects.

PMID 22026317 [PubMed - indexed for MEDLINE]

2013年2月6日水曜日

クライエント中心の作業療法の効果はあるのか?

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またまた布団からiPhoneで投稿です。tomori です。

先日、興味深い、最新の論文を紹介してもらいました。

MS患者さんにおけるクライエント中心療法の効果におけるクラスター型RCT: 良いプロセス、乏しいアウトカム

という何ともパッチワークのようなタイトルなんですが、結論は、MS患者さんに対するクライエント中心の作業療法より、通常の作業療法のほうがsecondary outcome で有意に効果があったけど、プロセスの評価ではクライエント中心のほうが効果があった、という、まぁ仮説から言えばネガティブな内容です。

クラスターではありますが、対象人数もそこそこだし、統制もわりとされてるので、まぁそれなりに信頼できる結果かもしれません。

ここでのクライエント中心とは、abstractには書かれてませんが、カナダのモデルが採用され、CPPFやCMCEに基づいてるようです。オランダでの研究ですが。

特に参考になるのがプロセス評価ですね。the quality of care through the patient’s eyes (Quote-EEE) という評価法を使って、各介入プロセスを評価してます。結局RCTでは差があるのか無いのかしかわかんないので、こういうデザインで、何が効いてるのか調べていく必要があると思います。もちろん後ろ向きでもいいと思います。

さて、この結果をどう解釈するか、なんですが、まぁプロセスは良くてアウトカムはダメやとなると、何を測ってるのかのアウトカム妥当性と、アウトカムと介入との一貫性に問題があるかもですね。例えば英語の勉強して試験は国語だった、という感じかな。

あとは、クライエント中心が万能ではないということ。場合によってはセラピスト主導のパターナリズムも必要だし、クライエントが意思決定にどのくらい参加したがっているか、作業療法をちゃんと知ってやってみようという気になってるか、にもよって採用する意思決定モデルは変わってきます。その辺の曖昧さがRCTで検証できるものなのか、難しいところですね。

もう少し読み込まないといけないのですが、いずれにせよ、結論で言われてるように、クライエント中心については再考すべき、という主張は納得できます。色々考えさせられる、興味深い論文です。



A cluster randomised controlled trial on the efficacy of client-centred occupational therapy in multiple sclerosis: good process, poor outcome

Isaline C. J. M. Eyssen et al

Disability and Rehabilitation
Vol. 0: 1-11
DOI: 10.3109/09638288.2012.748845

Abstract
Purpose: To assess the efficacy of client-centred occupational therapy (OT) according to a client-centred process framework, as compared to usual care OT, in patients with multiple sclerosis (MS). Method: A multicentre cluster randomised controlled trial with the institution (i.e. hospital or rehabilitation centre) as the unit of randomisation was performed. A total of 269 outpatients with MS, 13 hospitals and rehabilitation centres and 29 occupational therapists participated. Primary outcomes included measures of disability, participation and autonomy. Secondary outcomes included fatigue, generic health-related quality of life, quality and evaluation of therapy, therapy compliance and therapy frequency. Measurements were taken at baseline, four months and at eight months follow-up. Results: Primary outcome measures did not show significant differences between the two interventions. Secondary outcomes revealed significant differences in favour of the usual care OT on fatigue (physical scale and total scale) and health-related quality of life (bodily pain and vitality) at four months. After eight months only significant differences on mental health were found. Process outcomes (i.e. the information scale of therapy quality and the client-centredness of the organisation) were in favour of the client-centred intervention. Conclusion: Because the client-centred intervention resulted in no effects on the primary outcomes and small but negative effects on the secondary functional outcomes, we should seriously reconsider the application of client-centred practice.


Implications for Rehabilitation

An increasing number of interventions claim to incorporate client-centred practice. Client-centred practice is associated with improved satisfaction but the effects on functional health-related outcomes have not been fully evaluated.

The findings of this study show that the process outcomes of therapy were in favour of the client-centred intervention, but no effects were found on the primary outcomes and negative effects on the secondary functional health outcomes.

It is suggested that the implementation of client-centred practice should be adjusted in order to achieve optimal health outcomes.

2013年2月4日月曜日

「俺がやっているんだから、お前らもやれよ!」

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スタンディングデスクで1日仕事しています.tomori です.もちろんちょくちょく休憩は入れます.夕方は疲れますが,集中できるし,昼間眠くならないし,慣れてくるとなかなかいいですね.

さて,今回は OT道でしょう のメガネさんが 第15回作業療法臨床実践研究会 を企画しているようなので,その案内です.

この記事では,なぜ茨城で開催するのか,そしてメガネさんがなぜ教育から再び臨床に戻ったのか,が分かります.


僕も授業でトップダウンとかOBPっぽいこととか教えています.そこで毎年最後に言ってるのが,「おそらくこの中で95%は僕が教えたことを臨床でやってないでしょう」.「日本は僕が教えたことをやりにくい土壌にあるが,それでも僕はこの種を巻き続けます」 と.

もちろん教員のエゴとかイヤなので,ボトムアップがどのように役立つのかとか,それぞれの長所と短所など,一般的なことも教えているつもりです.

ただ最近は,時流もあってか,はたまたADOCを創ったこともあってか,ステキな勘違いかもしれませんが,少しずつですが卒業生の中でも,作業に焦点を当てた実践が広まっているようにも思います.それが正しいというわけではないのですが,教えたことが役立っているのであれば,それは教員として嬉しい限りです.そして今後も,様々な臨床家と一緒になって,作業の芽を少しずつ増やしていければと思います.



しかしまあメガネさん,「俺がやっているんだから、お前らもやれよ!」とか,いつも男気ありますよね〜.でも,メガネさんは押し付けがましいヒトでは決してありません.僕はこの記事を読んで,メガネさんに,宮沢賢治みたいですねーとメールしました.


雨ニモマケズ
風ニモマケズ...(中略)

東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ


僕の中でメガネさんはそういう感じに,自ら西へ東へ動いていく,芯のあるとても優しい方です.メールには「雨にも風にも負けています」と謙遜の返信がありましたが,雨でも風でも雪でもバイク通勤し,自転車で訪問に出かける人です(笑) 盛りすぎかな...(笑)


平日開催ということで,僕は行けませんが皆様ぜひご参加ください.



第15回作業療法臨床実践研究会

日  3月8日(金)
場所 茨城県立医療大学

プログラム
12:30〜 受付開始
13:00〜14:30
 (仮 作業に焦点を当てる内容) 来週中にアップ予定です。
 講師 茨城県立医療大学 齋藤さわ子先生
14:40〜15:40
 (仮 作業に焦点をあてることとICFとの関連 あるいは集団の作業療法などについて)
  来週中にアップ予定です。
 講師 茨城県立医療大学 伊藤文香先生

15:40〜15:50
 おわりに 「臨床で作業に焦点を当てる気持ちをもつこと」
 作業療法臨床実践研究会 世話人 澤田辰徳

参加費 一般1000円 学生100円
定員 未定。状況により先着順

申し込みはこちら 

最後まで読んでくださり,ありがとうございました.



2013年2月2日土曜日

作業興奮とトップダウン

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三女誕生の女系一家、tomoriです。やっぱ子どもはカワイイですねー。


今日調べ物をしてたら、作業興奮という単語に引っかかりました。

例えば受験勉強とか、やらなきゃ、やらなきゃと思ってても、なかなか行動に移せない事って、だれでも体験する事かと思います。そこでまず実際に作業を行う事で、側坐核という脳のやる気スイッチの部位が刺激され、だんだんとやる気が出てくるそうです。つまり、やる気と言うものはそもそもあると言うよりは、まずは身体を動かして、つまり何か作業をする事によって賦活されてくるということですね。

これってトップダウンアプローチにも関連するなぁと思って見てました。もう自分なんて…と言ってたクライエントが、その人にとって大切な作業を一緒にやってみた後、それまでとはまるで別人のように、ものすごい主体的になったという経験をした方はわかると思います。その人にとって大切であればあるほど、側坐核への刺激は大きいのかな。

でも、失敗体験になってしまわないか… 前のようにできないとがっかりさせてしまうのではないか…と作業療法士は考えてしまうものです。でも僕はだからこそ作業療法士が必要だ、と考えるほうが前向きで好きです。

失敗させずに側坐核を刺激するために、作業療法士は、ポジティブシンキング、面接力、作業分析と難易度調整、心身機能の医学的知識、巻込み力など、色んなスキルを総動員させる必要があります。

簡単じゃないからむしろ面白い、そう思います。作業療法って。




以上、久々の投稿が、となりでぎゃんぎゃん夜泣きしている子どもとカミさんを横目に布団の中でiPhoneからでした。ぼちぼち手伝います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。




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